(11-9)騎士団の資金源

しかし、テンプル騎士団による城塞の購入代金や、聖ヨハネ騎士団の病院建設そして運営資金はいかに調達（ちょうたつ）されたのでしょうか。第一に十字軍国家や諸侯たちからの寄付（きふ）、寄進（きしん）があげられます。 俗人が魂の平安や死後の救済を願って、修道院に土地や金銭を寄進すること、こうして獲得した土地が修道会の所領になったということなど一般的に見られる現象であり、これは騎士修道会に限ったことではありませんでしたが、えー、当初（とうしょ）は清貧（せいひん）を志向（しこう）したシトー修道会が、労働を重視するという方針の下（もと）に所領経営を勤勉に行った結果、目指（めざ）したものとは裏腹（うらはら）に、富裕化（ふゆう）（か）していったようなことは既にお話したとおりです。 騎士修道会で特徴的だったのは、修道会そのものが高度に組織化されており、中東（ちゅうとう）のみならずヨーロッパにも複数の支部を置いていたことです。 テンプル騎士団の場合、一万（いちまん）以上を数えたというその所領は、管区と呼ばれる支部が管理を行い、最小単位のコマンドリと呼ばれるものに分割され、各地の風土（ふうど）であるとか、慣習に準じる経営手法（しゅほう）を仕切（しき）って、多額の現金収入を得ていたようです。 そして、それらの収入は、西方においては農地以外の資産、たとえば聖職ろく（せいしょく）（ろく）や不動産といったものを購入、そして運用、さらには投資（とうし）、銀行業の運用（うんよう）に用（もち）いられ、東方では城塞の購入であるとか、建築資金、そして軍資金として使われたのです。 このように東方（とうほう）において計（はか）り知れない貢献（こうけん）をなした騎士修道会ですが、テンプル騎士団と聖ヨハネ騎士団のその後（ご）は、明暗（めいあん）がはっきり分かれました。

NHK 2カルチャーラヂオ歴史再発見　「中世ヨーロッパ社会の光と影　キリスト教の果たした役割」 講師：上智大学准教授　藤崎衛（ふじさきまもる）氏 聴講内容のテキスト化： 笹倉正義（ささくらまさよし）

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オリジナル教会の権能：「あなたの思うがままに制作してよい」

ページ制作者　（ささくら宗）聖母マリヤ福音教会代表　笹倉正義

略称：オリジナル教会

2019/9/19、20

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