３（１）聖典の下し主 ３（１）聖典の下し主
| 慈悲ふかく慈愛あまねきアッラーの御名において・・・・ 3-1アリフ・ラーム・ミーム アッラーのほかに神はない。彼こそは生ける神、 3-2（アッラーは）お前に 3-3もしアッラーの下さる神兆に不信の態度を取るような者があれば、いまに厳しい罰に合うであろうぞ。アッラーはその権能限りなく、恐ろしい復讐の神におわします。 一方、キリスト教の神は、人間の「業なる罪」をイエス・キリストの名のゆえにお赦しになる「天の父」なる神におわします。 3-4まことにアッラーの御目に見えぬものは何一つない、地上においても天上においても。アッラーこそは御心のままに汝らを母の胎内にお造りになる御方。そのほかには神はない。全能にして全知の神。 子供を女性の胎内に造るお方なら、完全なる者を創造できねば、ならないのではないか。アッラーは、どうしてこうもできの悪い者ばかりを造られるのか。 3-5（アッラー）こそはお前にこの聖典を下し給うた御方、その中にはこの聖典全体の母体とも言うべき、文句のはっきりしたところと、それから別に曖昧なところとがあって、心の中に邪曲を宿す者どもはえてしてこの文義曖昧な方に取りつきたがり、それをもとにして異端騒動を捲き起こそうとはかったり、また自分勝手な解釈をこころみようとする。だが本当の解釈はアッラーだけが御存知。 しっかりとゆるぎない知識をもつ人々は、「私どもはそれを信じておりまする。すべては神様のおつかわし下さいましたもの」という。ただ心ある人々のみ（かくのごとく）正しく反省する。 3-6「我らが主よ。一度こうして私どもを御導き下さいましたからは、どうか私どもの心を正しい道から反らさないで下さいまし。私どもに御情けを与え給え。まことに汝は惜しみなく与え給う。」 3-7「我らが主よ。汝こそはかの疑いの余地もない日にすべての人をお集めになる御方。アッラーは約束を絶対にたがえたりはなさいますまい。」 3-8（その時が来たら）信仰なき者どもは、財産も子供もアッラーの（お怒りの）前には何の役にも立つまいぞ。みんな 3-9フィルアウンの一族やそれよりもっと昔の人々がよい例で、我らの下した神兆を嘘だと言った、その罪のためにアッラーに滅ぼされてしまったではないか。アッラーは恐ろしい罰を与え給う。3-10信仰なき者どもに言ってやるがよい、「お前たち、いまに打ち負かされたあげく、ジャハンナムの中に集められるぞ。それこそとてもたまらぬ （フィルアウン）：エジプトの王パロのこと。 （ジャハンナム）：地獄の劫火のこと。 3-11あれは汝らに（示された）神兆だったのだぞ、あの二つの軍勢がぶつかって、一方はアッラーの道に戦い、相手方は異教徒だった。あの時、彼らはこちらが自分たちの二倍もいるのをまざまざと眼で見た。アッラーは誰でも御心のままに助け給う。まこと、見通しのきく人間にとっては、これは有難い教訓ではないか。 「二つの軍勢」の意味は、下図の紙本「コーラン（上）」を参照。 3-12人間の目には、さまざまな欲情の追及こそこよなく美しいことのように見えるもの。女だとか子供だとか、また積み上げられた金銀の山、立派な馬、家畜、それに田畑。だがこのようなものはみな現世の楽しみにすぎぬ。本当に素晴しい拠りどころはアッラーのお傍だけにある。 移し世の喜怒哀楽こそ人生。ユダヤの神もイエス・キリストの父なる神もそれを祝福してくださる。生と死とが最大の非条理であるが、そのためにこそ宗教はある。オリジナル教会は、偽善をとらない。 3-13言ってやるがよい「おい、そんなものよりはるかによいものがあるのを教えてやろうか。神を畏れかしこむ人々は、いまに神様のところで ユダヤ教では、その昔、唯一神エホバとイスラエルは性交する仲に等しい関係であった。しかし、イスラエルは幾度となく、偶像と性交してエクスタシーに達し、エホバを裏切った。 3-14そういう人たちは、「神よ、我らは信じ奉る。されば キリスト教の罪の赦し 人間の「 新約聖書（ルカによる福音書） 11-1また、イエスはあるところで祈っておられたが、それが終ったとき、弟子のひとりが言った、「主よ、ヨハネがその弟子たちに教えたように、わたしたちにも祈ることを教えてください」。11-2そこで彼らに言われた、「祈るときには、こう言いなさい、 『父よ、御名があがめられますように、御国がきますように。 11-3わたしたちの日ごとの食物を、日々お与えください。 11-4わたしたちに負債のある者を皆ゆるしますから、わたしたちの罪をもおゆるしください。 わたしたちを試みに合わせないでください』」。 3-16アッラーは正義の範を垂れ給いつつ、御自ら、他に絶対に神なきことを証言し給う。また諸々の天使たちや、正しい叡智をもった人々も（それぞれに同じことを証言しておる）。まことに、正義をもって立ち給う、この限りなき権能の神、限りなき智恵の神を措いて他に神はない。 3-17アッラー御目よりすれば、真の宗教はただ一つイスラームあるのみ。