伝道(でんどう)の書

聖書の「箴言」に続くこの「伝道の書」もまた箴言である。この書の特徴は、「深い絶望と悔恨」なり「人生の行き着く所の達観」なりが見られることである。伝道者の名前はらい病王ウジヤである。彼は１６歳で南王国ユダの王となり、すぐれた才能を持って、栄華の頂点を極めた。しかし全ての者が、神でさえも、眼下に見えたその時、彼はらい病となった。 身体が徐々に腐るその病は伝染するため、病人は町の外に捨てられる。しかし、彼は王であるために、王宮の離れ家に隔離されて余生を送ることとなった。彼の衝撃はいかばかりであったろう。彼は病人にとっては永遠と思われる５２歳まで生きたのである。彼の言葉は伝道者となってちまたに聞こえたのである。書き記されたのは、数百年後である。

目次

１章「伝道者ウジヤ王」　「空の空、空の空、いっさいは空である」と断言できる王は一人しかいない。

２章「快楽をもって」　そもそも、王の後に来る人は何をなし得ようか。すでに彼がなした事にすぎないのだ。

３章「時がある」　神のなされることは皆美しい。神はまた人の心に永遠を思う思いを授けられた。

４章「三つよりの綱」 賢いわらべは、老いて愚かで、もはや、いさめをいれることを知らない王にまさる。

５章「箴言」　短い一生の間、食い、飲み、かつ日の下で労するすべての労苦によって、楽しみを得ること。

６章「一つ所に」　だれがその身の後に、日の下に何があるであろうかを人に告げることができるか。

７章「箴言（２）」　順境の日には楽しめ。逆境の日には考えよ。

８章「空（くう）なる」　悪しきわざに対する判決がすみやかに行われないため、悪を行うことに傾いている。

９章「空なる（２）」　必ずしも速い者が競争に勝つのではなく、強い者が戦いに勝つのでもない。

１０章「箴言（３）」　食事は笑いのためになされ、酒は命を楽しませる。

１１章「箴言（４）」　ただし、そのすべての事のために、神はあなたをさばかれることを知れ。

１２章「空なる（３）」　多くの書を作れば際限がない。多く学べばからだが疲れる。

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「雅歌(がか)」

2012/2/25-2012/2/28　笹倉キリスト教会　笹倉正義 2022/8/21(ShiftJIS) 聖句引用：日本聖書協会　口語訳聖書 旧約聖書（１９５５年改訳）