天の軍勢と羊飼いたちの讃美

改定前2012/1/15 ヨセフはついにマリヤを信じた。ヨセフにはマリヤと男の子のはずのその子とを守らねばならない衝動が生まれた。ヨセフが神の前に正しいことは、若き日のダビデをほうふつとさせるものだった。ローマ皇帝アウグストの勅令を聞いたとき、ヨセフはマリヤと結婚した。「律法の定めではマリヤの年齢は婚姻には早い。しかしローマに届ける籍のためには、そのほうが良かろう」とレビの長老は言った。そこで妊娠六ヵ月のマリヤを伴ってナザレを出発し、本籍のあるベツレヘムに向った。ベツレヘムの親戚の家は各地から戻る人々で混雑した。ヨセフはマリヤと二人きりでいられるうまやを借りて生活した。その間は大工仕事を請け負って生計を立てた。そしてマリヤは臨月を迎えた。すると、また驚くべきことが起こった。

改定後2021/4/15 マリヤをナザレからユダの山里の町(エマオ)に連れて行ったのはヨセフである。婚約をベツレヘムの実家に報告し、結婚するという口実である。エマオとベツレヘムはエルサレムをはさんで、10数キロであり、途中エリザベツに会いにエマオに寄ったのである。このエマオは、30数年後、イエスの十字架事件の頃には寂（さび）れて、村になっていた。「ルカによる福音書」のエマオ村がそれである。 そして、御使の言葉、エリザベツの妊娠6ヶ月を確認して、ベツレヘムに向かい、実家で婚礼を挙げ、4ヵ月後再びエマオ村に入り、エリザベツが男子を出産したことを見届けて、いったんナザレに帰ったのである。そして、皇帝アウグストによる人口調査の命令により、二人は再びベツレヘムの実家に戻ったのである。しかし、実家は各地から帰ってくる親戚の人々で満員状態だった。そこで大工(だいく)のヨセフは、厩(うまや)を改装して、そこに住んだのである。 そして、月が満ちて、マリヤは出産した。出産には実家の女性たちが手伝いをしたであろう。そして、三人になったヨセフの家族は、おだやかな夏の夜を過ごしていた。 聖書をちゃんと読むと、このような話になる。

「ルカによる福音書」1章 2-6ところが、彼らがベツレヘムに滞在している間に、マリヤは月が満ちて、2-7初子を産み、布にくるんで、飼い葉おけの中に寝かせた。客間には彼らのいる余地がなかったからである。 2-8さて、この地方で羊飼たちが夜、野宿しながら羊の群れの番をしていた。2-9すると主の御使が現れ、主の栄光が彼らをめぐり照らしたので、彼らは非常に恐れた。2-10御使は言った。「恐れるな。見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、あなたがたに伝える。2-11きょうダビデの町に、あなたがたのために救主がお生まれになった。このかたこそ主なるキリストである。2-12あなたがたは、幼な子が布にくるまって飼葉おけの中に寝かしてあるのを見るであろう。それが、あなたがたに与えられるしるしである」。2-13するとたちまち、おびただしい天の軍勢が現れ、御使と一緒になって神をさんびして言った、 2-14「いと高きところでは、神に栄光があるように、 地の上では、み心にかなう人々に平和があるように」。 2-15御使たちが彼らを離れて天に帰ったとき、羊飼たちは「さあ、ベツレヘムへ行って、主がお知らせ下さったその出来事を見てこようではないか」と、互に語り合った。2-16そして急いで行って、マリヤとヨセフ、また飼葉おけに寝かしてある幼な子を捜しあてた。2-17彼らに会った上で、この子について自分たちに告げ知らされた事を、人人に伝えた。2-18人々はみな、羊飼たちが話してくれたことを聞いて、不思議に思った。 2-19しかし、マリヤはこれらの事をことごとく心に留めて、思いめぐらしていた。2-20羊飼たちは、見聞きしたことが何もかも自分たちに語られたとおりであったので、神をあがめ、またさんびしながら帰って行った。

改定前2012/1/15 マリヤはヨセフさえ信じてくれればそれで良かった。しかし、人々が信じるにはエリザベツの話は個人的すぎた。そこで選ばれたのが、野の羊飼いであった。羊飼いという職業は、エジプト時代の昔々、ヘブル人がエジプト人に嫌われたように、ユダヤ人から差別を受けていた。その羊飼いたちに神の栄光が現れ、救い主の誕生とそのしるしが伝えられた。野に散在していた羊飼いたちは自分たちが見たことの真偽を確かめようと夜遅く徒党を組んでベツレヘムにやってきた。そして、何かを捜して町中を歩いているのを人々は怪しみ、武器を手に起き出してきた。すると、あろうことか彼らはうまやの前に集まり、さかんに神をたたえて叫んでいる。そこには赤子をかいばおけに寝かせた兄妹と見える夫婦がいた。ヨセフは、神がマリヤとその子の守護を自分に託されたことを思って感動した。そして、マリヤは驚きと、深い信頼と、感謝の気持ちをこめてヨセフの横顔に見入っていた。

改定後 このエピソードの核心は、天の異象であろう。羊飼いたちに現れたのは、オーロラと大気振動による雷雲の発生である。雷の轟きは、羊飼いたちのアラム語として意味があったのであろう。そして彼らは統一行動をして、飼い葉おけの幼子を探し当てた。もし、幼子の居場所が厩(うまや)でなかったら、とても探し当てたりはできない。そして、ベツレヘムの人たちが、羊飼いたちの言葉を記憶していなければ、マリヤの話に証拠能力はない。

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「シメオンの賛歌」

オリジナル教会の権能：「あなたの思うがままに作成してよい」 ページ制作者　（ささくら宗）聖母マリヤ福音教会代表　笹倉正義 2021/4/14

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2011/12/25 笹倉キリスト教会　笹倉正義
2012/1/15
聖句引用：日本聖書協会　口語訳聖書
新約聖書（１９５４年改訳）