（６）予言者テイレシアス

 
3-6-1エテオクレスとポリュネケスは王権に関して互いに協定し、二人が一年おきに交互に治めることに決めた。

3-6-2しかしオイクレスの子アムピアラオスは予言者であって、この軍に加わった者はアドラストスを除いてすべて死すべき運命にあることを予見し、彼自身軍に加わることを躊躇（ちゅうちょ）し、また他の者を阻止せんとした。

3-6-3アドラストスは軍を集め、七人の長（おさ）とともにテバイと戦うべく急いだ。

3-6-4彼らはリュクルゴスを王に戴いていたネメアに来り、水を求めた。

3-6-5キタイロンに来た時、エテオクレスに協約通りにポリュネイケスに王権を譲るようにと前以て言わせるべく、テュデウスを使者に立てた。

3-6-6アルゴス人たちは武具に身をかためて城壁に近づき、七つの門があったので、アドラストスはホモロイダイ門に、カペネウスはオギュギアイ門に、・・・

3-6-7さてテバイ人にはエウエレスとニムフのカリクロとの子なる、スパルトスの後裔、ウダイオス家に属する盲目の予言者テイレシアスがあった。彼の不具となった事情と予言の力に関しては、種々（しゅじゅ）の説が行なわれている。
（１）ある者は彼が神々によって、彼らが人間に隠そうと欲するところを明かしたために盲（メシ）いにされたといい、一方ペレキュデスはアテナによって盲いにされたという。

（２）というのは、カリクロはアテナと親しい間柄にあったが、（・・・・）彼は女神の全裸の姿を見た。女神は彼の眼を両手で蔽（おお）って片輪（かたわ）にした。カリクロが資力をまた元通りにするように頼んだが、これをなし得なかったので、彼の耳を清めて鳥のあらゆる鳴声を理解し得るようにし、それを持っていると目あきと同じに歩ける山茱萸（さんしゅゆ）の木の枝を彼に与えた。

ヘシオドスの言によれば、キュレネ山中で蛇が交尾しているのを見、これを傷つけたところ、男から女になり、再び同じ蛇が交尾しているのを見て男となった。

（３）それゆえにヘラとゼウスとが女と男のどちらが性交に際しより大いなる快楽を感ずるかについて口論した時に、彼に決定を乞い、彼は性交の喜びを十とすれば、男と女との快楽は一対九であると言ったので、ヘラは彼を盲いとなしたが、ゼウスは彼に予言の術を与えたのであるという。

テイレシアスのゼウスとヘラへの言葉。
十のうち男の快楽は一にすぎず、
女は十の喜びもてその心をみたす。

彼はまた非常な長寿であった。
　そこで彼はテバイ人が占いをたてた時に、クレオンの子メノイケウスが戦の神（アレス）への犠牲としてわれとわが身を捧げたならば、勝利を得るであろうと言った。これを聞いてクレオンの子メノイケウスは城門の前で自害した。戦闘となって、カドメイオス人（テバイ人）が城壁へと雪崩（なだれ）をうって追いつめられ、カパネウスが梯子（はしご）をひっつかみ、これによって城壁に攀（よ）じのぼらんとしたが、ゼウスは彼を雷霆（らいてい）で撃った。

3-6-8これが起こった時にアルゴス人は逃げ出した。
 
次へ
 
引用：（ウィキペディア）サンシュユ（山茱萸、学名:Cornus officinalis Sieb. et Zucc.）は、ミズキ目ミズキ科の落葉小高木。ハルコガネバナ、アキサンゴ、ヤマグミとも呼ばれる[2]。季語は春。 
 
 
 
掲載と閲覧・双方の注意事項
１．このサイトの読者の中には、本の購入者あるいは購入予定者がおられるであろうこと。 
２．このサイトの目的は、キリスト教の説明書作成の一環であること。 
３．「イリアス」と「オディッセイア」の物語と地獄行きについて参考になればと思ったが、その他の物語についても入力した。物語が実は部族の先祖にリンクするためのものであることに気づいたが、キリスト教には関係ないため、全文入力にはしなかった。物語が、部族の先祖、あるいは後裔に関連付けられることは、モーセ五書に似ている。ギリシャ神話を口伝（くでん）で継承したのは吟遊詩人たちである。モーセ五書は、ユダヤ人十二部族の宗教集団レビ人の作品であるだけに、律法を含んだ聖典として洗練されている。
 
　 

2015/3/22 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会