エジプト正教「コプト」の聖母子

ローマの聖母子の由緒は、「ルカによる福音書」から鮮やかに再現できる。その尊い輝きは、「罪」に関与できる「アロン家」最後の母子として、「苦杯と十字架」により、個々人の「狂気という罪」をその信仰により消し去る「秘蹟」の実現によるのである。エジプトの聖母子の由緒は単にローマの聖母子との対立のための創作にすぎない。

「恵まれた」とは「幸運な」ではなく、「資質の豊かな」である。

エジプトのコプト正教会のイコン(聖画)は、「ヨハネによる福音書」の内容に沿うものになっている。また「聖母子」はエジプトの女神イシスの聖母子がヒントともされる。聖母子の装束は、エジプトが東ローマ帝国の版図であったことから、ギリシャ正教にも受け継がれている。聖書は、帝国がコンスタンティヌス帝により皇帝の単独統治になった時代に成立し、その後、東西に分割しての統治になったのであるが、西は早々と消え去ったが、東はけっこう長持ちした。 東の都コンスタンティノープルの教会は、「ギリシャ系」のアレキサンドリヤの「聖母子」の装束(しょうぞく)を取りれ、ローマ教会への対抗を示した。そして、聖職者の独身制を断行したローマ教会との手を切り、キリスト教の枠組みから離脱した。キリスト教思想の統合者はローマ司教という最も基本的な枠組みからである。

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2021/11/20、11/21

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