（５）霊的障がい者

　（５）霊的障(しょう)がい者(しゃ)

史上最もみじめな人物は、十字架のイエスです。彼は（イスラエルの）人々の考えによれば、大工ヨセフとマリヤの子でした。彼は得意の絶頂にあって、捕えられ、告発したユダヤ人によってではなく、ローマ帝国の法廷によって、木に架けられて処刑されたのです。ローマの法廷ですから、判決即刑の執行ということはないはずなのです。一般には、罪人は牢に拘留され、罪状と量刑を市内に布告した後、その刑は執行されるのです。

しかし、間の悪いことにその日は、ユダヤの聖なる祭「過越」の前日に当っていました。日没になると、その聖なる日の掟の拘束が始まりますので、イエスの判決と処刑とをユダヤ人は急いだのです。

この特別な日には、誰か一人恩赦を与えられる約束があって、ローマの総督ピラトはこれを適用して、ユダヤ人に告発されている男、イエスを許そうと思いました。しかし、ユダヤ人たち（聖職者側の人々）は、なんとしても始末したかったのはイエスなので、バラバを許してイエスを殺せと要求しました。ユダヤ人たちは最初はイエスを神涜罪で告発しておきながら、ローマ人に殺させるために、イエスが皇帝をないがしろにする扇動者であると主張し、暗に、死刑にしなければあなたは困った立場になるだろうと脅したので、ピラトは根負けしバラバの処刑を免除し、その空いた木にイエスを架けることにしたのです。

イエスを告発したユダヤ人は、快なりを叫び、イエスはまんまと他人のために準備された木に架けられることになりました。その日、三人の男が処刑されることになっていましたが、バラバは大物だったらしく、その中央に立てられた木がイエスを待っていたのでした。

イエスは、なんと運悪く、惨（みじめ）だったことでしょう。世人の嘲笑にさらされたイエスがどうして神の子なのでしょうか。キリスト教の基なのでしょうか。

預言者をかたるばか者をローマ人の手によって始末したので、もう誰もイエスの名を口にする者はおるまいと、ユダヤ人は考えました。しかし、嘲笑するどころか、イエスが木に架けられて死んだのは、始まりであったと信じた人々は、彼の名を呼び、主と仰みることになりました。

ここに、この世に捨てられた者こそ、神の国を継ぐという、神の奥義が示されていました。しかし、わたしたちには、神の声が聞こえないという障がいがあります。わたしたち誰にも、『霊的』障がいがあることを思えば、神を信じないという人を非難するにはあたりません。アーメン。

ささくら修道会では、概ね以下のような告白文を規約・要綱に加えます。

イエスは、人の罪をその身に受け（園の異変）、
人の身代わり（この場合バラバ）として十字架で血を流し、
死して安置された後、三日目によみがえり、弟子たちを教えた後、
天に昇り（見えなくなって）、
神の右に座し、
神と人とをとりなす役職（大祭司）に就かれた。
（西暦２０１６年というのは、イエスの職が不滅であるからのことです。また、大祭司職のことは、「ヘブル人への手紙」に書かれています。）

それゆえ、彼は、神の子、イエス・キリストと呼ばれるにふさわしい。
イエス・キリストを信じる者には、天の父から聖霊の贈り物があり、
聖霊は信者の心に宿り、この世の思いからもたらされる（死への）恐怖を取り除き、罪のない状態にする。ゆえに、彼らもまた神の愛に満たされ、人の罪をも許すことができる。

ここに父と子と聖霊の神格が現れた。聖霊の働きにより、イエスの名によって、（エホバの）神を天の父と呼ぶことができる。

イエスがキリストとなられたので、マリヤさまもまた「聖母」の名を持って呼ばれる。信徒の母、聖母マリヤさまである。ペテロは肉のイエスの弟子から使徒になり、パウロは霊のイエスの使徒となった。

ローマ・カトリック教会は、聖職者の結婚を禁じている。プロテスタントと他のカトリック（エジプトのコプト、トルコ・イスタンブール発祥のギリシャ正教会、ロシア正教会）は、この厳しい掟を受け入れられない。

福音活動をルポしたルカとテオピロの働きは、今まではむしろ隠されていたが、いまやその功績が公に認められる時を迎えた。わたしたちは、これらを信仰の基として、布教活動を行いたい。

アーメン。

引用者：2016/5/30　（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会
通称「オリジナル教会」　初代代表者　笹倉正義
（この頁は教義なので推敲されます）
2023/12/12