６（４）愚痴（４） ６（４）愚痴（４）
| 6-69自分の宗教を遊びや冗談ほどに考えて、この世の生活にうつつをぬかしている人々など構わないでおくがよい。自分の稼ぎがもとで人間一人が破滅することもあるということを、これ（を実例とし）てみんなに思いしらせてやるがよい。（もしそういうことになってしまったら）もうアッラーのほかには、助けてくれる者も執成してくれる者も絶対にありはせぬ。どのような償いを申し出たとて受け納れて戴けぬ。結局そういう人々は我と我が稼ぎで抜きさしならぬ破滅の道に深入りしてしまった人々。その背信行為の罰として、ぐらぐら煮えたぎる熱湯を飲まされて、苦しい懲戒を蒙るだけのこと。 ---「ぐらぐら煮えたぎる熱湯を飲ます」と脅しています。 6-70言ってやるがよい、「アッラーをさし措いて、毒にも薬にもならないようなものを崇めたりできようか。せっかくアッラーの御導きを戴いておきながら、今さら引き返したりできようか。（それでは）まるで、立派な友だちが幾人もいて、『こちらへおいで』と正しい道の方に呼んでくれるのに、まんまとこの世でシャイターンどもの誘惑にかかって正気を失い右往左往する人間ではないか。」言ってやるがよい、「アッラーの御手引きこそ、唯一の正しい御手引き。わしらは万有の主にこそ一切をお委せ申すようにと言いつけられておるのだ。」6-71「そしてまた、『必ず礼拝の務めを守り、神を懼れまつれ。汝らみな最後にはそのお傍に召し寄せられるのだぞ』とも言いつけられておるのだ」と。 6-72彼こそは真実をもって天と地とを創り給うたお方。ただ「なれ」とひと言仰しゃったその日、（天地は）出来上がった。6-73その御言葉は真理。（天上の）喇叭＜らっぱ＞が一吹き奏されるその日、一切の権能はその御手に帰す。不可視界、可視界ふたつながらに 6-74またイブラーヒームがその父アーザルにむかって、「偶像を本当の神とお考えになるのですか。まことに、私の見るところでは、お父上も、お父上の御一党も、みんな明らかに迷いの道を歩んでおいでです」と言った時のこと。6-75さらに我らは次のごとくイブラーヒームに天と地の王国を見せ、彼を確乎不動の信仰者に仕立ててやろうとした。 6-76すなわち、夜のとばりが彼の頭上にうち拡がった頃、彼は一つの星を見て、「これぞ我が主じゃ」と言った。だが、やがてそれが沈んでしまった時、「わしは姿を没するようなものは気にくわない」と言った。6-77それから、月が昇って来るのを見た時も、「これぞ我が主じゃ」と言った。だが、やがてそれも沈んでしまったので、「やれやれ、神様が手引きして下さらなかったら、あやうく迷いの道に行くところだった」と言った。6-78それから、太陽が昇って来るのを見て、「こんどこそ我が主じゃ。これが一番大きいから」と言った。だが、これもまた沈んでしまった時、彼は「これ、皆の衆、これでわしはお前たちの崇拝しているものとはきっぱり縁を切ったぞ。6-79今こそわしは、天と地を創造し給うたお方のほうにきっぱりと顔を向けた。今やわしは純正信仰の人、多神教徒の仲間ではない」と断言した。 6-80それを聞いて彼の一党が文句を言い出すと、彼が言うことには、「これ、お前たちアッラーのことでわしに文句をつけるのか。こうしてわしを正しい道に導き給うた御神ではないか。お前たいが（アッラー）とならべて崇拝しているものどもなど、わしは怖くはない。なにか我が主に特別の思召しでもあるのならいざ知らず。我が主はありとあらゆるものをその知識の中に包合し給うお方、これ、お前たち、このことにまだ気付かぬのか。 6-81わしがどうしてお前たちの偶像どもを怖れることがある。現にお前たちにしたところで、（アッラーから）なんの権限も戴いてもいないのに、怖れ気もなくアッラーとならべてあのような偶像どもを崇拝しているのではないか。安心できるという点ではどちらの側にぶがあるものか、（お前たちにもわかるはず）いやしくも少しは物を心得た人間であるかぎりは。 6-82正しい信仰を抱き、かつその信仰を悪業で曇らせたことのない人々、それこそ一番安心できる人々。正しい道を歩む人々。」 6-83かかる議論を我らはその時イブラーヒームにさせて、彼の一党を打ち負かした。我らは誰でも気の向くままに（常人より）何段も高く引き上げてやる。まことにお前の主は賢くも全知におわします。 |
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