----------------------------------------------------------------------- |
1-20-5-1「わたしも、みんなと同じく主を見ました。1-20-5-2主は光のようであり、わたしたちの心の幸福のようでありました。1-20-5-3なぜなたわたしたちは、主がよみがえりたもうたこと、たとえ海があせ、山が灰になろうとも、主の栄光は滅びないことを信じたからです」。 |
----------------------------------------------------------------------- |
1-20-5-4「八日たってから、トマス・ディデュモスが主の傷口に指をさし入れ、主の脇腹にふれてから、その足もとにひれ伏して、『わが主よ、わが神よ!』と叫ぶと、主は、『おまえはわたしを見たから信じたのである。1-20-5-5見ずして信ずる者こそさいわいである』とお答えになりました。(新約聖書『ヨハネによる福音書』第20章29を参照) 1-20-5-6わたしたちはこの言葉をきき、わたしたちの目は主を見ていました。1-20-5-7主がわたしたちの間におられたからです」。 1-20-5-8ウィニキウスは、きいているうちに心の中でふしぎなことが起きた。1-20-5-9しばらくの間、彼は自分がどこにいるかを忘れた。1-20-5-10現実感覚や、ものごとの規準や、判断力を失った。1-20-5-11彼はありそうもないふたつのことに直面していた。1-20-5-12老人の言ったことを信ずることはできないが、さりとて「わたしは見た」と言うその人が嘘をついていると思うのは、盲目か、それともわれとわが理性を拒否した者でなければできないことだと感じた。1-20-5-13その人の感動にも、涙にも、姿全体にも、物語の些細(ささい)な部分にも、いっさいの疑いを不可能にするような何物かがあった。 1-20-5-14ウィニキウスは時どき、夢でも見ているような気持ちがした。1-20-5-15だがまわりにはひっそりと静まりかえった群衆がい、角燈の煙が鼻をつき、やや離れたところではたいまつが燃え、そのそばの石の上には、年老いて死期も近い老人が心もち頭をふるわせながら、「わたしは見た!」とくりかえし証(あかし)を立てているのであった。 1-20-5-16彼はさらに話をつづけて、主の昇天までの一部始終(いちぶしじゅう)を物語った。1-20-5-17非常にくわしく話すので、時どきひと息入れたが、ごく細かい点がひとつひとつ、石に刻まれるように彼の記憶に刻みこまれていることは、容易に感じられた。1-20-5-18聴衆はさながら酔える者のごとくであった。1-20-5-19一同は、もっとよくきこうとして、また彼らにとってこの上なく大切なその言葉を一語もききもらすまいとして、次つぎに頭巾(ずきん)をぬいだ。1-20-5-20彼らはある超自然的な力によってガリラヤへ運ばれ、そこの森や水のほとりを弟子たちといっしょに歩いているような気がした。 1-20-5-21この墓地はテベリヤの湖に変じた。1-20-5-22岸辺(きしべ)には朝もやの中にキリストが立っていた。1-20-5-23ヨハネが小舟の中から見つけて、「主だ!」と言い、−−−−ペテロが一刻(いっこく)も早くなつかしい足の下にひれ伏そうとして水の中へ飛びこんだあの時と同じように。 「ヨハネによる福音書」第21章 21-7イエスの愛しておられた弟子が、ペテロに「あれは主だ」と言った。シモン・ペテロは主であると聞いて、裸になっていたため、上着をまとって海にとびこんだ。21-8しかし、ほかの弟子たちは舟に乗ったまま、魚のはいっている網を引きながら帰って行った。 1-20-5-24会衆の顔には、限りないよろこびと、生の忘却と、幸福と、計り知れぬ愛とがあらわれていた。1-20-5-25ペテロの長い説教の間に、ある者はあきらかに幻覚に捕えられていた。1-20-5-26ペテロが昇天のとき、《救い主》の足もとに雲が起こって彼らをつつみ、彼を使徒の目からさえぎった話をはじめると、一同の顔は我知らず天を仰いだ。1-20-5-27期待の瞬間というべきものが訪れた。1-20-5-28この人びとは主をまのあたりに見る望みをいまなお抱いているかのようであった。1-20-5-29あるいはまた、主がふたたび天の野から降臨して、老使徒が彼に託された羊を牧するさまを見、彼と羊の群れとを祝福するものと期待しているかのようであった。 1-20-5-30この瞬間、この人びとにとってはローマもなく、狂気の皇帝もなく、神殿も、神々も、異教徒もなく、あるものはキリストだけであった。1-20-5-31キリストが地と、海と、天と、世界とを満たしているのであった。 1-20-5-32ノメンタナ街道沿いに散在する遠くの家々から、夜半を告げる鶏(にわとり)の声がきこえ出した。1-20-5-33ちょうどその時キロンがウィニキウスのマントの隅を引っぱってささやいた。1-20-5-34「御前(ごぜん)さま、あそこに、あの老人の近くに、ウルバヌスがいて、そのわきに娘さんがひとり見えますよ」。1-20-5-35ウィニキウスが夢からさめたようにはっと気を取り直して、ギリシャ人の指した方向をふり向くと、そこにリギアがいた。 |
戻る |
(老いたる漁夫ペテロ) |
オリジナル教会の権能:「あなたの思うがままに制作してよい」 |
ページ制作者 (ささくら宗)聖母マリヤ福音教会代表 笹倉正義 |
通称:オリジナル教会 |
2019/8/16、2020/6/26 |
(ささくら修道会規約)当会の用いる聖書は、口語訳聖書または文語体聖書に限られる。例外として、バルバロ聖書差分を、正式文書に加える。これ以外の、聖書の引用は厳禁される。日本語以外の聖書については、文語体聖書の内容に準じるものとする。異端文例(Today's English Version) |
聖句引用:日本聖書協会 口語訳聖書 新約聖書(1954年改訳) 旧約聖書(1955年改訳) バルバロ聖書(旧約差分) |
いろいろ聖書 ささくら宗の聖書 |