５２．山 ５２．山
| これはユダヤ教徒とキリスト教徒が「敵」ではない頃のものであろう。じっとがまんして、朝な夕なに祈りをささげて、「アッラー」をPRする時期である。 |
| 慈悲ふかく慈愛あまねきアッラーの御名において・・・・ 52-1かの山にかけて。52-2解き拡げた羊皮紙に52-3書き記された啓典にかけて。52-4参詣の人ひきもきらぬ神殿にかけて。52-5高々と持ち上げられた天井にかけて。52-6群れ騒ぐ 52-7主の懲しめは必ず起る。52-8それを禦げるものはない。52-9大空がぐらぐらと大揺れに揺れ、52-10山々があちこち動き出す日、52-11その日こそ、（天啓を）嘘と見て、52-12（ ---これは比喩である。目的は、富者を攻撃して、その財産を根こそぎ奪うことである。それではただの強盗団になる。「偶像崇拝者」を唯一神が撃つという構図、だが、それだけではたりないので、「審判の日」を踏み絵としたのである。これによって、強盗団の掠奪行為が聖戦に置き換わるのである。以下の文章は、強盗団に加わった側の、社会的地位を説明して、犯罪者の意識を聖戦者の意識へと昇華させるためのものである。 52-17一方敬虔な信者たちは楽園と至福の中で、52-18神様から結構なもの戴いて心たのしく。神様が守っていて下さるから、地獄の責苦もよそに見る。52-19「さあ、思う存分お食べ、お飲み。これもみなお前たちのして来たことの報いにほかならぬ。」52-20ずらっと列になって ---非常に卑しい神様のご褒美である。 52-21自分が信者であっただけでなく、子孫代々その信仰を承け継いだ者は、我らの特別のはからいで、（天国では）子孫もみんな一緒になれる。彼らの功労はただの一つも取り上げたりはせぬ。誰もが間違いなく自分の継いだだけの（報酬を）頂戴できる。 52-22それどころか、こちらから果物は出す、肉は出す。欲しいものはなんでも授ける。52-23かたみにさしつさされつの盃のやりとりにも、（現世の酒飲みとは違って）馬鹿話一つするでなし乱暴狼藉するでなく、52-24お酌して廻るのは（貝殻の中に）そっとひそんだ真珠のような専属のお ---少年男娼のような響きがある。 52-25人々互いに近寄って行ってはあれやこれやと訊ね合う。52-26（例えば）こう言う者もある、「以前、わしらは家族の間にいても、いつも心配ばかりしておったものじゃが、52-27アッラーのお情を蒙って、どうやら熱風の罰だけは免れました。52-28これも以前、一心にお祈りしていたおかげ。まことに（アッラー）は恵みぶかい、情ぶかいお方におわします。」 ---このアッラーはイスラムでなくて何であろう。 52-29さ、みなを諭してやるがよい。汝は、神様のお恵みで、 52-33「どうせあの男の作り話さ」と言うのか。いや、いや、元来彼らには信仰心がないだけのこと。52-34それでは彼らも一つこれと同じようなお告げを作り出して見せるがいい。もし本気であのようなこと言っているのなら。52-35一体彼ら自身、無から創り出して戴いたのではないか。それとも、自分が創造主だとでも言うのか。52-36天や地を創り出したとでも言うのか。いや、いや、彼らにはなんの信仰もありはせぬ。 ---「彼らには信仰がない」これが攻撃対象を人ではなく豚にする。富者は、このように議論を吹っかけてくる相手の本性を知らない。 52-37それとも彼ら、神様のお宝を預っているとでも言うのか。自分が管理人にでもなったつもりか。52-38それとも特別の梯子でも持っていて、それで（天まで登って天上の御前会議の）模様を窃み聞きして来るのか。さ、それではその窃み聞きした者にはっきりした証拠を見せていただこう。 52-39なんたることか、彼ら、己れは息子（を自慢にして）いるくせに、（アッラー）には娘があると言うのか。52-40汝があまり報酬を要求するので、彼ら、借金の重みで沈みこんでしまった。とでも言うのか。52-41天地の秘儀が全部彼らにわかっていて、それを残らず書きつけているとでも言うのか。52-42それとも巧みに策をめぐらすつもりか。実は、策にかかっているのは信仰もない己自身とはつゆ知らずに。52-43それとも彼ら、アッラーのほかに神をもっているとでも言うのか。ああ勿体ない、恐れ多い、彼らの崇める（邪神ども）とは比較にならぬ高みにいますアッラーなのに。 52-44大空がばらばらに崩れて落ちて来るところを見ても、彼らは「あれ、随分雲が重なった」などと言うにすぎない。52-45ええ、あのような者どもは放っておけ。そのうち自然に定めの日が来て、霹靂の一撃に滅び去るまで。52-46いかに悪だくみしたとてなんの足しにもならぬその日。そうなったら誰が彼らを助けてくれるものか。 52-47いや、実は、ああいう悪者どものためには、それよりもっと前にも天罰が用意してある。だが、大抵の者は気付かない。52-48されば、汝はじっと辛抱して、主のお裁きを待っておれ。これこうして我らが汝を見守っておる。朝起きては主の栄光を讃え、52-49夜中にも讃え、星々の消え行く時にも讃えまつれ。 ---「大抵の者は気付かない」。格差社会に覚醒した者がここにいる。富者の財産を「強盗」行為ではなく、「聖戦」行為に変える手段が「アッラー」である。「富者の偶像信仰」対「唯一神信仰」という構図に着眼する。 |
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