ザカリヤの讃歌 ザカリヤの讃歌
| マリヤはエリザベツのお腹(なか)から男の子が生まれるのを待った。ナザレは遠い。一度帰ってしまうと、知らせが届くのはいつのことか分からない。それで、いろいろ手伝いをしながらその時を待った。エリザベツは超高齢出産だったが安産だった。彼女から生まれた子は、まさに男の子だった。この情報はマリヤの両親、とりわけいいなずけの |
| 洗礼者ヨハネ誕生 |
| 「ルカによる福音書」1章 1-57さて、エリザベツは月が満ちて、男の子を産んだ。1-58近所の人々や親族は、主が大きなあわれみを彼女におかけになったことを聞いて、共どもに喜んだ。1-59八日目になったので、幼な子に割礼をするために人々がきて、父の名にちなんでザカリヤという名にしようとした。1-60ところが、母親は、「いいえ、ヨハネという名にしなくてはいけません」と言った。 1-61人々は、「あなたの親族の中には、そういう名のついたものは、ひとりもいません」と彼女に言った。1-62そして父親に、どんな名にしたいのですかと、合図で尋ねた。1-63ザカリヤは書板を持ってこさせて、それに「その名はヨハネ」と書いたので、みんなの者は不思議に思った。 1-64すると、立ちどころにザカリヤの口が開けて舌がゆるみ、語り出して神をほめたたえた。1-65近所の人々はみな恐れをいだき、またユダヤの山里の至るところに、これらの事がことごとく語り伝えられたので、1-66聞く者たちは皆それを心に留めて、「この子は、いったい、どんな者になるだろう」と語り合った。主のみ手が彼と共にあった。 1-67父ザカリヤは聖霊に満たされ、預言して言った、 1-68「主なるイスラエルの神は、ほむべきかな。 神はその民を顧みてこれをあがない、 1-69わたしたちのために救の角を 僕ダビデの家にお立てになった。 1-70古くから、聖なる預言者たちの口によってお語りになったように、 1-71わたしたちを敵から、またすべてわたしたちを憎む者の手から、救い出すためである。 1-72こうして、神はわたしたちの父祖たちにあわれみをかけ、その契約、 1-73すなわち、父祖アブラハムにお立てになった誓いをおぼえて、 1-74わたしたちを敵の手から救い出し、 1-75生きている限り、きよく正しく、 みまえに恐れなく仕えさせてくださるのである。 1-76幼な子よ、あなたは、いと高き者の預言者と呼ばれるであろう。 主のみまえに先立って行き、その道を備え、 1-77罪のゆるしによる救いを その民に知らせるのであるから。 1-78これはわたしたちの神のあわれみ深いみこころによる。 また、そのあわれみによって、日の光が上からわたしたちに臨み、 1-79暗黒と死の陰とに住む者を照らし、 わたしたちの足を平和の道へ導くであろう」。 1-80幼な子は成長し、その霊も強くなり、そしてイスラエルに現れる日まで、荒野にいた。2012/1/15 |
| 検証 (1)マリヤの妊娠のわけを両親とヨセフとにわかってもらうには、どうしてもこの話が必要だった。御使(みつかい)の「受胎告知」と自分の身に起ころうとしていることを実証するにはそれしか道がないからだ。少女の打ち明けた秘密を荒唐無稽(こうとうむけい)だと突き放さず、マリヤをユダの山里の町まで送ったのは両親に頼まれたヨセフだったという考えも成り立つ。マリヤの父は言った、「ユダヤ人にしてダビデの子ヨセフよ。マリヤの告白を人の知恵で判断するのは、二つの事実を確かめてからにしてくれないか。エリザベツの妊娠と男の子の二つだ。彼女はユダの山里に住んでいる」。ヨセフが承知して、マリヤを現地まで送迎したとすると、ヨセフの果たした役割は大きい。2012/1/15 ヨセフとマリヤの「旅行」は、二人(ふたり)の婚約を、ベツレヘムの実家に報告をするためであった。ベツレヘムとユダの山里の町(エマオ村)は、エルサレムをはさんで10km足らずの距離である。先にエリザベツに会いに行ったのである。2021/4/13 |
| (2)エリザベツはアロン家(け)の娘のひとりである。アロン家は「律法の書」に書かれた、大祭司の家柄(いえがら)である。イエスの時代のカヤパなどは、アロン家のものではなく、都合上の大祭司である。アロン家の家系はヘロデの時代に途絶えていたのである。だが、マリヤがアロン家の最後のひとりであるとすると、「処女受胎」のイエスはアロン家の者である。「処女受胎」がなければ、ヨハネがアロン家を継いだかも知れない。2021/4/13 |
| (3)アロン家のひとり娘がなぜユダ族と婚約していたのか、それは「緊急避難」であったが、このページのテーマではない。2021/4/13 |
| (4)ザカリヤはなぜこのような賛美をしたのであろう。彼は、神殿の奥まで入れる祭司の身分である。彼の子は生まれながらに祭司の身分が保証されている。それなのに、子の将来を預言している。その理由は、この一文(いちぶん)にあるだろう。子には明らかな欠損があり、祭司として神殿に入ることはできないことになったからである。だから、イエスが「ユダ族」であっても、ヨハネがアロン家を継ぎ、大祭司となることはできないのだった。(2021/4/20) 「レビ記」21章 21-16主はまたモーセに言われた、21-17「アロンに告げて言いなさい、『あなたの代々の子孫で、だれでも身にきずのある者は近寄って、神の食物をささげてはならない。21-18すべて、その身にきずのある者は近寄ってはならない。すなわち、目しい、足なえ、鼻のかけた者、手足の不つりあいの者、21-19足の折れた者、手の折れた者、21-20せむし、こびと、目にきずのある者、かいせんの者、かさぶたのある者、こうがんのつぶれた者などである。21-21すべて祭司アロンの子孫のうち、身にきずのある者は近寄って、主の火祭をささげてはならない。彼は身にきずがあるから、神の食物をささげるために、近寄ってはならない。21-22彼は神の食物の聖なる物も、最も聖なる物も食べることができる。21-23ただし、垂幕に近づいてはならない。また祭壇に近寄ってはならない。身にきずがあるからである。彼はわたしの聖所を汚してはならない。わたしはそれを聖別する主である』」。21-24モーセはこれをアロンとその子ら及びイスラエルのすべての人々に告げた。 ヨハネの苦悩は「罪の洗い」の先駆に 1-80幼な子は成長し、その霊も強くなり、そしてイスラエルに現れる日まで、荒野にいた。 成長したヨハネは絶望し、荒野に逃避したのである。荒野には修行者たちもいたということらしいから、そのグループの一員になったかも知れない。そして祭司の子として、「罪のきよめ」について、彼の神と対峙し、信仰の果実を得ようとしたのであろう。大きな肉体的ハンディキャップが、その人をして、天与の才能を磨き上げる砥石(といし)の役目を果たすことがあるのだ。 |
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| 「天の軍勢の賛美」 |
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| オリジナル教会の権能：「あなたの思うがままに作成してよい」 ページ制作者 （ささくら宗）聖母マリヤ福音教会代表 笹倉正義 2021/4/13、14、20 |
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| （修正履歴） |
2011/12/25 笹倉キリスト教会 笹倉正義
2012/1/15
聖句引用：日本聖書協会 口語訳聖書
新約聖書（１９５４年改訳）