(20-4-3)「ヨハネ書」におけるマリヤさま　　

「ルカによる福音書」は、聖母子、処女受胎、苦杯の悪血、十字架、遺体の消失、違ったイエスの登場、そのイエスの昇天、それが解かれたのはカペナウムの百卒長主従の信仰と行動のゆえである。主従の名前は、主人が匿名のテオピロ、本名がクレオパ、従者がルカである。そして、福音は聖母マリヤ、奉仕の女性たち、漁師のペテロたちとそれを支えるクレオパの財力と人脈、そしてルカの執事能力である。非常な具体性がある。

そして大事なことは、ダビデの子孫、ヨハネの子としてのイエスへの期待は十字架で頓挫してしまったのである。

ところがルカとマリヤさまも出会いが実現し、ルカによる「顔認証」がマリヤさまから処女受胎を引き出したのである。それは、イエスがユダ族ではなく、アロン家の者であり、その意味はイエスが「罪」に関わることができ、大祭司となれる専権事項をもつことなのだった。

ここに至って、イエスの十字架は、園での苦杯とあわせて、「狂気のあがない」のとりなしの手段となったのである。すなわち、個々人が、イエスの苦杯をイメージし、自らの「狂気」をイエスの杯に注ぎ入れる、十字架に目を転じ、イエスの手足の釘からにじみ出る血を仰ぎ見る。そして、イエスが息を引き取る瞬間、自らの「狂気」がふっと消えるのである。

これは、ユダヤの律法下で行われることであり、「アロン家」がキーワードである。これがカトリック教会の聖母子なのであり、神父が信徒の告解に「あなたの罪はゆるされた」と宣言することの根拠である。「処女受胎」の意味のわからないレオナルド・ダ・ビンチなどはこれを笑ったのである。

「コトバンク」2021/7/18
こっかい 【告解 confession】 キリスト教用語。 罪のゆるしの秘跡の全体を指すこともあるが，より厳密にはこの秘跡の第1の段階，すなわち神のゆるしを受けるために，権限を授けられた司祭にたいしてみずからの罪を言いあらわす行為を意味する。

「ヨハネによる福音書」は、処女受胎やアロン家のことはチンプンカンプンの「智」のアレキサンドリヤ教会によるものだけあって、「罪のあがない」などには考えが及ばず、「女と漁師」をあがめるローマ教会をあざ笑ったのである。大天才レオナルド・ダ・ビンチと似たり寄ったりである。

「ヨハネによる福音書」2章　ナタナエルの町、カナ
2-1三日目にガリラヤのカナに婚礼があって、イエスの母がそこにいた。2-2イエスも弟子たちも、その婚礼に招かれた。2-3ぶどう酒がなくなったので、母はイエスに言った、「ぶどう酒がなくなってしまいました」。2-4イエスは母に言われた、「婦人よ、あなたは、わたしと、なんの係わりがありますか。わたしの時は、まだきていません」。2-5母が僕たちに言った、「このかたが、あなたがたに言いつけることは、なんでもして下さい」。
中略
2-11イエスは、この最初のしるしをガリラヤのカナで行い、その栄光を現された。そして弟子たちはイエスを信じた。

「水をブドウ酒に変えた」ことはどうして弟子たちにわかったのであろうか。それが事実としても、イエスの何を信じるのだろう。そのようなことをして人を驚かせるのは、手品師か、サタンなのである。神の子のすることではない。この女はマリヤさまではない。

「ヨハネによる福音書」19章　ぬっと愛弟子
19-25さて、イエスの十字架のそばには、イエスの母と、母の姉妹と、クロパの妻マリヤと、マグダラのマリヤとがたたずんでいた。19-26イエスは、その母と愛弟子とがそばに立っているのをごらんになって、母にいわれた、「婦人よ、ごらんなさい。これはあなたの子です」。19-27それからこの弟子に言われた、「ごらんなさい。これはあなたの母です」。そのとき以来、この弟子はイエスの母を自分の家に引きとった。

愛弟子とは誰で、何のために十字架の下にいたのか。他に男はいなかったのか。これもまた不気味な文章である。マリヤさまは、男に頼るような女性ではない。アロン家の姫だったのである。マリヤさまが心を許した男があるとすれば、それはクレオパとルカなのである。
 
 
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2021/7/28
 
 
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