クリスマスの クリスマスの
| ルカによる福音書には、イエスがお生まれになった前後に、三人の讃歌が書かれている。それには、イエスの誕生が人によるものかそうでないのかを探ろうとしたルカの視点が現れている。ルカによる福音書には、ルカがテオピロに報告した文書に、さまざまな追加があるのだが、ルカの目的を知ればルカ本来の文章が浮かび上がる。 すなわち、それは神の御子の誕生、彼の言葉の持つ権威、そして人の罪をかぶる霊的能力、さらしによる恥辱と出血死、死体の消滅すなわち復活と昇天に関する調査の成果物である。イエスの持っていた言葉の権威はテオピロ自身が確認しているが、それ以外の全てを彼は知ろうとして、調査をルカに命じたのである。それに、答えうる者はルカ以外にはないと彼テオピロは知っていた。皮肉にも彼らはユダヤ人ではなく異邦人であった。ユダヤ人のパウロでさえも、男尊女卑の宗教社会の中で、この視点を持ち得なかったのである。 ルカのクリスマス、すなわち彼が聖母マリヤから聞き出し、それをできる限り検証してテオピロに報告したクリスマスを、私たちも祝おう。 |
| 讃歌：神を讃える歌 |
| マリヤの讃歌（エリザベツの妊娠を確認して） |
| ザカリヤの讃歌（エリザベツが男子出産して） |
| 天の軍勢の賛美（イエスの生まれた夜の野） |
| シメオンの讃歌（イエスの宮もうでの神殿で） |
| イエス誕生の次第はマタイによる福音書にも書かれている。聖書に掲載されている順番はマタイの方がルカよりも前にあるので、マタイの話の方が有名である。ルカには関係者の讃歌と、イエス誕生の際には御使と天の軍勢の賛美があったと書かれている。実に、敬虔と荘厳さが漂う。これに対してマタイは悲壮であり、劇場型で、人に受けるような話になっている。ルカは聖母マリヤからの聞き書きであろうが、マタイはその話の出所が定まらない。 |
2011/12/26 笹倉キリスト教会 笹倉正義
2011/12/27
聖句引用：日本聖書協会 口語訳聖書
新約聖書（１９５４年改訳）