(6-1)ユダと祭司長、それぞれの都合

イスカリオテのユダの都合 宿に裸で逃げ帰ってきたマルコに続いて弟子たちも帰ってきた。弟子たちは異様に興奮していた。イエスの捕縛者(ほばくしゃ)たちを先導していたのはイスカリオテのユダだった。彼は弟子たちの中では一番のインテリであり信用されていた。だから、組織の財布もあずかっていたのである。イエスは、信者たちを１２使徒をトップにしたピラミッド型の組織にしていた。 ユダはなぜイエスを裏切ったのであろう。金がほしかったからだろうか。それならイエスの弟子になろうなどとは考えずに、自分の才覚で仕事をして稼いだらよかったのである。彼は、イエスの「矛盾」にいらだっていたのである。イエスを祭司長に引き渡せばイエスが死刑になることは明白だった。いかにのんびり屋のイエスでも捕縛者が目前に現れたらどんな奇跡を起こすだろう。ユダにはその期待があったのである。 だが彼は、イエスが捕縛の直前に「異様な苦しみ」をしたのを知らなかった。ただ、イエスがあっけなく捕(つか)まったのに衝撃を受けたのである。彼の望みは絶たれたのである。ユダは絶望した。ペテロのように「はげしく泣く」ことをしなかった。そこには「ゆるし」に関して、天と地の開きがあったのである。 「イスカリオテの」とは、出身地のことで、ユダという人物を特定するために使う。天才の誉れ高いレオナルドは彼がビンチ村の出身であるため、「レオナルド・ダ・ビンチ」とする。「ダ・ビンチ」は「ビンチ村の」にあたる。 祭司長の都合 イエス一行がエルサレムのどの宿に泊まっているかは誰でも知っていることであった。イエス一行はこそ泥ではない。こそこそ隠れて行動することはない。祭司長たちがイエスを快く思っていないことは知られていたが、さりとて、イエスを逮捕する口実(こうじつ)もなかった。街角や宿屋で逮捕しようとしたら、民衆は騒ぎ出し、その者らに石を投げつけるであろう。そういう危ない真似はよろしくない。逮捕はこっそりやらなくては。逮捕さえしてしまえば、罪状などどのようにでも作れる。 そうした中、イエスの弟子の一人がこっそりとやってきて、「イエスは日課としてオリブ山で夜を過ごしている。「過越」の月夜の晩に、オリブ山でイエスを引き渡すことができる」と言ったのである。イエスの弟子がなぜそのようなことを言うのか解(げ)しかねたが、祭司長たちは話しにのった。イエスを民衆のいないところで逮捕できることは、まさに望むところ。 「ルカによる福音書」22章　夜のオリブ山の日課 22-39イエスは出て、いつものようにオリブ山に行かれると、弟子たちも従って行った。 22-54それから人々はイエスを捕え、ひっぱって大祭司の邸宅へつれて行った。ペテロは遠くからついて行った。22-55人々は中庭のまん中に火をたいて、一緒にすわっていたので、ペテロもその中にすわった。 この福音書には弟子たちがイエスを置いて逃げたとは書いていない。祭司長たちにとって律法違反はイエスだけであり、弟子たちは眼中に無い。弟子たちはむしろ置いてけぼりを食(くら)ったのだ。

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(6)出エジプトからローマまで、イエスの「罪」

宣教理念

カトリックのミサにこそ「聖母子」が集約 「狂気」はいくつも、いつでも、ぽこぽこ顔を出す。それが罪と認識できると、カトリック教徒は、「苦杯と十字架」のあがい、また「復活」により、今を生きる自分たちに、その信仰により作用し、「狂気」が消滅する恵みに与(あずか)れる。狂気という名の罪は、一回消えたら終わりということではない。その都度、消してもらうのである。罪のあるままに生きる、それでこそ人と言える。毎週、ミサに通う値打ちが生じる。思い上がりの「破滅」から救われる唯一の手段である。

答えとしての聖母子

2016年イタリヤ旅行のバチカン

オリジナル教会の権能：「あなたの思うがままに作成してよい」 ページ制作者　（ささくら宗）聖母マリヤ福音教会代表　笹倉正義 2021/3/15、8/23

（ささくら修道会規約）当会の用いる聖書は、口語訳聖書または文語体聖書に限られる。例外として、バルバロ聖書差分を、正式文書に加える。これ以外の、聖書の引用は厳禁される。日本語以外の聖書については、文語体聖書の内容に準じるものとする。異端文例（Today's English Version)世事に迎合した改編文章など異端以外の何ものでもない。（異端：=故意に対立すること）

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