６（６）神の息子 ６（６）神の息子
| 人の子イエス 6-101かしこくも天と地の創造主にましますぞ。妻もないのにどうして息子があり得よう。一切は（アッラー）の創り給うたもの。その上、何から何まで全部御存知。 ---ユダヤの聖書には、「人の子」という代名詞がたびたび登場する。「人の子」のようなものと書いてあるのは、ダニエル書である。その「人の子」のようなものの正体をダニエルは知らない。ネブカデレザル王の夢を解き明かし、高い地位に就く足がかりを得たダニエルだったが、「人の子」の正体は分からなかったのである。今の世でこそ、それはハレー彗星だったのではないかと推測できる。３０００年近く前の天空に尾を伸ばしたそれは、一体どのような光景だったのであろう。それがかの彗星だとすれば、７５年ごとに太陽に近づいて、そのたびに蒸発して小さくなって行く。今日のそれは規模が小さく、まるで怖くない。この「人の子」に「イエス・キリスト」という値を代入した思想が、イエス・キリストの再臨である。ルカやパウロのキリスト教が主流だったとすれば、それは亜流である。聖母マリヤの胎からお生まれになったイエスが神の子かどうか、それはここでは論じまい。否定したがっている者に真理を教えようとするのは、馬の耳に念仏を聞かせるのに等しい。 6-102さ、こういうお方がお前たちの主、アッラーだ。そのほかには絶対に神はない。あらゆるものの創造者。さ、汝ら、お仕え申すがよい、一切をとりさばき給う御神に。6-103こちらの目には見えぬが、あちらではこちらの眼差しまですっかりお見透し。まこと、目にこそ見えぬが、一切を知り給う御神。 6-104汝ら神様から明白な証拠を見せて戴いたはず。目をあいて見れば、結局自分の身のため、目をつぶって、見ようとしなければ結局自分の損になるだけ。何もわしが汝らの番をすることはない。6-105こうして我らが様々に神兆を説き明かしておるのも、一つには（信仰なき徒に）「お前勉強したな」と言わせてやるため、二つにはもののわかった連中にはっきり説明し聞かせたいため。 6-106お前、神様から啓示して戴いた通りにしなければいけない。ほかには絶対に神はないのだから。偶像神の崇拝者どもとつき合ってはならぬぞ。6-107彼らにしても、もしアッラーの御心ならば、偶像崇拝者にならずにすんだであろうに。いずれにしても我らがお前を彼らの張り番に立てたわけではなし、お前も別に彼らの監督をすることはない。 6-108だが、彼らがアッラーをさし措いて崇拝している（邪神）どもを罵倒してはいけない。そのようなことをすると、彼らの方でも、何も知りもしないでやたらに、アッラーを罵倒してかかってくる。我らは、どの民族にも、それぞれ自分のしていることが一番立派に見えるようにはからっておいたのじゃ。しかしそのうちに（最後の時が来れば）みな神様のお傍によび戻されて、己れが（現世で）してきたことが（どのおようなものであったかということを）詳しく説明して聞かされよう。 6-109以前、彼らはアッラーにかけていとも厳粛に誓言したものだ、若し神兆が本当に目の前で起ったなら、必ず必ず信じます、と。言ってやるがよい、「神兆はすべて、ただアッラーの御手の中に」と。だが、実際に何か神兆が起ったとしても決して信じようとはしなかろう。これをどうしたら汝にわからせることができるものか。6-110すなわち、我らが彼らの心と眼とをひっくり返して、一番最初の時に信じようとしなかった、あの時と同じようにしてやり、生意気な反抗心に駆られて、目も見えずにあちこちとさまよい歩くのを、いつまでもそのままにしておいてやるのじゃ。 6-111だが、かりに我らの方で彼らに天使を遣わし、死者が彼らに語りかけ、かつ我らがありとあらゆるものをその面前に整列させて見せたところで、それで信仰するような人間ではあるまい。尤も、アラーがその気になり給えば別ではあるが。しかし大多数は全くの物知らずにすぎぬ。 6-112（お前にかぎらず）、我らはどの予言者にも同じように敵をつくっておいた。つまり人間や妖霊の悪魔どもを（設けておいた）。彼らはお互い同士、派手な美辞麗句を吹きかけては 6-113来世を信じない人たちの心が、その方に傾いて、それで満足できるのであるならば、それもよかろう。どうでもしたいようにするがよかろう。6-114どうしてこのわしがアッラー以外の誰かに裁決を頼んだりできようか。折目正しいこの聖典を汝らに啓示して下さったお方ではないか。我らが聖典を授けたほどの人なら、これが神様のお手元から真理を以って下された啓典であることは誰でも知っているはず。だからお前は決して疑い深い人々の一人になってはならぬぞ。 6-115主のお言葉は、嘘を言わず曲ったことを言わぬことでは完全無欠。何者もそのお言葉を改変することはできぬ。耳敏く一切を知る御神におわします。6-116もし地上の大多数の人間の言うことをきいたりすれば、必ずアッラーの道から誘い出されてしまう。彼らはただいいかげんな思惑で動いているだけ、ただ身勝手な当て推量をしているだけ。6-117どの人間が道からはずれて迷っているか、それはアッラーが誰より一番よく御存知。また正しい道を辿って行く人々のことも（アッラー）が一番よく御存知。 |
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