（２）いっしょに退院

左脚（ひだりあし）の膝（ひざ）の裏側にしこりのようなものができ始めた。歩くとき時々違和感を感じるのだった。リストラの風を感じている時でもあり、逆風のついでだとの気持ちもあって、近くの協和病院に行った。そのしこりは丸く滑（なめ）らかなので悪性ではないだろうとの石田意思の所見だったが、今後も大きくなるようだがどうするかとのことだった。手術を決断して入院した。 主治医のドクター石田は、手術中わたしに、「神経にからんでいるがどうする」と聞いた。下半身麻酔で意識があったわたしは、「全部とってください」と返事した。びっこをひくことになるかも知れなかったが、再発するよりはと決断したのだった。 えつこはほとんど毎日病室に来たが、血をはき、即入院となった。夫婦そろって入院とはと気のどくがってくれる人もいた。えつこはわたしに対して不平不満を言ったことがないが、17歳と16歳の子供の問題やらわたしのリストラ雰囲気や入院、それやこれやへの思いがきわまって、胃の症状として現れたのだと思う。 「どうなるのだろう？」、わたしは途方に暮れて、６階の部分屋上（テラス）に出た。考える気力も失い、万感きわまり、ただ一言（ひとこと）「わたしの罪をおゆるしください」が口からほとばしったのだった。もはや、そう祈るしか自分にできることはなかったのだった。しかし、病室に戻る時には何かしら安定したものが感じられた。わたしは言葉の必要がない安定した境地を覚えた。 そして、その祈りがほとばしり出た瞬間が、わたしたちの命運の底になったということは、その後（あと）の展開で悟ることができた。時を同じくして、総会屋や広告塔がらみの報道が出るにおよんで、会社は表立ったリストラ活動を引っ込めた。 そして、退院時間は別々だったが、マンションの手前で合流し、ふたり一緒に自宅に戻った。えつこの吐血は1回きりで終わり、わたしはびっこを引くことなく、普通に歩けた。石田ドクターは、スポーツ系であり、信頼のおける人格が感じられた。最善をつくしてくださったのだと思う。

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オリジナル教会の権能：「あなたの思うがままに制作してよい」

ページ制作者　（ささくら宗）聖母マリヤ福音教会代表　笹倉正義

略称：オリジナル教会

2019/10/12、14

（ささくら修道会規約）当会の用いる聖書は、口語訳聖書または文語体聖書に限られる。例外として、バルバロ聖書差分を、正式文書に加える。これ以外の、聖書の引用は厳禁される。日本語以外の聖書については、文語体聖書の内容に準じるものとする。異端文例（Today's English Version)

聖句引用：日本聖書協会　口語訳聖書 新約聖書（１９５４年改訳） 旧約聖書（１９５５年改訳） バルバロ聖書（旧約差分）

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