(20-6)「プロテスタント」異聞(いぶん)　　

「プロテスタント」は総称であり、一致するものは反教皇であり、それはローマ・カトリック教会の象徴である反聖母につながる。プロテスタントのDNAは「分裂」である。気に入らなければ簡単に分裂する。プロテスタントは、それら「教会」の群れである。 彼らは、四世紀に成立した、宣教用の、聖職者のための文書を、「聖書」とし、神からの賜物とする。文章はすべて聖であり、「聖句」と呼び疑ってはならないものである。彼らの視野は、「聖句」単位である。 四つある福音書には相反する記述があるが、問題ない。彼らの視野は、それ自体では意味を成さない「句」なので、比較することは無意味である。 「受胎告知」などは、反聖母が最優先なので、読まずにパスする。彼らは「聖書研究」という聖書の読書会をしているが、べつに「研究」をしているわけではない。研究をするならその目的と成果物があるはずだが、そんなものはない。

そんな事情だから、彼らにとって、福音書は同列にある。「ルカによる福音書」が即時報道文書であり、「ヨハネによる福音書」が智のアレキサンドリヤの文書であることに思い及ぶはずがない。誰かがそれに気づいたとしても、反教皇の目的の前にはさしたることではない。

処女受胎は、イエスがアロン家の者であり、罪に関与する資格を持つ証しである。イエスの言う「あなたの罪はゆるされた」は、律法違反ではなかったのである。聖書研究はこうありたいものである。だが、レオナルド・ダ・ビンチもあざ笑う「処女受胎」はどうして書かれたのだろう。そのようなことをプロテスタントに言うだけ無駄である。だから、このページは彼らが読むことを前提とはしていない。カトリックが「智」に傾き、「痴」に堕ちるのを避けたいのである。

プロテスタントの信徒は、自分の守護神としての「聖句」を持つように促(うなが)され、聖書の言葉の海を漂うが、ほとんどは哲学的「ヨハネによる福音書」か、「詩篇」にたどり着く。だが、それは「智」にすぎず、生きる力とはならない。気の毒に思う。

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2021/6/13、8/1

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