しかるに、聖典を授けられた人々は立派な知を戴いておきながら、しかも互いに 絶対服従者は「マリヤとイエス」のみ イスラームが「神に対する絶対無条件的服従」をその宗旨とするなら、それは偽りの宗教である。なぜなら、神に絶対服従するなどは、人にはできぬことだからである。 だからこそ、イエス・キリストによる罪の贖いが必要なのである。イエス・キリストの名によってのみ、罪ある身で神を「天の父」と呼べるからである。 神に絶対無条件服従した者の記録が残っているのは、「ルカによる福音書」である。すなわち、ヨセフの妻となったマリヤとその子イエスである。マリヤは、天使がエリザベツの懐妊を聞いて、自らへの受胎告知を無条件に受け入れた。自分の死が約束されたような宣告を受託できる女性がいるだろうか。 また、イエスは月下の園で父の杯を飲まれた。それは「罪」という霊の汚物である。そして、受洗後彼に宿っていた聖霊は消え、彼は罪人となられた。そして、強盗バラバに用意された十字架を負い、ゴルゴダの道を歩まれたのである。 この二人の真似をできる人間がいるか。イスラームの跪拝が神への絶対服従を示すためのものだというのは良いが、聖母マリヤとイエス・キリストを同列に考えてはならない。神への絶対服従できる者など、いないからである。 ちなみに、「ルカによる福音書」は、カペナウムの 3-18もし彼らがお前に（宗教上のことで）面倒な議論をしかけて来たら、こう答えるがよい、「わしはアッラーにわしの顔をおまかせ申した身だ。わしに従う者もみんな同じ」と。3-19聖典を授かっておる人々にも、そうでない普通の人たちにも、「お前たち、すべてを神様におまかせしたか」と問うて見よ。それでもしすべてをおまかせしたというなら、もうそれだけでその人たちは立派に（信仰の道に）入っている。だが、もし後ろ向いてしまうようなら、なに、お前はただ伝えるだけのことを伝えさえすればそれでよい。御自分の奴隷のことはアッラーが何から何まで見ていてくださる。 魔王の 信者がアッラーの奴隷ならば、アッラーは唯一神ではなく、魔王ということになる。魔王は手下にはやさしく、そうでない者には罰を与える存在と聞いている。 3-20アッラーの下し給う神兆にたいして不敬な態度をとり、不当にも予言者を殺害し、正義を勧める人々を殺害するような人々、そういう者どもにははげしい天罰の福音を説いてやれ。3-21そんな人々は何をしようとも、現世でもまた来世でも甲斐（かい）はなく、（来世では）誰一人助ける者とてなかろうぞ。 3-22お前見なかったか、啓典の分け前を頂戴して、（何でも問題が起った時は）アッラーの下さる啓典に準拠してお互い同士で問題を解決するようにというお勧めを受けたのに、中にはこれに背を向けて見むきもしない者がある。3-23それというのも、地獄の火に焼かれるといってもどうせその日数には限りがあることだし、などと考えたからのこと。結局自分たちがいいかげんに想像した考えに騙されて正しい宗教から迷い出してしまった。3-24だが、いざ我らが彼らを、あの疑いの余地もない日のために 主の祈（２） 3-25こう唱えるがよい、「おお神よ、王国の王なるものよ。汝は御心のままに誰にでも王国を授け、また御心のままに誰からでも王国を取り上げ給う。汝は御心のままに誰でも高め、また御心のままに誰でも低め給う汝の御手のうちに一切の善はあり、汝は、まことに、あらゆることをなす権能を有し給う。 3-26汝は夜を昼の中に入らせ、また昼を夜の中に入らせ給う。また死せるものから生けるものを出し、生けるものから死せるものを出し、勘定もせずに誰でも御心のままに養育し給う」と。 3-27信仰ある者は、信仰ある者を措いて無信仰者を友とするようなことがあってはならない。もしそのようなことをすれば、全然アッラーには無縁の者となろう、但し何か無信仰者から（害を受けそうな）心配でもある場合は別だが。しかしアッラーは、一番こわいのは何といっても（アッラー）ご自身だと汝らをお諭しになっておられる。最後に（汝らが）行きつく先はアッラーなのだぞ。 （皆のもの）にこう言ってやれ、「お前たち、自分の胸の中のものを包み隠そうが、すっかりさらけ出そうが、アッラーは全部御存知。天にあることも地上のことも、一切御存知。アッラーは全能におわします」と。 3-28すべての人が、それぞれ（現世で）自分のした一切の善事とそれから悪事とをあらいざらい目の前にならべて見せつけられる日。ああこの日と自分との間に遠い遠い 3-29（皆のものに）こう言うがよい、「お前たち、もしもアッラーを愛しておるなら、このわしに従ってこい。そうすればアッラーもお前たちを愛し、お前たちの罪を赦して下さる。アッラーは本当によく赦して下さるお情深い方だから」と。 またこう言うがよい、「アッラーと、その遣わし給うた使徒の言いつけをよくきけよ」と。だが、もし彼らが背を向けるなら、よいか、アッラーは信仰なき者どもはお好きでないぞ。 |
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