ギリシャ神話(2)

　ギリシャ神話(2)
（文番号付きの全章目次、未読が一目瞭然）

アポロドロスの「ギリシャ神話」は、薄っぺらの本だが、あたかもドライフーズのように、お湯をかければ、さまざまの物語を引き出す内容を含んでいる。ただし、記述は一貫してはおらず、矛盾もそのままにしてある。それは聖書も同じである。

「ギリシャ神話」の原題は「ＢＩＢＬＩＯＴＨＥＫＥ」だそうで、「ＢＩＢＬＩＡ（聖書）」と似ている。元は単に「書かれたもの」にすぎないのである。とはいえ、それには部族の精神活動を支え、律し、なおかつ人類に普遍的な内容が書かれている。二つの書かれたものは、その起源も同じ紀元前１３００年（出エジプト記）の頃になっている。

この本には、文あるいは文塊を一意に示す工夫があった。わざわざ文番号を振らなくてもよいことがわかった。このギリシャ神話(2)で使っている分番号がそれである。

第一巻

(1)未読　（１行目）天空が最初に全世界を支配した。大地を娶って先ず「百手巨人」と呼ばれる

(2)未読　（１行目）ゼウスが成年に達するやオケアノスの娘メティス（智）を協力者とした。

(3)一部未読　ムーサたちの名前、オルペウスの冥府物語、同性愛のさきがけ

(4)未読　（１行目）コイオスの娘たちの中で、アステリアはゼウスと交わるのを厭って身をうずらに

(5)未読　（１行目）プルトンはペルセポネに恋し、ゼウスの協力を得て彼女を密かに奪った。

(6)未読　（１行目）以上がデメテルの話である。大地はティタンたちのため憤って天空によって

(7)一部未読　プロメテウスの火、ギリシャ人の箱舟、「人々」の語源、ヘレニズムの語源

(8)一部未読　大きくて強いイノシシ退治の話、ギリシャ的名前（ヘラクレス、イアソン、クレオパトラ）

(9)アルゴ号の冒険　後半には、セイレンなど、ホメロスのオデュッセイアと同じ名前の怪物が登場

第二巻

(1)エジプトのイシス　ゼウスは、ヘラの祭官にあった彼女を犯した。ヘラに発見されてゼウスは

(2)未読　（１行目）リュンケウスはダナオスの後をうけてアルゴスを支配し、ヒュペルムネストラに

(3)怪獣キメラ退治　ステネボイアは彼に恋心を持ち、あいびきの申し出を彼に送った。しかし、彼が

(4)ペルセウスとヘラクレス　ペルセウスはタイタンの戦いの主人公、ヘラクレスはギリシャの英雄

(5)ヘラクレスの苦役　第十二番目の仕事として地獄からケルベロスを持って来ることを命ぜられた。

(6)プリアモス　ピュトの巫女が彼に神託を与えなかったので、神殿を掠奪し、三脚を持ち去って自分

(7)ヘラクレスの火葬壇　オリンピア競技を設け、ペロプスの祭壇を築き、十二神の六祭壇を建てた。

(8)アルクメネの憎悪　案内者として三眼の男を使うべしと命じたので、ヒッポテスを追放し、三眼の

第三巻

(1)ミノスの子グラウコス　ミノスはクレタに居住し、太陽神とペルセイスの娘パシパエを娶り

(2)未読　（１行目）ミノスの子カトレウスからはアエロペ、クリュメネ、アペモシュネ、アルタイメネスが

(3)ミノスの子グラウコス　ポリュイドスは驚き、同じ草をグラウコスの身体にあてて生きかえらせた。

(4)アルテミスの水浴　アクタイオンの死後犬は主人を求めて咆え、探し求めつつケイロンの洞窟に

(5)未読　（１行目）ディオニュソスは葡萄（ぶどう）の木を発見した。

(6)予言者テイレシアス　ホメロス「オディッセイア」では、オディッセウスがこの予言者の霊に帰路

(7)未読　（１行目）クレオンはテバイの王権を継承して、アルゴス人の死骸をば埋葬せずに遺棄し、

(8)未読　（１行目）さてここで再びペラスゴスにたち戻ろう。

(9)未読　（１行目）アルカスとアミュクラスの娘レアネイラ、あるいはクロコンの娘メガネイラ、あるいは、

(10)外科医アスクレピオス　彼によって生きかえったと称せられる幾人かの人々を余は見出したが、

(11)未読　（１行目）メネラオスはヘレネよりヘルミオネを得、また一説によればアイトリアの女奴隷

(12)アレキサンドロス　アンキセスとアプロディテが恋の情欲にかられて交わり、アイネイアスと

(13)アキレスの出生　オディッセウスはリュコメデスの所にアキレスを求め、ラッパを用いて見破

(14)未読

(15)クレオパトラ　イリッソス河の傍らで遊んでいるオレイテュイアをボレアス（北風）が掠って、交わ

(16)未読　テセウスの物語が始まろうとして欠落、このアポロドロスの著は途絶えた。

摘要（第三巻の続きとして補完されたもの）

（著者まえがきの抜粋）
従来伝承せられていた本書の写本はすべて第三巻のセテウス伝説の中途で突然に切れている。・・・（中略）・・・以下の翻訳においては第三巻の本文欠如以後の部分は、バチカン本（Ｅによって表す）を主とし、サバス本（Ｓ：聖サバス僧院）がバチカン本の不備を補う点はこれを挿入して、できるかぎり完全を期した。

(1)未読

(2)未読

(3)ギリシャ連合艦隊　争いの女神がヘラ、アテナ、アプロディテに美の賞として林檎を投じ、

(4)アキレスの怒り　競技の後プリアモスはアキレスのもとに来ってヘクトルの死体を贖い、葬った。

(5)ラオコーン　アイネイアスは父アンキセスを担いで遁れたが、ギリシャ人たちは彼の敬虔心のゆえ

(6)諸将の帰還　スパルタに来て自分の王国を手に入れた。そしてヘレネとともにエリュシオンの野に

(7)ああペネロペ　アルキノオス王の娘ナウシカは着物を洗っていたが、庇護を乞うた彼を王の所に