（１）エジプトのイシス

エジプトの神イシスの起源やら、その他の地中海世界のものも、簡潔に書いてある。

2-1-1 2-1-2 2-1-3アルゴスとアソポスの娘イスメネに一子（いっし）イアソスが生れた。イオはイアソスの娘であると言われている。ゼウスは、ヘラの祭官にあった彼女を犯した。ヘラに発見されてゼウスは少女に触れて白色の牝牛（めうし）に変じ、彼女と交わったことはないと誓った。ヘラはゼウスから牝牛を乞いうけて、その番人に普見者（パノプテス）アルゴスを任じた。彼は牝牛をミュケナイの森の中にある一本のオリーブの樹につないだ。 ゼウスがヘルメスに牝牛を盗むようにと命じたが、ヒエラクスが漏（も）らしてしまったので、知られずにやることができず、石を投げてアルゴスを殺した。これが彼が「アルゴスの殺戮（さつりく）者」(Argeiphontess)と呼ばれるゆえんである。 そこでヘラは牝牛に虻（あぶ）を送り、牝牛は先ずその名よりイオニア湾と呼ばれる所に来。ついでイリュリアを通過し、ハイモス山を越えその当時トラキア海峡（かいきょう）と呼ばれていたが、今は彼女によってボスポロス（牝牛の渡し）と呼ばれる海峡を渡った。 （Ｐ７３）第二巻（�T） エジプトの神イシス スキュティアとキメリアの地に赴（おもむ）き、広大な地域をさまよい、ヨーロッパとアジアの広い海を泳ぎ渡って、ついにエジプトに至り、そこで元の姿にかえって、ナイル河辺（かわべ）において一子エパポスを生んだ。しかしヘラはクレスたちに彼をどこかにやってしまうことを乞い、彼らは子供をどこかにやってしまった。ゼウスはそれを知ってクレスたちを殺したが、イオは子供を探しに出かけた。 全シリアをさまよい歩いて−−−というのはそこで、ビュブロス王の（妻が）息子を保育している（ということを）教えられたからである−−−エパポスを発見し、エジプトに赴いて当時のエジプト王テレゴノスと結婚した。---（イオは女である）。 そしてデメテルの像を建てた。エジプト人はデメテルをイシスと呼び、またイオをも同じ名で呼んだのである。 2-1-4エパポスはエジプトに君臨して、ナイルの娘メムピスを娶り、彼女の名に従ってメムピス市を建て、リビアの地がその名に由来している娘リビュエを生んだ。リビュエとポセイドンとの間に双生児（そうせいじ）アゲノルとベロスとが生れた。アゲノルはフェニキアに去ってその王となり、そこで大氏族の祖宗となった。 一方ベロスはエジプトに留（とど）まり、エジプトに君臨して、ナイルの娘アンキノエを娶り、彼に双生児アイギュプトス（エジプト）およびダナオスが生れた。 ベロスはダナオスおばリビアに、アイギュプトスをばアラビアに住まわした。アイギュプトスはまたメラムプス人（黒足人）の地を征服して、（自分の名をとって）エジプトと名づけた。 （Ｐ７４）第二巻（�T） 多くの女の腹からアイギュプトスには五十人の男の子が、ダナオスには五十人の女の子が生れた。 王権に関して彼らは後になって争った結果、ダナオスはアイギュプトスの子供たちを恐れ、アテナの忠告に従って船の最初の建造者となり、娘たちを乗せて遁（のが）れた。 ロドス（島）にたち寄り、リンドスのアテナの像を建てた。そこからアルゴスに来（きた）り、当時王であったゲラノルは彼に王座を譲った。（彼はこの地を征服し、自分の名をとって住民をダナオイと名づけた）。 しかしイナコスがこの地はヘラのものであると証言したためにポセイドンがイナコスに対して憤（いきどお）り、泉をも枯渇（こかつ）せしめたので、この地に水がなかったから、娘たちに水を汲（く）みにやった。彼女らの一人アミュモネ水を求めている中（うち）に一頭（いっとう）の鹿に槍を投げたところが眠っているサテュロスにあたった。そして彼は飛び起きて少女に対して情欲を起した。 しかしポセイドンが現われたのでサテュロスは逃げ、アミュモネは神と枕を交わし、彼女にポセイドンはレルネにある泉を教えた。 