信仰の高み

（１）終わりの見えないコンテンツ このコンテンツ作成に着手してから、一年を優に経過したが、完成のかの字も見えない。時を同じくして、Cが、「お父さんはおじいちゃんになるかもしれない」と言ったが、その子はさっさと生まれて、その若き父母の愛の中で育っている。当初は、その子が生まれるのと同時期に完成する、とたかをくくっていたのである。かつて、マニュアル作成に一年もかかったことはないからであった。 （２）修正を繰返すコンテンツ このコンテンツを閲覧している人は、同じ頁が絶えず更新されているのに気がつき、ある人はいらだち、ある人は感嘆しているだろう。いらだつ人は、誤字、脱字、考え違いの数々にあきれ果てる。感嘆する人は、この人は確かに信仰の高みに至る道に出ていると気付き、その源を知ろうと努める。 （３）眼下の視界 若い頃は、神戸の六甲山へハイキングにでかけた。阪急電鉄の芦屋川で下車のハイキングコースがある。ゆるやかな坂道を歩いていて、ふとふり返ると、後方に瀬戸内海が視野にはいり、視線の位置が変わったことに気付く。これが、私のイメージする信仰の高みである。重装備で絶壁を上らなくても、高みに行ける。スポーツならそれも良いが、信仰は人生の旅路にかかわる。誠実に、ゆっくりで良い。 ダンテの神曲に煉獄篇がある。その島は、海上にそびえているが、上り口が分からない。あるとき、ふっとその入口に入ったことに気付くのものなのだ、と実感する。何も努力したわけでもないから、ただ恵みであったと考えざるを得ない。先に入った者は、信仰を同じくする人々に、その入口を知らせる方法はあるのだろうか。 （４）「テオピロは匿名です」を見て ちなみに、私がその入口を通ったと実感したのは、「テオ・ピロは匿名です」との書き込みを閲覧した瞬間であった。そして、間をおかず、「異邦人による聖書の物語」を一気に書き上げた。それは2010年2月14日のこと。この作業を始めてから、三ヶ月たつかたたないかの時である。お礼を言おうと思ったが、素朴で丁寧な、その書き込みは、もう見ることができなかった。名前を覚えていない、若者と思われたその人にお礼をいっておきたい。 （５）眼下の視界 このコンテンツが、感嘆してくれる人々にとって、良いものであるようにと祈る。この作業の源は信仰であるから、グループで作成し、完璧なものを短時間で効率よく作る、という類のものではない。このコンテンツ「信仰の羅針盤」が、遺言となっていっさいの変更が停止されるまで、それが続くと考えてほしい。どうか、いらだたないでほしい。 読んでくれた人々の上に、主イエス・キリストの平和と恵みとが、豊かにあるように。 （６）テオピロの実名はクレオパ この名前は「ルカによる福音書」24章に置かれていた。エマオ村に行く二人の弟子の一人の名が「クレオパ」だったのである。それが突如、カペナウムの百卒長の実名と気付いたのだった。2024/11/20

2011/2/20　笹倉正義

そして10年後の今

聖書の「答」に到達の確信

説明書作成９年目にして、折り返し点に達し、来た道を引き返そうとする。「狂気の解消」がそれであったが、思いがけず「処女受胎の顔認証」が加わった。聖書全体は、「ルカによる福音書」に帰し、ローマ・カトリック教会はその基盤の上に立つ。引き返す先は聖書である。聖書は4世紀にローマ皇帝コンスタンティヌスの統治下において、さまざまに膨れ上がったキリスト教思想文書を統合する形で確定した。旧約聖書の目的は新約聖書からの「参照」に尽きる。たとえば、プロテスタントの場合、受洗時の証(あかし)に聖書の言葉を聖句として引用したりする。2020/11/23

ところが、その答えはさらなる答えへとわたしを導き、ユダ族との結婚が「緊急避難」だということ、それによってアロン家の血統は絶えるかに見えたが、「処女受胎」によって回避されたこと、「恵まれた女」とはマリヤさまご自身を形容したものであること、ユダの山里の町の名前とテオピロの本名がわかったことなどへと続くことになった。2021/4/14

その緊急避難の次第はこうであった。マリヤさまはエマオにおられ、ヨセフはベツレヘムにいてエルサレムで仕事をしていた。ヘロデの大祭司一族探索から免れるため、急遽二人の婚約が調い、二人は遠くナザレに疎開した。しかし、「アロン家の子が産めない。アロン家が途絶える」との思いは12歳のマリヤさまには想像以上の負担となった。神と先祖とに謝罪する、心身が内臓が子宮が揺り動かされる、壮絶な祈りの日々が続いた。彼女を見守るヨセフも断腸の思いで主なる神に祈った。そうしたある夜、「おめでとう、恵まれた女よ」という声が少女に臨んだのである。2021/7/5

ほとんど著作（2023年）のあらまし

なぜ「処女受胎」が起こったのか、わたしはつい先日その答を得たように思った。アロン家、ヘロデによるユダヤ統治者たる「大祭司」一族皆殺し、緊急避難のユダ族との婚姻、ナザレに疎開、激しい悔恨と祈りの日々、12歳のマリヤさま、「おお、そのお苦しみの情景が目に見えるようです」、処女受胎、「わたしを幸いな女というでしょう」、アロン家の男子出生、大祭司、「罪」の扱いの専権事項、「あなたの罪はゆるされた」、そして苦杯、十字架、復活、違ったイエスと弟子、昇天、いつまでも大祭司、クレオパ、ルカ。2021/7/14

戻る

「まさよしの場合」

2021/7/14、2024/11/20　笹倉正義