９（２）戦場の羊 ９（２）戦場の羊
| 9-23これ、汝ら、信徒の者よ、たとい自分の親、兄弟だとて、もし信仰より無信仰を好むようであれば、決して同志と思うてはならぬ。汝らの中で、そういう人々を同志にする者があれば、それはまぎれもない不義の徒じゃ。9-24言ってやるがよい、「もしお前たち、自分の親、子供、兄弟、妻、部族、それから自分が手に入れた財産、不景気になりはせぬかと心配な商売、気に入った住居−−−このようなものがアッラーや使徒や、また神の道での闘争よりもずっと大切に思われるようなら、よろしい、いずれアッラーの裁断が下るまで待ってみよ。アッラーは邪悪な人間は決して導いては下さらぬ。」 9-25これまでにもアッラーはいろいろの戦場で汝らを援助して下さった。フナインの合戦のときもそうだ。あの時、始め汝らは多勢をたのんでいい気持になっていたが、いざとなるとそんなものはなんの役にも立たなかったし、この広大な大地すら狭くて身の置きどころもない程になり、そのうち、遂に敵に背を向けて退却する始末。9-26この時、アッラーは使徒および回教徒の上にその御霊を下し、また目に見えぬ軍勢を下して信仰なき者どもを懲らしめ給うた。これこそ正に無信仰者の当然の報いであった。9-27だがそうなってから、後でも、アッラーは、お気の向くままに誰にでも赦しのお顔を向け給う。まことにアッラーはよくお赦しになる情深い御神におわします。 9-28これ、汝ら、信徒の者よ、多神教徒は、まったく汚れそのもの。されば彼らを今年以後、断じて聖なる礼拝所に近づけてはならぬ。それでは貧困が心配だと言うかも知れないが、多分アッラーが、御心ならば限りないお恵みをもって汝らを養って下さるであろう。アッラーはあ明敏、全知の御神におわします。9-29アッラーも最後の日も信じようとせず、アッラーと使徒の禁じたものを禁断とせず、また聖典を頂戴した身でありながら真理の宗教を信奉もせぬ、そういう人々にたいしては、先方が進んで 既存の一神教 9-30「ウザイルは神の子」とユダヤ人は言い、「メシヤは神の子」とキリスト教徒は言う。どうせ昔の無信仰者どもの口真似して、あんなことを口先だけで言っているにすぎぬ。えい、いっそアッラーが彼らを一気に撃ち殺し給えばいいに。まことに、なんと邪曲な人々であることか。9-31彼らは、アッラーをさし措いて、仲間のラビや修道士を主とあがめている。それからマルヤムの息子メシアも。唯一なる御神をのみあがめよと、あれほど固く言いつけれらているのに。（アッラー）のほかに神はないはず。ああ何たる恐れ多いことか。それを、あのようなものと同列に置くとは。 ---ユダヤ教徒とキリスト教徒への喧嘩言葉が書かれているが、これは多神教徒を掃討してから後の挿入であろう。 （１）三つの イスラムの時代は、西暦６００年代から始まる。ローマ帝国のキリスト教承認はそれよりも３００年ぐらい前、そしてユダヤ教誕生は紀元前４００年ぐらいのことである。 （２）ユダヤ人の源流 ユダヤ教は、バビロン捕囚から（およそ８０年後に）エルサレムに帰還した南王国の子孫（ユダ族とベニヤミン族）が興したものである。聖書の「創世記」は、ここから神代に遡って、書かれているのである。ユダヤ教の掟の第一は「安息日」である。神は天地創造の後に休まれたことが、安息日を象徴しているのである。「六日働いて一日休む」を、絶対的な律法とするための方便であり、実際の天地創造とは無関係である。 ユダヤ教の神はエホバである。モーセとモーセの薫陶を受けたヨシュア以外に、エホバの真の力を理解できた者はいない。レビ人のアロンとミリヤムの働きも重要である。 