２（１３）聖地の二人 ２（１３）聖地の二人
| 聖地の由来 2-119また我らが聖殿を万人の還り来る場所と定め、安全地域に定めた時のこと。「汝ら、イブラーヒームの立処を祈祷の場所とせよ」と（我らは命じた）。それから我らはイブラーヒームおよびイスマイールと契約を結び、「汝ら両人、このわしの聖殿を清掃して、ここにおめぐりに来る人たちや、お籠りの人たちや、また跪きひれ伏してお祈りしに来る人たちのためにつかえるのじゃ」と（言い渡した）。 イシマエルは、アブラハムの子である。この人もまた民族の父となった人物である。 （創世記）イシマエル 16-9主の使いは彼女に言った、「あなたは女主人のもとに帰って、その手に身を任せなさい」。16-10主の使いはまた彼女に言った、「わたしは大いにあなたの子孫を増して、数えきれないほどに多くしましょう」。16-11主の使いはまた彼女に言った、「あなたはみごもっています。あなたは男の子を産むでしょう。名をイシマエルと名づけなさい。主があなたの苦しみを聞かれたのです。16-12彼は野ろばのような人となり、その手はすべての人に逆らい、すべての人の手は彼に逆らい、彼はすべての兄弟に敵して住むでしょう」。 （創世記）イシマエル 17-20またイシマエルについてはあなたの願いを聞いた。わたしは彼を祝福して多くの子孫を得させ、大いにそれを増すであろう。彼は十二人の君たちを生むであろう。わたしは彼を大いなる国民としよう。17-21しかしわたしは来年の今ごろサラがあなたに産むイサクと、わたしの契約を立てるであろう」。 （創世記）イシマエル 25-12サラのつかえめエジプトびとハガルがアブラハムに産んだアブラハムの子イシマエルの系図は次ぎのとおりである。25-13イシマエルの子らの名を世代にしたがって、その名をいえば次のとおりである。すなわちイシマエルの長子はネパヨテ、次はケダル、アデビエル、ミブサム、25-14ミシマ、ドマ、マッサ、25-15ハダデ、テマ、エトル、ネフシ、ケデマ。25-16これはイシマエルの子らであり、村と宿営とによる名であって、その氏族による十二人の君たちである。25-17イシマエルのよわいは百三十七年である。彼は息絶えて死に、その民に加えられた。25-18イシマエルの子らはハビラからエジプトの東、シュルまでの間に住んで、アシュルに及んだ。イシマエルはすべての兄弟の東に住んだ。 （創世記）イシマエル 28-9そこでエサウはイシマエルの所に行き、すでにある妻たちのほかにアブラハムの子イシマエルの娘で、ネバヨテの妹マハラテを妻にめとった。 2-120そしてまたイブラーヒームが「主よ、なにとぞここを安居の場所となし給え。その住民には果実を日々の糧として与え給え、（少なくとも）アッラーと最後（いやはて）の日を信ずる者どもにだけは」と言った時のこと。（その時アッラーは）言い給うた「（よろしい）。だが信仰なき者どもらは、はかない楽しみを与えた上、その後で劫火の刑罰に突き落してくれようぞ。何とおそろしい末路であることか。」 キリスト教では、イエス・キリストを信じる信仰によって、この恐ろしい末路の運命から解除される望みを教義とする。不条理な死からの開放がそれである。 2-121それからイブラーヒームがイスマイールと一緒に聖殿の礎石を打ち立てた時のこと。（二人は言った）「われらが主よ、なにとぞ（この家を）われら両人の手から御嘉納下さい。まことに汝は全てを聞き、あらゆることを知り給う。2-122われらが主よ、なにとぞわれら両人をして汝に帰依し奉るまことの信者となし給え。またわれらの子孫をば汝に帰依し奉る信仰深き民となし給え。われらの（今後践（ふ）み行うべき）祭儀をわれらに示し給え。（われらの罪を赦して）御顔をわれらの方に向け給え。まことに汝は（罪人を）よく赦し給う、慈愛深き神にまします故に。 2-120とは逆である。不信仰な者と罪人とは違うのだろうか。アッラーが無条件に（信者である）罪人を赦すのに対し、ユダヤの唯一神エホバはイエス・キリストの名のゆえに、祈る者の罪を赦されるのである。これについては、「ルカによる福音書」に放蕩息子のたとえ話がある。 （ルカによる福音書）放蕩息子 2-123主よ、彼らの間に、彼らの一人を使徒として興し、彼らに向って汝の 2-125主が彼に向って「帰依せよ」と申されると、彼は「帰依し奉る、万有の主に」とお答えした。2-126そしてイブラーヒームはこ（の帰依の宗教）の捧持（ほうじ）を己が子供らに遺言し、ヤアクーブまた（それに倣った）。