一週間続いた謝肉祭の終わりの日、アルベールは濡れ事どころか、山賊ルイジ・バンパにさらわれたのだった。しかし、フランツの機転で、モンテ・クリスト伯を動かし、アルベールは開放された。そして、アルベールはブラチヤノ侯爵邸の舞踏室で、G伯爵夫人と夢の続きを踊ることができたのだった。モンテ・クリスト伯にとっては意外な展開になったが、アルベールに大きな貸しをつくり、パリ社交界進出の足がかりがつくれることになった。 |
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((1)舞踏会の話題 3-37-1-52「それに、どんなことが起こるだろうとお思いです?」。「それがどうしてわかりましょう?ずいぶん暗い晩ですし、テベル川は、ビア・マセルロのすぐそばを流れているというわけですから」。フランツは、侯爵と伯爵夫人の考え方が、自分の考えていた不安の気持とこんなにもぴったり合ったのをみて、身ぶるいせずにはいられなかった。 |
(2)ブラチヤノ邸 3-37-2-22フランツは、帽子を取るなり、大急ぎで飛び出した。彼は、二時に迎いに来るようにと言いつけて、馬車を返してしまっていた。だがつごうのいいことに、一ぽうはクール町、一ぽうは聖使徒広場へ向かっているブラチヤノ邸は、ロンドン・ホテルからわずか十分ほどのところにあった。 |
(3)手紙の追伸者 3-37-3-14この手紙の下には、ちがった手で次のイタリー語が書かれていた。もし朝の七時までに、四千ピアストルの金が届かなかったら、アルベール・ド・モルセール子爵はこうこの世の人ではありませんぞ。ルイジ・バンパ。この第二の署名が、すべてをフランツに説明した。 |
(4)伯爵とフランツの面談 3-37-4-32ですが、もしあなたがちょっと御智慧をおかしくだすったら、取引を『もっと』簡単にする方法が見つかりそうに思われますが」と、フランツが言った。3-37-4-33「と、おっしゃると?」と、伯爵は驚いて言った。「たとえばです、ごいっしょにルイジ・バンパに会いに行きます。そうしたら、きっとアルベールの自由を拒んだりはしないだろうと思いますが」。「わたしの顔でとおっしゃいますか? |
(5)誘拐の一部始終 3-37-5-40「あのアルベールから蝋燭を取りあげた百姓娘が?・・・・」。あれは十五になる男の子でございます」と、ペピーノは答えた。「でも、お引っかかりになったにしても、べつだんお顔にはかかわりません。ベッポは、ほかにも大勢引っかけたのでございますから」。「で、ベッポが城外へお連れしたというわけなんだな?」と、伯爵が言った。 |
(6)カタコンベまでの道筋 しばらくすると、玄関の前に馬車の止まった音がした。伯爵は時計を出した「十二時半」と、彼は言った。「ここを朝五時に発っても間に合いますよ。でも、遅くなると、お友だちが不愉快な一夜をお過ごしになることになりますからな。一刻も早く、やっかいなやつらからの手からお救い申しあげなければ。で、やはりいっしょにおいでですね?」。「行きますどころか」。 |
(7)草むらのカタコンベ 3-37-7-31歩哨のうしろは、およそ二十段ばかりの階段になっていた。フランツと伯爵とは、その階段を下り、地獄の辻とでもいったようなところに出た。五筋の道が星の光のように四方に走って行っているのと、柩の形をした龕(がん)が重なり合うように壁の面に掘られているのが、いよいよ、塋窟(えいくつ)のなかにはいったことを教えていた。 |
(8)バンパとモンテ・クリスト伯 3-37-8-23「わたしばかりでなく、わたしの友だちにも指一本指さないと約束してはいなかったかね?」。「が、どういうことでお約束にそむきました?」。「君は今夜、アルベール・ド・モルセール子爵を引っさらって、ここへつれてきているじゃないか。ところでだ!」と、伯爵は、フランツがふるえ上がったような調子で言った。 |
(9)ギャロップを踊る夢 3-37-9-45一生御恩を忘れないことを御記憶ください。まず第一には馬車の件です。次にはこんなごやっかいまでおかけしまして!」。こう言いながら、彼は伯爵のほうへ手を差し伸べた。と伯爵は、自分の手を差し出そうとしたとたん、身をふるわせた。だが、それでもけっきょく手を出した。 |
(10)ブラチヤノ邸に急げ! 3-37-10-40「わたしたちがやってきたとき、あんなに熱心にい読んでのおいでだった本は、あれはいったいどういう本でした?」。「ガリア征討記(シーザーの書いたもの)で」と、首領が言った。「わたしの愛読書でございまして」。 |
(11)ギャロップ夢の続き 3-37-11-4「奥さま、」と、アルベールは(G)伯爵夫人の方へ近づきながら言った。「昨日、ギャロップを踊ってやろうとおっしゃいました。そのお御親切なお約束をお願いするために、少し遅刻いたしました。 |
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ページ制作者:(ささくら宗)聖母マリヤ福音教会
通称「オリジナル教会」 初代代表者 笹倉正義
オリジナル教会・ささくら修道会・必読書
2017/5/10-23