エジプトに寄留したヘブル人のヤコブ（イスラエル）の子孫の一団が、モーセに率いられてエジプトを出た。エジプトの帝王学を学んで育った彼の最初の仕事は、ヘブル人の軍隊を組織することだった。しかし、奴隷生活が身にしみ込んでいる者たちは、軍人として使いものにならなかった。彼は組織的に行動する軍隊らしきものができるのに４０年を待った。 ついにモーセは、ヨルダン川を渡ることなく、死んだ。そして彼の意思を継いだヨシュアが、ヨルダン川を渡り、まず最も堅固な町エリコを陥落させ、パレスチナを震撼させた。戦いの火蓋は切って落とされた。イスラエル軍は、パレスチナ侵攻を継続、長期にわたる戦が続いた。 そのヨシュアもついに死んでしまい、イスラエルにはカリスマを持つ指導者がいなくなった。そして裁き司（ サウル王朝の滅亡を受けてダビデ王朝が興った。その王朝はソロモンの死後分裂し、北のイスラエル、南のユダとなった。イスラエルは国策として、偶像崇拝を国民に課し、エホバの神事を司るレビ族を弾圧した。預言者エリヤが弾圧されたのは、彼が北王国の住人だったからである。下克上の続いた北王国は、アッスリヤに滅ぼされた。それに遅れること１５０年で南王国もバビロンに滅ぼされた。南王国の列王は、ダビデとソロモンの血統を保った。 バビロン捕囚は、南王国滅亡の１０年ぐらい前から続いていて、優秀な者は王のそば近くに仕えた。たとえばダニエルである。ペルシャの時代になっても、官吏となって宮中に仕える者がいた。彼らは王の図書室から、バビロンやペルシャの文化を吸収した。そして、優秀なユダヤ人をねたむ国民に配慮して、エルサレム帰還の恩赦の詔がペルシャ王からでることになった。 （３）王族ゼルバベルとアロン家 エルサレムに帰還した南王国の子孫（王族とレビ人）は、城壁の修復と神殿の再建に取り組んだが、さまざまな妨害に何度も工事は中断した。ペルシャの王威を恐れたからである。謀反を疑われれば、今度こそ破滅である。王族の中には、ダビデの子ナタンの血統でゼルバベルがいた。彼の血統は、聖母マリヤの夫ヨセフへと続いた。「ルカによる福音書」の系図から。 南王国の子孫は、ユダ族とベニヤミン族、それにアロン家を棟梁とするレビ人である。これがユダヤ人の原型である。聖母マリヤの親戚のエリザベツは、アロン家の娘の一人である。聖母マリヤの家系は神事を専門とするレビ人である。 古代ユダヤ人は、エルサレムの城壁を修復し、ソロモンの神殿を再建した。そして、人種の浄化を行い、聖書を編纂し、ユダヤ人独自の因習を確立した。この因習は、聖母マリヤ、イエス・キリスト、ペテロたちユダヤ人の生活習慣を律していた。使徒行伝でペテロが、天からつり下ろされたカゴの中に食べてはいけないものが入っていた夢を見たとか、（コルネリオ邸）外国人の家に入ってはならないことになっている、とかの記事があることの源流がそこにある。それは、彼ら古代ユダヤ人にとっては特殊な行為だったのである。 （４）ユダヤ ちなみに、レビ人たちが聖書を編纂するに当たって、ユダヤ人が二部族では都合が悪い。ユダヤ人は十二部族でなくてはならない。そこで、それ以外の十部族にも、合流を呼びかけたのである。それに応じず、先祖の拝んだサマリヤの山にこだわったのがサマリヤ人である。福音書に登場するサマリヤ人は、混血、エルサレムの神殿を拝まない、そういった人々である。 （５）神の そのように古代ユダヤ人の精神を律していたユダヤ人社会の中で、聖母マリヤが生まれ、彼女が成人する前の１３歳よりも前に、ユダ族のヨセフとの婚約があったのである。聖母マリヤの受胎告知は、秘密である。それは、異邦人テオピロの大いなる信仰とルカの才能、実務経験、献身がなければ、人類が知ることのなかった秘密である。 