「これ、子供たち、まことにアッラーがお前たちのためにこの宗教をお選びくだすったのだ。だからお前たち、かならずかならず 訳者注：帰依者の原語「ムスリム」は後世直ちにイスラム教徒の名称となった。 2-127汝ら、ヤアクーブの臨終に居合わせて、彼が息子たちに「わしなき後は、お前たち何を拝むつもりか」と訊ねた、彼ら、「わたしたちは汝の神、汝の父祖イブラーヒーム、イスマイール、イスハークの神、唯一なる神につかえまつり、これに帰依いたします」と答えたのを己が目で見たのか。 2-128（しかし）これは過ぎた昔の民族のはなし。彼らは彼らが自分で稼いだだけの報いを受け、お前たちはまたお前たちが稼いだだけの報いを受ける。（遠い昔に）他人がなしたことの責をお前たちが負わされるようなことはありはせぬ。 2-129彼らは、「お前たちもユダヤ教徒かキリスト教徒におなり。そうすれば正しい道に行けるから」などと言う。言い返してやれ、「いや、いや、わしらはイブラーヒームの宗旨をとる。あれこそ純正な信仰の人だった。偶像崇拝者の類ではなかった」と。 イスラム教では、ユダヤ教やキリスト教が偶像崇拝教にされている。イスラム教が北上しさらに西進して最初に目にしたのは、東ローマ帝国のギリシャ正教の教会であった。そこには、壮大な聖母子（イコン）が描かれていて、イスラム戦士を圧倒した。 2-130汝らはこう唱えるのじゃ、「われらはアッラーを信じ、われらに啓示されたものを、またイブラーヒームとイスマイールとヤアクーブと（イスラエルの十二支族に啓示されたものを、またムーサーとイーサーに与えられたものを、またすべての予言者たちに神様から与えられたものを信じます。われらは彼らの間に誰彼の差別は致しません。われらアッラーに帰依し奉ります）と。 2-131そこでもし彼らが汝らと同じ信仰に入るなら、彼らも正しい道に踏み込んだというもの。だがもしそれに背を向けるなら、明らかに仲間割れの徒。汝が何もせずともアッラーが彼らのことはお独りで引受けて下さる。（アッラーは）全てを聞き、あらゆることを知り給う。 2-132神の色染めというが、一体アッラーよりもっと立派に色染めして下さる方がどこにあろうか。われらが崇めまつるのはアッラー（のみ）だ。 2-133（ユダヤ教徒やキリスト教徒に）言ってやるがよい、お前たち、アッラーのことで我々と言い争いをしようというのか。アッラーは我々の神様でもあれば、お前たちの神様でもあるものを。我々の所業はすべて我々のもの、お前たちのすることはみんなお前たちのもの。我々が誠の限りをつくしておつかえ申すのはアッラーのみ。」 アラビヤの唯一神とユダヤの唯一神とは違う。唯一神は一つではない。体験、教養、訓練によって、形成される唯一神は違う。一つのはずが無い。 2-134それともお前たち『イブラーヒームとイスマイールとヤアクーブとそれから（十二）支族とはユダヤ教徒か、さもなければキリスト教徒だった』とでも言うつもりか。」言い返してやるがよい、「一体お前たちの方がアッラーよりもっとよく知っているとでもいうのか。アッラーかられっきとした証拠を戴いておきながらそれを隠匿する者ほど不正な人間がどこにある。お前たちのやっていることをアッラーはぼんやり見遁したりはなさらんぞ。 これは、幼稚園児の思考程度の屁理屈。福音書にはアブラハムはイエスの時を喜んだのである。イエスはアブラハムよりも前からいたからである。 （ルカによる福音書） 20-37死人がよみがえることは、モーセも芝の篇で、主を『アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神』と呼んで、これを示した。20-38神は死んだ者の神ではなく、生きている者の神である。人はみな神に生きるものだからである」。 （ヨハネによる福音書） 8-56あなたがたの父アブラハムは、わたしのこの日を見ようとして楽しんでいた。そしてそれを見て喜んだ」。8-57そこでユダヤ人たちはイエスに言った、「あなたはまだ五十にもならないのに、アブラハムを見たのか」。8-58イエスは彼らに言われた、「よくよくあなたがたに言っておく。アブラハムの生れる前からわたしは、いるのである」。 2-135あれはみな過ぎた昔の民族のはなし。彼らは自分で稼いだだけの報いを受け、汝らは自分で稼いだだけの報いを受ける。（遠い昔に）他人がしたことの責を汝らが負わされるようなことはありはせぬ。 このページ（2-128）の再出 |
| 次へ |
 |
 |