その その
| １．ローマ皇帝ネロとキリスト教徒 |
| この話は、ルカが使徒行伝の元となるテオピロへの報告書の続編であるが、もちろんルカの書いたものではない。新約聖書の文書がルカの行動範囲に限られていることから推して、それらの文書はルカ自身のものあるいはパウロの手紙の場合はその写本であって、彼と彼の一団が保有していたと考えなければならない。手紙などは、いつかは消えてしまうものである。その価値のわかる強い精神があったので、残ったのである。ローマの大火は西暦６４年ごろであって、パウロがローマでおだやかに二年をすごして後のことである。ルカはパウロに働く神の力を確認し、第二の報告書を仕上げたことで、その目的を達成していた。彼は独自の霊感から別の使命を確信し、医師団を結成したことはごく自然である。ローマの女性に、聖母マリヤをＰＲするのである。これはパウロとペテロにはできない。ルカには、職業柄、その機会は多かったのである。 |
| ２．ローマ帝国の貴婦人とルカ |
| ローマ市街地大火災の犯人としてキリスト教徒が逮捕され、見世物として大量虐殺されたが、その光景は世にも不思議なものだった。彼らは殺戮者を呪わず、かえって罪を許して死んでいった。これが見物した貴婦人の悩みの種となった。すなわち、医者が呼ばれた。おかかえの医者では病気の原因がわからなかった。そこに最近ローマの上級医師団にも認められた老医師が呼ばれることになった。 |
| ３．放火犯処刑とその後の獄吏 |
| 放火犯を命令どおりに、見世物として処刑した獄吏にも大きな変化があった。本来、泣き叫んで命ごいするはずの連中が、唯々諾々として眠りにつき、自分達が苦しむことになった。あべこべになった。一体どうしたことだ。再び、貴婦人の病気をいやしたかの老医師が呼ばれた。 |
| ４．小説「クオワディス」の医師 |
| ポーランドの文豪Henryk Sienkiewicz（ヘンリク・シエンキエグイチ）の小説「QUO VADIS（主よ、いずこに）」に見知らぬ医師が登場する。著者がなぜここに医師を登場させたのかは謎だが、ルカでなければならない。普通の医者が登場する場所ではないからだ。 |
2012/5/23 笹倉キリスト教会
ページ制作者：オリジナル教会（初代代表）笹倉正義 |