イエスの苦杯、バラバと入れ替わった十字架の道、遺体の防空壕（再臨思想）への安置、復活、昇天があり、弟子たちへの聖霊降臨によって、永遠の大祭司イエス・キリストが成ったのである。これはユダヤ教の岩盤の上に立てられが、イエス・キリストはユダヤ人を救う目的を超えて普遍性を持つものとなった。それは、イエス・キリストの受肉が聖母マリヤによって実現したと記された「ルカによる福音書」による。ルカ、テオピロ、イエス、聖母マリヤが同時期に存在し、イエスに関係し、聖母マリヤからルカが聞き書きし、ルカがその内容を考証したものでなければならない。すなわち、「ルカによる福音書」の原典は、ノンフィクションと皆が認める確証が文中に込められていなければならない。 存在が目に見えず、たよりなく思えるエホバの神ではあるが、律法は厳しくユダヤの民、特に貧民を圧していた。彼らの上には、神殿への奉納義務、ヘロデの税、ローマ帝国の税がのしかかっていた。イエス・キリストの御国は、見える国ではない。しかし、その国は現世と並存する。イエスの御国は来世ではない。まさにこの世に存在し、彼を信じる者の心に、霊的な革命を起こすのである。その革命は、日常生活においても、顕著な変化をもたらすのである。抗争から柔和へ、殺人から人を活かすものへと。 （６）哲学思想の混入 しかし、再臨思想、黙示思想、ギリシャ語のユダヤ人、末法思想、蘇り思想などの恐怖思想が混入し、その一部がイエス・キリストの言葉として、「ルカによる福音書」の原典に加えられた。ルカの二書を通読して、その一貫性ののないこと、相反する記述に戸惑う読者があるのは、このためである。 （７）異邦人による聖書の物語 テオピロとルカ、この二人の名前が「ルカによる福音書」に登場するカペナウムの百卒長とその僕の匿名であることが分かれば、なぜローマ皇帝の名前がテオピロの名を冠した二つの文書の謎も解ける。また、ルカはその何十年かの後、パウロの伝道旅行に同行し、旅行記にまとめた。またその時、パウロの口述などによって作成された手紙を写本した。それらの文書が、新約聖書の土台である。 （８）新たなサマリヤ ユダヤ人は、自分たちに合流しない北王国の子孫をサマリヤ人と呼んで軽蔑した。ユダヤ人はエルサレムの神殿が唯一の礼拝場所であるとし、サマリヤ人は先祖のサマリヤの山を礼拝場所としたのである。今、キリスト教はユダヤ人社会の宗教ユダヤ教の枠を超えて、普遍的な宗教への道を開いた。それに合流しないユダヤ人はエホバの愛の分からない人々であり、新たなサマリヤ人である。 （９）キリスト教はこの世の宗教 およそ神は、生きている者の神である。宗教はこの世の者たちの苦しみを解決できる答え（信仰）を教えるものでなくてはならない。キリスト教は、それが（神の）愛であることを教える。ならばなぜ、キリスト教国に軍隊があり、他国に干渉し、紛争を助長するのか。それは人と人との問題であり、宗教とはまた別の問題である。コーランが羅列する「最後の日」、「復活の日」は、根拠の無い空想である。イエスの再臨もまた空想であるが、その基となっているのがダニエル書の「人の子」のように見えたものであるならば、その根拠はハレー彗星である。天空に七十五年周期でその姿を現す有機物質の塊は、その当時は今よりもはるかに大きく、その核が人の形に見えた可能性があるからである。 9-30「メシヤは神の子」とキリスト教徒は言う。どうせ昔の無信仰者どもの口真似して、あんなことを口先だけで言っているにすぎぬ。えい、いっそアッラーが彼らを一気に撃ち殺し給えばいいに。まことに、なんと邪曲な人々であることか。 