(19)「新約聖書が虚構」の会話

「ダビンチ・コード」ダン・ブラウン著 越前敏弥（訳）角川文庫 下巻

新約聖書の「処女降誕」に言及している箇所があったので、目にとめた。ダビンチと同じ程度の知識しかないと思ったのでがっかりした。聖界と俗界、このふたつの区別を、学者や哲学者は理解しようとしない。理解すれば、信仰の領域に足を踏み入れることになり、自分の立ち位置が危うくなるとでも思うのであろう。

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(3-P56)「第二は？」「新約聖書の記述が偽りである科学的な証（あかし）として、膨大な数の古文書（こもんじょ）を世界に公表することだ」「だけど、新約聖書は虚構だってあなたは言ったわ」ラングドンは微笑（ほほえ）んだ。「ソフィー、世界じゅうのすべての信仰は虚構に基づいてるんだよ。信仰ということばの定義は、真実だと想像しつつも立証できない物事を受け入れることだ。 古代エジプトから現代の日曜学校に至るどんな宗教も、象徴（しょうちょう）や寓話（ぐうわ）や誇張（こちょう）によって神を描いている。象徴は、表しにくい概念を表現するひとつの方法だ。それを丸呑みしないかぎり、さほど問題は生じない」 「つまり、サングリアル文書を永久に秘密にすべきだということ？」 (3-P57)「わたしだって歴史の専門家だ。文書の破棄には反対だし、宗教学者がもっと情報を得て、イエス・キリストのたぐいまれな生涯（しょうがい）を自由に考察する姿をぜひ見たいと思ってるさ」「どちらの訊（き）き方をしても反論するのね」 「そうかい？聖書は地球上の多くの人々に基本的な道しるべを示している。コーランやトーラーやパーリ語経典も、それぞれの宗教の信者を同じように導いているはずだ。もしもイスラム教やユダヤ教や仏教、あるいはほかの異教の聖なる説話の内容を否定する文献を掘り出させたとしても、実際にそうすべきなのだろうか。 旗を振りかざして、神々が蓮（はす）の花から生まれたのではない証拠があるとヒンドゥー教徒に告げるべきなのだろうか。 あるいは、イエスは実際に処女降誕によって生を享（う）けたわけではないと言ってやるべきなのだろうか。信仰を真に理解する者は、その種（しゅ）の挿話（そうわ）が比喩（ひゆ）にすぎないと承知しているはずだ。 処女受胎の顔認証 わたしは、キリスト教会の説明書を、導かれるままに、作成していて、ついに折り返し点、すなわちわたしに許される最高峰に達したのを自覚した。そして、顔認証による「母と子」の役割を認めたのだった。（Sasakura 2020/4/30) ソフィーは疑わしげな顔をした。「わたしの友達の敬謙（けいけん）な信者は、キリストが実際に水の上を歩き、実際に水をワインに変え、実際に処女降誕によって生まれたと固く信じてるわ」 「そうだろうな」ラングドンは言った。「宗教にまつわる寓話（ぐうわ）は現実を構成する一部となっている。そうした現実に生きることで、多くの人々がよりよい暮らしを築けるわけだ」「だけど、そんな現実は嘘っぽいわ」ラングドンは小さく笑った。「暗号を解くのに便利だという理由で、数理暗号学者が虚数（きょすう）iの存在を信じるのと変わりないさ」ソフィーは眉をひそめた。「ずるいわね」一瞬の沈黙が流れた。 きみの質問はなんだったっけ？」ラングドンは尋ねた。「思い出せない」ラングドンの頬（ほお）がゆるんだ。「この手でいつもうまくいくんだ」

サングリアル文書、すなわち聖杯伝説、イエスの子を宿した「マグダラのマリヤ」によるフランスにおける血脈が存在していること、彼女の遺骨を発見して、その前に跪（ひざまず）くという崇高なシオン修道会の目的などを公表すべきか否か。わたしとしては、「好きなようにしたら」ですんでしまう。それによってカトリックが何か影響を受けるかというと、何もない。ラングドンの立ち位置は「俗界」であり、カトリックは聖界にあって信徒を統括している。次元が違うのである。

「ルカによる福音書」6章　 6-43悪い実のなる良い木はないし、また良い実のなる悪い木もない。6-44木はそれぞれ、その実でわかる。いばらからいちじくを取ることはないし、野ばらからぶどうを摘むこともない。6-45善人は良い心の倉から良い物を取り出し、悪人は悪い倉から悪い物を取り出す。心からあふれ出ることを、口が語るものである。

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オリジナル教会の権能：「あなたの思うがままに制作してよい」

ページ制作者　（ささくら宗）聖母マリヤ福音教会代表　笹倉正義

略称：オリジナル教会

2020/4/30

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聖句引用：日本聖書協会　口語訳聖書 新約聖書（１９５４年改訳） 旧約聖書（１９５５年改訳） バルバロ聖書（旧約差分）

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作成履歴

ページ制作者：ささくら修道会　総長　笹倉正義
2012/2/4、2012/2/5、2012/2/28、2012/3/24、2012/5/12
聖句引用：日本聖書協会　口語訳聖書
旧約聖書（１９５５年改訳）
新約聖書（１９５４年改訳）