２章「父と子」

隣人の男カドルッスが登場する。ダングラールに次ぐ二人目のこの男は、上流社会とは無縁の生涯を送ることになる。

目次

２（１）１００ルイの俸給　1-2-1-9「お父さん、お父さん！」。老人は、思わず声をたてて、ふり返った。と、老人には息子の姿が目にはいった。老人は体をふるわせ、顔の色も青ざめて、息子の腕に抱かれていた。

２（２）借金返済事情　1-2-2-12「ではお父さんは、わたしの置いていった二百フランの中から、それをお払いになったんですか？」。老人はそうだとうなずいて見せた。「ではお父さんは、三月（、みつき）の間、六十（６万円）フランで暮らしておいでになったんだ」と、青年は低くつぶやいた。

２（３）隣人との会話　1-2-3-23で、なにしろ、」と、カドルッスは言葉を続けた。「友だちの手を握りたいと思って楽しみにしてやってきたのさ」。「親切なカドルッスさんだ」と、老人が言った。1-2-3-26「わしたちのことをこんなにまで思っていてくださるんだ」。

２（４）隣人の話題　1-2-4-31「いや、」と、青年が言った「わたしは一般に女の人を、とりわけあのメルセデスを、あなたよりはずっと信用しているんですから。そして、船長になろうがなるまいが、あの女は、いつもわたしを一心に思っていてくれると信じきっているんです」。

２（５）きな臭い会話　1-2-5-24「なあに、おれたちさえ一つ踏ん張りゃあ、」とダングラールが言った。「もとの木阿弥にしてくれらあも一つ踏ん張りゃ、いまよりもっと落としてみせらあ」。「なんだと？」。「なんでもねえ。こっちの話よ。で奴さん、相変わらずあの娘に参ってるのか？」。

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引用者：2016/5/18-19　（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会
通称「オリジナル教会」　初代代表者　笹倉正義
ささくら修道会