ベツレヘムとナザレの地図

2000年前も今も地勢は、自然が破壊された以外、それほど変化はないであろう。しかし、言語と建物については大きな変化がある。

(1)土着(どちゃく)と離散(りさん)のユダヤ人(じん) イエスさまの時代には、土着のユダヤ人と離散のユダヤ人とがいた。離散のユダヤ人はローマ帝国の各都市に築いた「ユダヤ人居住区」にかたまって暮らしていた。 土着のユダヤ人の言語はペルシャの影響を受けてアラム語を話した。離散のユダヤ人は、商人として生計を立てていたから、ローマ帝国の共用語としてのギリシャ語を話した。 また聖書は礼拝用としてヘブル語で書かれていたが、離散のユダヤ人のためにギリシャ語に翻訳されたものもあった。マリヤさまは土着のユダヤ人であったが、祭司の子アロン家の姫として育たれた。また、「恵まれた女」すなわち才能豊かであったため、自(おの)ずと男たちの朗唱するヘブル語を暗記され、父の部屋に広げられた朗唱箇所を読めるようになられた。 イエスさまにヘブル語を教えられたのは母マリヤさまである。

ローマの聖ペテロ寺院で購入

(2)土着のユダヤ人の終焉(しゅうえん) 西暦70年に、ユダヤ人が反乱を起こし、立てこもったエルサレムは、ローマ軍の前に落城し、徹底的に破壊された。土着のユダヤ人は地上から姿を消した。この時、ユダヤ人の使った蔑称（べっしょう）「サマリヤ人（びと）」も消えた。

(3)起源70年以降はエルサレムの空白 その後、イスラムの支配下に入り、また十字軍によりキリスト教の支配を受け、そして再びイスラムの支配下に入り20世紀を迎えるまで続いた。

地図の町や村は、その時どきの支配の影響を受け、ほとんどは入れ替わっている。

ベツレヘムの現在

(4)史実の根拠が認められる文書 聖書の文書中唯一（ゆいいつ）「証拠」の痕跡を求めることができる文書は、ルカによる二文書、「ルカによる福音書」と「使徒行伝」である。その二つが4世紀に新約聖書の文書として成立するまでには　たのはエジプトのアレキサンドリヤ司教であり、「ヨハネによる福音書」によってマリヤさまの名を「イエスさまの母」に封じたのを初めとして、マリヤさまを「ただの田舎（いなか）女」に封じようとしている。その目的は、ローマ教会からの離脱であった。 新約聖書の諸文書には、さまざまな思想・哲学や、架空の人物によるエピソード、さらにはウソも挿入されている。だが、アレキサンドリヤ司教のその思惑がわかれば、文書中の相反する記述はどうでも良いものになるから、文書の「難解」は消えてなくなる。ルカのオリジナル文書を見抜く力がなければ、オリジナルの思想は伝わらない。挿入文書には証拠能力がない。

(5)マリヤさまの物語

マリヤさまが天使から「受胎告知」をお受けになった時には、アロン家の娘のひとりである老女エリザベツが「妊娠六ヵ月」と知らされる。エリザベツはマリヤさまのおばあちゃんである。 このことからマリヤさまのご身分は罪の神事に関わることのできる家門、「アロン家」のしかも「お姫さま」でなくてはならない、そう思い至った。 エリザベツは遠く離れたユダの山里の町に、祭司の妻の身分で住んでいる。ナザレに住んでいるマリヤさまの身内(みうち)は誰も知るはずのない情報である。しかもそれは「男の子」であると言う。マリヤさまはそれを確かめにそこに行かなければならない。 それは婚約者のヨセフにとってもぜひ知らねばならぬところである。「マリヤさま自身からお子がお生まれになる」、それはその子がユダ族ではなくマリヤさまの家門を継ぐ者であることに意味が無くてはならぬ。つまりその子が男子なら「アロン家」にゆるされた「大祭司」を継ぐことになる。それはマリヤさまにとって望外の喜びでなくてはならず、マリヤさまの悲嘆をヨセフは共有していなければならぬ。 マリヤさまの「ユダの山里の町」に行くという望みをかなえるには、少女ひとりでは無理であり、ヨセフに頼まれたはずである。（以下省略） 30年が過ぎ、マリヤさまから聞書きしたルカも、そこに行って「老女の妊娠」の事実を村人に確かめていなければならない。 だが、そこには「ユダの山里の町」としか書かれていない。ルカがそこを訪れているなら当然その町の名前が書かれていなければならないのである。なぜか釈然としないものがあったが、ふと「エマオ」のエピソードの村との距離感がひとつになった。山里の町がエマオ村であるとするなら、合点(がてん)がいく。エルサレムから11キロメートルほどのエマオ村は、神殿で奉仕する祭司のひとりであったザカリヤの居住地としても違和感はない。 (5)詳細は著作に譲る「泣虫聖母マリヤさま」 そしてそのエマオこそは祭司の町であり、ザカリヤの家だけでなく、アロン家の屋敷もそこにあったと、わたしは著作の気付きの初期に思わされたのだった。 マリヤさまとヨセフ、エリザベツのエマオの町、ヨセフの実家ベツレヘムはエルサレムをはさんで２５Ｋｍ程度、大工仕事の距離圏であり、ナザレはマリヤさまの疎開先とした。ヘロデによる、ゲリラの精神的支柱「大祭司」と見込まれた「ハスモン家」の殺害が、アロン家にも降りかかろうとしていた、そのアロン家殺害からマリヤさまを救う疎開先がナザレとした。詳しくは2023年の著作、「泣虫聖母マリヤさま」に書いた。

本サイトの集大成「泣虫聖母マリヤさま」 2024/6/23発売　A5版×346頁、2200円税込

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「マリヤさま」

オリジナル教会の権能：「あなたの思うがままに作成してよい」 ページ制作者　（ささくら宗）聖母マリヤ福音教会代表　笹倉正義 2021/1/3、7、2024/12/18

イタリヤ旅行３−１０（ローマ）

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