(9-3)ローマ教会の基盤

まずもって教皇権というものは、ヨーロッパ的（てき）なものです。イエスが活動したパレスチナ地方ではなく、イタリヤで、そしてヨーロッパで生まれ育ったのが教皇権であり、ローマ・カトリックだったのです。 ヨーロッパにおいてキリスト教の権威となる教会のひとつが、ま、いくつかある権威のひとつではありますが、ま、それが確立しました。ま、たしかにローマ教会は古代において最も主要な教会、エルサレム、アンテオキヤ、アレキサンドリヤ、コンスタンティノーブル、そしてローマの、いわゆる5本山（ごほんざん）のひとつではありましたが、歴史的に見て、他の教会に比（くら）べて勢力（せいりょく）と影響力が優越することこそあれ、劣（おと）ることはなかったと言ってよいでしょう。

（聴講者） キリスト教がユダヤ教の枠から出て、民族宗教ではなくなりました。その原動力はどこにあるのでしょう。その功績はパウロによるところが大きいのは事実ですが、それだけでは足りないのです。 四つある福音書の中で、「ルカによる福音書」には、テオピロへの献呈の辞があることで異色です。そして、テオピロとは何者かと問うとき、「その名は匿名」が示され、たちまちそれがカペナウムの百卒長だとわかったのです。そして、おのずとルカはかの僕（しもべ）と導かれます。 （１）アンテオケ教会（壊滅） アンテオケには、テオピロの別邸がありました。ルカはマリヤと女性たちと関係者をエルサレムから脱出させて、この屋敷に招いたのです。いわばこれがアンテオケの教会です。ここで、ルカの文書が読まれ、女性たちが「証言」したのです。その後、イスラムによってこのアンテオケは更地にされてしまいます。 （２）アレキサンドリヤ教会（コプト教会） エジプトのアレキサンドリヤは、紀元前３００年前に、アレキサンダー大王の将軍の一人が創建した都で、ギリシャ文化の薫り高い「智の都」を誇っていました。このエジプトも、イエスの時代にはローマ帝国の版図にはいっていました。キリスト教は、女や漁師たちの「証言」を退け、「智」を用いた福音書を作りました。それが「ヨハネによる福音書」です。この都は、紀元７世紀にはイスラムのものとなり、学者たちはイスラムのために働かされました。教会は「コプト教会」として、細々と存続しました。つぼに入れて埋めたのは、このイスラム化から残すためでしょう。 （３）コンスタンティノーブル教会（地域教会） コンスタンティヌス帝が、ギリシャの植民地ビザンチウムの町を新たな「都市」として拡張し、コンスタンティノーブルとしました。当初はローマ教会の「分室」だったのが、安定した環境の中で増長し、ローマ教会から離脱しました。その後、イスラムによる帝国の崩壊を受けて、地域教会として生き残りを図りました。カトリックではなく、オーソドックスと言っています。カトリック教会と比較するのは、次元の違うものを比較する行為です。 （４）エルサレム教会（壊滅） これは今のキリスト教会とはそのイメージを異にするものでしょう。ユダヤ教の延長思想であり、聖母マリヤと女性たち、それにバルナバたちは脱出していました。西暦70年、ローマ軍によってエルサレムが陥落するとともに消え去ったと思われます。

NHK 2カルチャーラヂオ歴史再発見　「中世ヨーロッパ社会の光と影　キリスト教の果たした役割」 講師：上智大学准教授　藤崎衛（ふじさきまもる）氏 聴講内容のテキスト化： 笹倉正義（ささくらまさよし）

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オリジナル教会の権能：「あなたの思うがままに制作してよい」

ページ制作者　（ささくら宗）聖母マリヤ福音教会代表　笹倉正義

略称：オリジナル教会

2019/9/13

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