コーランがこのように一言で否定してのける「神の子」メシヤは、わたしがその内容をキー入力して羅列するだけでも半日を要した。 9-32彼らは、口にものを言わせてアッラーの光りを消そうとする。だが、アッラーの方ではますます光りを見事にし給うだけのことさ、信仰なき徒には気の毒だが。9-33彼こそは御導きと真理の宗教とを持たせて使徒を遣わし給うた御神。この（宗教）をあらゆる宗教より上に高く揚げようとの大御心じゃ。多神教徒の人々には気の毒だが。9-34これ、汝ら、信徒の者、まこと、ラビや修道士たちの多くは、一般の人々の財産をくだらぬことで食いつぶし、あまつさえアッラーの道を塞ごうとする。また金や銀を貯めこんだまま、それをアッラーの道に使おうとせぬ者もあるが、そのような者には、苦しい天罰の嬉しいしらせを伝えてやるがよい。9-35そういうものがジャハンナムの火の中で灼熱し、それで彼らの 9-36まこと、（一年の）月の数は、アッラーが天地を創造された日に定め給うたところによって十二あり、そのうち四ケ月が神聖月。これが正しい宗教（の掟）じゃ。されば、この期間には汝らお互いに害しあってはならぬぞ。だが多神教徒は徹底的に攻撃するがよい。向うでも汝を徹底的に攻めて来るからは。アッラーはあくまで 9-38これ、信徒の者、一体どうしたことだ、アッラーの道に突進せよと言われたとたんに、そのように地べたにべたっとねばりついてしまうとは。現世にそれほど満足で、来世などはどうでもいいというのか。この世の楽しみなど、来世にくらべたら、取るにも足らぬものなのに。9-39よし、汝らが腰を上げないなら、（アッラーは）汝らを烈しい天罰で痛めつけた上、ほかの宗族とお取り換えになるぞ。汝らが（何をしようと）あのお方を害することはできぬ。だがアッラーはいかなることでもおできになる。 ---キリスト教徒の中でもオリジナル教会の信徒は、「聖母マリヤの愛と、イエス・キリストの名によって」、父なる神に祈る。それは、人が考えたものではなく、神の恵みによって実現した、歴史的事実と信じられるがゆえである。この名によってのみ、私たちは死の不条理から解放され、罪が覆い隠され、霊の自由を得るである。 （１０）イスラムのみなさま 「天の父なる神」は、信徒に戦闘を強いたり、従わぬ者に懲罰を加えるという、このコーランのアッラーとは全く違う神です。それを、イスラム教徒の心ある皆さんには是非分かってほしいと思います。特に、女性たちにです。聖母マリヤの愛は、あなたたちの心に革命をもたらし、真の自由、真の愛に目覚めさせるでしょう。男尊女卑の長い奴隷生活、そこから開放される「出エジプト」は、今後あなたたちに起こるでしょう。武力ではなく、聖母マリヤを信仰する愛によって、変えられます。あなたたたちは人形ではなく、生きた者となるでしょう。家庭が、職場が、社会が、国家が変わるでしょう。イスラムのよさを基として。 9-40汝らが彼を助けなくとも、以前にもアッラーは彼をお助けになった。邪宗徒どもに追い立てられて、一人の友とただ二人洞窟の中にひそんでいた時のこと。ほら、彼がもう一人の仲間に、「そう悲しがるな。必ずアッラーが我々を守って下さるから」と言った。その時、アッラーは彼に御霊を下し、目に見えぬ軍勢で加勢してくださった。そして信仰なき者どもの言葉をひき下ろし、アッラーの御言葉を高々と揚げ給うた。まことにアッラーは偉大、明敏、この上ない御神におわします。9-41さ、突撃せよ、軽いものも重いものも己が財産と生命を |
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