３１．テオピロとルカ ３１．テオピロとルカ
| テオピロは、カペナウムの ルカは彼の テオピロもルカも実名ではありません。匿名を使った理由ですが、彼はローマ帝国の軍人であり、ピラトの法廷で裁かれ、処刑されたイエスのことを調査することは憚られたからです。しかし、ルカは、誰が誰に宛てた報告なのかを追跡できるように、随所に付箋を置いたのでした。 信仰の 新約聖書のルカによる福音書（第一巻）と使徒行伝（第二巻）に出てくるテオピロという名前は、実名ではなく ルカは、第一巻ではテオピロを「テオピロ閣下」と呼び、第二巻では「テオピロよ」と呼んでいます。この間に、テオピロとルカの間柄が変化していることを示します。ルカにとってはうれしい変化があって、そのこと自体も記録されたことになります。 （ルカによる福音書） 1-1わたしたちの間に成就された出来事を、最初から親しく見た人々であって、1-2御言に仕えた人々が伝えたとおり物語に書き連ねようと、多くの人が手を着けましたが、1-3テオピロ閣下よ、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、ここに、それを順序正しく書きつづって、閣下に献じることにしました。1-4すでにお聞きになっている事が、確実であることを、これによって十分に知っていただきたいためであります。 （使徒行伝） 1-1テオピロよ、わたしは先に第一巻を著して、イエスが行い、また教えはじめてから、1-2お選びになった使徒たちに、聖霊によって命じたのち、天に上げられた日までのことを、ことごとくしるした。 著者は誰か この二つの文書が、テオピロという人物に献呈されたことは明らかなのですが、著者が何者かが分かるとこれらの文書の立場がわかります。 １．彼は聖母マリヤから聞き書きできた、恐らく唯一の、人物であること。そうでなければ、聖母マリヤの処女受胎告知は、創作の域をでないことになり、宗教的意味が無くなる。 ２．聞き書きの報告書を作成した著者の目的あるいは動機は何かということ。マリヤの処女受胎の話は、ユダヤ人には受け入れられないことであるから、弟子たち（全員ユダヤ人）を含めユダヤ人ではないこと。 ３．では著者は誰か。 著者たるもの、自分の書物に何らかの痕跡を残すものですが、この場合は「ルカによる福音書」の百卒長と僕の逸話がそれに合致します。当時、これほどの事業ができる者は、このイエスに褒められた百卒長以外には、誰もいません。百卒長がその僕に指示して、イエスの報告書を作らせたのです。 （ルカによる福音書） 「イエスに褒められたテオピロ」とその僕のルカ 7-9イエスはこれを聞いて非常に感心され、ついてきた群衆の方に振り向いて言われた、「あなたがたに言っておくが、これほどの信仰は、イスラエルの中でも見たことがない」。7-10使いにきた者たちが家に帰ってみると、僕は元気になっていた。 テオピロとルカがいなかったら、このような場面は聖母マリヤの内に止まりました。使徒行伝とパウロ書簡は一体のものですし、彼らがいなければ新約聖書は成立しなかったでしょう。ヨハネの文書にしても、それはギリシャ語のユダヤ人がルカ文書に対抗するために作成したものだったからです。 （ルカによる福音書）1-34そこでマリヤは御使に言った、「どうしてそんなことがあり得ましょうか。わたしにはまだ夫がありませんのに」。1-35御使が答えて言った、「聖霊があなたに望み、いと高き者の力があなたをおおうでしょう。それゆえに、生まれ出る子は聖なるものであり、神の子と、となえられるでしょう。1-36あなたの親族エリザベツも老年ながら子を宿しています。不妊の女といわれていたのに、はや六ヵ月になっています。 ４．なぜ匿名の必要があったのか 僕の作成した報告書は、ローマ帝国への反逆罪で処刑された者（イエス）のことですから、百卒長とその僕の本名は使えなかった道理です。 功績 というわけで、新約聖書の この二人の功績は、聖母マリヤと御子イエスの関係を、親戚のエリザベツの出産に関連付けて描き出し、歴史的事実であることを、極限にまで高めていることです。すなわち、ルカはユダの山里に足を運び、３０数年まえの出来事を村人に確認していることです。 それがなければ、厳格な軍人でもあるテオピロの信仰を満足させることはできませんでした。また、ルカはローマ皇帝の在位にも関連付けて、歴史的事実を確かなものにしようとしました。 テオピロが危篤のルカを救う唯一の手段がイエスの言葉にあることを悟り、友人のユダヤ人にイエスへの取り継ぎを依頼しました。そして僕が危篤状態から脱したのを見て、百卒長のイエス観は確かなものになりました。 結論 この二人の関係は、「ルカによる福音書」に書かれている百卒長としもべの二人以外にはあり得ません。二人のそれぞれの信仰が、聖母マリヤから聞き出した事がらを基にして、御子の誕生に遡ることができたのです。イエス誕生の秘話は、彼女がユダヤ人には絶対に明かせないことだったからです。 ユダヤ人のパウロには御子イエスについて、せいぜいこのようなことしか表現できないのです。ユダヤ人の男には、聖母マリヤの処女受胎は絶対に理解できません。 パウロによる（ガラテヤ人への手紙） 4-4しかし、時の満ちるに及んで、神は御子を女から生まれさせ、律法の下に生まれさせて、おつかわしになった。 新約聖書の文書としては 「ルカによる福音書」と「使徒行伝」とには、ルカの文章ではないものが多数挿入されています。たとえば、ギリシャ語を話すユダヤ人キリスト教徒から七人の執事が選出され、その筆頭のステパノが殉教に至る長々とした記事です。また、それに続くピリポとエチオピヤの宦官の逸話もルカの関心事ではあり得ません。反主流派のギリシャ語ユダヤ人の挿入であり、主流派の教義とは何の関係もないことです。彼らもまた、聖母マリヤを信仰しません。だから、マグダラのマリヤを担ぎ出したりして、聖母の力を弱めようとしているのです。彼らの罪は大きいと思います。しかし、それは聖書を訂正するということにはなりません。 |
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2013/7/28 オリジナル教会（初代代表） 笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会
2016/1/1