６（２）あああ ６（２）あああ
| 6-27ああお前に見せてやりたいもの、やがて彼らが火の前に立たされて、「ああなんぞしてもう一度（地上に）帰して貰えないものか。そうすれば俺たちも、神様のお徴を嘘よばわりなどせずに、立派な信者になって見せようものを」と言っているところを。6-28何の何の。今まで隠して来た（自分たちの本性）がとうとう自分の目の前にあばき出されたところではないか。たとい、もう一度帰らせて戴いたにしても、またまた禁を犯すだけのこと。まことに彼らこそ本当の嘘つきじゃ。6-29また「どうせこの現世の生命があるだけ。俺たちが（死んだ後で）また喚びおこされることなどあるもんか」などと言う者もある。 6-30ああお前に見せてやりたいもの、彼らが神様の面前に立たされて、「これが真実でないというのか」とお仰しゃると、「はは、恐れ入りました」とお答えする、そうすると「ならば、天罰を心ゆくまで味わうがよい、今まで信仰に背いて来た報いとして」と仰しゃる、その時の彼らの様を。6-31アッラーとの対面など嘘だと言って来た者どもは、いざそうなれば一大事。いよいよその時が突然にやって来ると、「さあこれは大変じゃ、ついうかうかとしておった」と騒ぎ立てる。背中には重い荷物を背負わされて。まことにひどい荷物を背負わされるものよ。6-32現世の生命、ほんの遊びごと。ただ束の間のたわむれにすぎぬ。終の住処の方が、神を畏れる人々にとっては、どれほど有難いことか。これ、汝ら、これくらいのことがわからないのか。 6-33我らにはすっかり分かっておるぞ、お前が彼らの言うことを聞いて悲しがっていることは。だがしかし、彼らはお前のことを嘘つきだと言っているのではない。あの悪人どもが否定しようとしているのはアッラーの神兆そのものなのじゃ。6-34お前より以前にも沢山の使徒が嘘つき呼ばわりされた。だが、いくら嘘つき呼ばわりされても、散々いためつけられても、みなよく辛抱し通して、ついに我らの救助を得た。アッラーの言葉を変えることのできる者はただの一人もありはせぬ。（以前に）遣わされた人たちの噂はお前の耳にも入っているはず。 6-35彼らが背を向けて行ってしまうのが、それほど悲しいのなら、では地下の抜け穴か、さもなければ天（に昇る）梯子でも作って、彼らのところへ神兆でも取って来るがいい、もしできるものなら。だがしかし、アッラーがひと度その気にさえなり給えば、彼らを一人のこらず正しい道に呼び集めることもいとやすい。されば、お前は決して馬鹿な気を起してはならぬぞ。6-36結局は聞く耳をもった人間だけがこちらの喚びかけに応えて来る。死んだ人々は、いずれアッラーが喚び起して、傍に還らせ給うであろう。 ---マホメットをなぐさめているようす。 6-37彼らはまた、「だがそれにしても、どうして彼には神兆が神様のところから下されないのか」などと言う。言うがいい、「アッラーはいくらでも神兆ぐらいお下しになれる。だが（たとい目前に神兆を示されたとて）彼らの大多数はそれに気がつかぬ」と。 ---コーランのいう神兆は自然の恵みの意味。だから、だれもそれが当たり前と思っている。しかし、思慮深い人は、それを当たり前とは思わず、神兆と思う。神兆とは神の豊かな恵みのことであればいいのだが。 6-38地を行くものでも、羽をひろげて飛ぶ鳥でも、みな汝らと同じようにそれぞれ集団をなしている。聖典の中で我らが言い残したものは一つもない。後日、みなお傍に喚び集められるであろう。6-39我らの示す神兆の数々を嘘よばわりするような者は、みな暗闇の中にいる盲と聾。アッラーは誰でも御心のままに迷わせ、また誰でも御心のままに正しい（信仰の）道に導き給う。 6-40言ってやるがよい、「さあ、どう思う。もし、いま、アッラーの罰がふりかかって来るとか、例の時がやって来るとかしたら、それでもお前たちアッラーならぬ（邪神）にお祈りするであろうか、もしお前たちの言っていることが本当だとすれば」と。6-41「とんでもない、きっとお前たちだってあちらにお祈りするにきまっている。そしてもし（アッラーが）、その気になり給えば、お前たちを（これほど熱心に）お祈りする気にさせたものを晴らして下さるかも知れない。そうなればお前たちも（アッラーのほかに）崇めていたものをすっかり忘れるということにもなるであろう。」 6-42お前（が生れる）以前にも、我らはさまざまな民族に（予言者を）遣わしたことがある。彼らをなんぞして心ひくい人間にしてやろうと思ってさまざまな不幸と禍難をふりかけて見た。6-43ああ本当に、せめて我らの 6-44かくて、彼らがせっかくの警告を忘れはてた時、我らは、まずあらゆる物の門扉を彼らに大きく開け放っておいて、素晴しい（幸福）を授かって大喜びしているところを不意に捉えてやった。すると、たしまち絶望に陥ちこんでしまった。6-45こうして、不義の徒はその最後の生き残りまできれいに切り落されてしまった。万有の主、アッラーに讃えあれ。 6-46言ってやるがよい、「これ、お前たちどう思う。いまアッラーがお前たちの聴力と視力を取り上げて、お前たちの心に封印を捺しておしまいになったなら、アッラー以外のどの神様がそれをお前たちに返してくれるか」と。見よ、我らはこれほどまでにして手をかえ品をかえして神兆を示そうとしておるものを、彼らはそれでもやはり背き去る。 6-47言ってやるがよい、「これ、お前たちどう思う。アッラーの懲罰がいま不意に、或いは公然とふりかかって来たとしたら、不義の徒ならぬ者が一人でも滅ぼされるようなことがあろうか」と。 6-48我らが次々に使徒を遣わすのは、ただ喜びの音信を伝えたり、警告を発したりさせるため。されば（それに触れて）信仰に入り、行いを正しくする者は、もう決して怖い目をみることもないし、悲しい目に遇うこともない。6-49だが、我らの下す神兆を嘘だと言いふらすような者ども、そういう者どもこそその邪悪の性の故にやがて天罰を加えられるであろうぞ。 |
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