2-1-5しかし、アイギュプトスの息子たちはアルゴスに来て、ダナオスに敵意を収（おさ）めることを勧め、かつ彼の娘たちを妻としたいと乞うた。しかしダナオスは半（なか）ばは彼らの言を信ぜずまた半ばは国外に流浪（るろう）の身となった怨（うら）みを忘れずにいたが、とにかくその結婚に同意し、少女たちを彼らに割り当てた。 彼らは最年長者のヒュペルムネストラをリュンケウスに、ゴルゴポネをプロテウスに選んだ。彼らは王女アルギュピエからアイギュプトスに生れたからである。その残りの息子たちのうち、ブシリス、エンケラドス、リュコス、ダイプロンはエウロペからダナオスに生れたアウトマテ、アミュモネ、アガウエ、スカイエを引きあてた。 この娘たちは女王からダナオスに生れたのであるが、ゴルゴポネとヒュペルムネストラとはエレパンティスからである。 イストロスはヒッポダメイアを、カルコドンはロディアを、アゲノルはクレオパトラを、カイトスはアステリアを、ディオコリュステスは（ピッポダメイア）を、アルケスはグラウケを、アルクメノルはヒッポメドウサを、ヒッポオスはゴルゲを、エウケノルはイピメドウサを、ヒッポリュトスはロデーを得た。 これら十人はアラビアの女から、乙女たちは森の精のニムフたちから、すなわち、あるものはアトランティエ、あるものはポイベから生れた。 アガプトレモスはペイレネを、ケルケテスはドリオンを、エウリュダマスはパルティスを、アイギオスはムネストラを、アルギオスはエウヒッペを、アルケラオスはアナクシビエを、メネマコスはネロを引きあてた。これら七人はフェニキアの女より、乙女たちはエチオピアの女より生れたのである。 テュリアからの息子たちはメムピスからの乙女たちと同名であるために籤（くじ）を引かずに得た。すなわちクレイトスはクレイテを、ステネロスはステネレを、クリュシッポスはクリュシッペを。水のニムフなるカリアドネの十二人の息子たちは水のニムフなるポリュクソの娘たちを籤引きにした。 息子たちはエウリュロコス、パンテス、ペリステネス、ヘルモス、ドリュアス、ポタモン、キッセウス、リクソス、イムブロス、ブロミオス、ポリュクトル、クトニオス、 少女たちはアウトノエ、テアノ、エレクトラ、クレオパトラ、エウリュディケ、グラウキッペ、アンテレイア、クレオドレ、エウヒッペ、エラト、ステュグネ、ブリュケであった。 ゴルゴンからアイギュプトスに生れた息子たちはピエリアからの娘たちを籤で引き、ペリパスはアクタイアを、オイネウスはポダルケを、アイギュプトスはディオクシッペを、メナルケスはアディテを、ラムポスはオキュペテを、イドモンはピュラルゲを引きあてた。 最年少たちは次のごとくであった。すなわちイダスはヒッポディケを、ダイプロンはアディアンテを−−−彼女たちの母はヘルセである−−−パンディオンはカリディケを、アルベロスはオイメを、ヒュペルビオスはケライノを、ヒッポコリュステスはヒュペルヒッペを得た。彼らはヘパイスティネ、彼女らはクリノより生れた。 彼らが結婚の相手を引きあてた時に、ダナオスは饗宴を催して娘たちに短刀（たんとう）を与えた。娘たちはヒュペルムネストラを除いて、花婿を眠っている間に殺した。彼女はリュンケウスがその処女性を守ってくれたために、彼を助けたのである。それゆえにダナオスは彼女を閉じこめて見張りした。 他のダナオスの娘たちは花婿の首をレルネに葬り、身体は市の前で葬礼に付した。そしてゼウスの命によってアテナとヘルメスとが彼女たちを潔めた。ダナオスは後ヒュペルムネストラとリュンケウスとを一緒にしてやり、そのほかの娘たちを競技の勝者に与えた。（以下省略）

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2015/3/13 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義 正式名称：（ささくら宗）聖母マリヤ福音教会 2023/3/4