(1)身に余る光栄

1．着手12年の重み この「キリスト教会の取説」着手からの日々が12年を超えようとする。ルカの「顔認証」による処女受胎の証拠、アロン家の娘であるはずのマリヤさまのユダ族との婚姻の謎、そして「処女受胎」によるマリヤさまの歓喜の謎、磔刑後のイエスが違った姿で現れ弟子たちを教えた情景、エルサレム近郊のエマオ村に向かう二人の弟子のエピソードのなぜ、などが次々に解き明かされ、ひとつのキリスト教思想の様相を成した。これが「身に余る光栄」でなくて何であろう。

2．家族へのペンディング いまさらではあるが、家族に対してペンディングにしていたものがあることに気づいた。それは、キリスト教の何がいいのか、ということである。「神さまはお前たちをおつくりになったのだから最後までめんどうをみてくださる」、「イエスは(復活されたから)いつもそばにいて、おまえたちを援け導いてくださる」などと言おうものなら、たちまち軽蔑されるのである。聖書を読めば、人生を豊かにするような、何かためになることがあるのか。それは、組織のための文書の寄せ集めであり、個々人の益のために書かれたものではない。その答え、「キリスト教のいいとこ」を求めることはしないで、というか「疑問」を呈することができずに、気鬱(きうつ)な日々を送っていたことに「気づいた」のだった。おお、だが今、わたしは家族に自慢できるキリスト教の価値を見出していたのだった。実感できる御利益(ごりやく)についてである。

3．家庭集会の無力 信仰生活を振り返ってみると、わたし自身はクリスチャンということになっていたので、家族には、自宅で礼拝したり、洗礼を授けたりした。しかし、子どもたちが成長すると、それは霧消した。わたしは家族がクリスチャンであることを強要しなかった。「おもしろい」こと、「御利益(ごりやく)」といったものを、わたし自身が持たなかったからだった。この現状のまま、わたしはさらに老いて、消え去るのであろうと、漠然とした日々が過ぎていた。

4．セカンドライフの職 わたしはセカンドライフの職業に「分譲マンションの管理人」の職を得て、月〜土、9：00−17：00のフルタイム勤務となった。休日は近くの公園などに出かけ、悦子手製の弁当を共に食べるといった、日々を送った。朝、4:45に起き、9時-17時の勤務時間を過ごし、19:00からのアフターファイブの時間を、ホームページ・ビルダーというソフトを使って、Webページを作成し、アップロードしている。かつてはパソコンの取説などの原稿を作成していた時間だった。だが、休みは週に1日少ないし、能力も落ちている。

5．今ここにある健康問題 それなりに健康にも恵まれていたが、今は「眼科」と「歯科」とで定期健診を受けている。その二つの機能を保つことは、この仕事の継続に不可欠であると思うからである。左目は部分的に緑内障(りょくないしょう)である。テレビ番組の視界のテスト・パターンを録画した。何気なく試してみると、左目の右上の視界が欠けているのではと思った。そして、眼科に行き、進行を抑えるため、眼圧を下げる薬の投与を受け始めた。それまでの正常眼圧をさらに下げるのだった。 そうしたことがあって二、三数週間の後、視界にQRコードのようなものが現れた。今度は、右目がおうはん変性になったのだった。何というタイミングの良さであろう。さもなくば、老化現象として放置したかも知れないのだった。最新の薬を眼球に注入する手術を、のべにして、4回ぐらい受けた。 今は、両眼とも落ち着きを取り戻している。あの、ふと、TV番組を見たこと、録画したこと、やってみたこと、それはどうしてだったのだろうと思うことがある。もし、あのタイミングで眼科に行かなかったら、取説作成の継続に支障をきたしていたことであろう。

6．ローマ・カトリック教会が視野に ふと始めた「キリスト教の説明書」の作成だったが、なんと12年もそれが続いているのだった。その過程で、ローマ・カトリック教会が視野に入って、取説があたかも聖母子を敬慕するカトリック教会の成り立ちに迫るもののように思われてきた。キリシタンの悲惨なイメージを払拭する力強いキリスト教会の着想を得て、その具現が自分の作成する「取説」の使命のように思われた。この日々の、一日の時間配分において、取説にさける時間は多くない。だが、疑問とその答えが思い浮かぶ量が、その時間に見合うように思う。そして、この数年において、一気に視野が増した。それは、「顔認証」で「処女受胎」の証拠を見たルカによる「ルカによる福音書」こそは、カトリック教会の源流だという確信である。

7．「いいもの」でも、押し付けはお断り 今、わたしは家族に対して、キリスト教に関して、カトリック教会に関して、「最高のもの」といえるものを持っていると自慢することができる。しかし、家族の場合、そのことでわたしを尊敬したりすることはないし、それを求めもしない。わたしの「自慢」は、取説に残されるので、気が向いたら良いだろう。むしろ、わたしのことを知らない人が、より多く、「御利益」すなわち「狂気のあがない」を実感して、週に一度、それを精算して、明るく輝く日々を送るだろう。頭で考えたキリスト教世界にはびこる「大言壮語」には何の御利益もない。カトリック教会とプロテスタントの聖書を仲介とする運動は、カトリック教会をプロテスタント化しただけであり、「信じる」ことを「智」による「大言壮語」に導き、信徒を分断させることになる。

8．「説明書作成目的」の具体化 さて、62歳の後半ごろに着手した、「キリスト教説明書」が、ありきたりのものではなくなることになった転機は、四福音書の比較表を作っていたときに訪れた。「ルカによる福音書」の文書は、テオピロ閣下に献呈されているのである。 聞き覚えの知識では、テオピロは、どこかのキリスト教に興味を持つ高官で、ルカはその知的欲求を満たすために、文書を作成し、献呈したものであり、その文書作成時期はむしろ西暦100年以降と見積もられていた。また、ルカはパウロの弟子でもあるとされていたし、異邦人に福音を伝えたのはパウロであるともされていた。 これらのあいまいな知識から出来上がる説明書作成の所要時間は、多く見積もっても、せいぜい1年であった。だが、テオピロは誰だろうとの疑問を改めて呈し、社会インフラになりつつあったインターネットのWeb検索をした。表示された情報の中に、「テオピロ」は匿名という記事があった。その瞬間、テオピロ閣下と献呈者ルカの関係が、カペナウムの百卒長主従に結びついたのだった。 漠然とした説明書作成の日々が、製品の説明書、カトリック教会の(源流の)取説作成の日々となったのである。だが、これは教皇の許可を得たものではないから、「知らない」と言われてもしかたのないものではある。

9．キリスト教会とは プロテスタントの教会は、無数にあり、「反教皇」と「分裂」以外の共通点はないので論外とし、(地域)正教会と英国国教会(聖公会)も私設教会であるから、対象外である。 ここでいう教会は、四世紀、コンスタンティヌス帝により、歴史的に定められた「カトリック教会」のことである。「そういうお前とお前の家族はカトリック教徒かい」と言われると、「そうだけれども違う」と答えるしかない。いま、わたしは取説作成をわたしに託された方の「権威」の下(もと)にいるからなのだ。今は二君に仕えるわけにはいかない。今、カトリック教会に行けば、湧き上がっている日々の啓示は途絶えるだろう。

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オリジナル教会の権能：「あなたの思うがままに作成してよい」 ページ制作者　（ささくら宗）聖母マリヤ福音教会代表　笹倉正義 2021/6/9

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