５１．吹き散らす風 ５１．吹き散らす風
| 古い町の遺跡になぞらえて、イスラムに従わぬ今ある町もそのようになる。幾度となくこのフレーズが繰り返される。コーランが暗示するのは、近未来（７世紀）の、イスラム支配である。コーランを著した歴代俯瞰者の願望でもある。 |
| 慈悲ふかく慈愛あまねきアッラーの御名において・・・・ 51-1 ---警告とは、攻撃の予告に他ならない。イスラム形成の初期の頃は、さまざまのことが交錯する。宗教対立構想がうまくいくかどうかも定まらない状態が続く。偶像と唯一神の対立など、ばかばかしく思えて、最初は誰も気に掛けたりはしない。 51-8まことにお前たちの考えはまちまちだ。51-9だがもともと根性の曲った者が（道から）曲って行くだけのこと。51-10滅びてしまえ、嘘つきども、51-11深みにはまりこんで茫然として愚かもの。51-12「裁きの日とはいつのこと」と訊いている。51-13自分が火に炙られて責めつけられる日のことではないか。51-14「さ、この責苦をとくと味わうがよい。これこそお前らが早く早くと言っていたもの。」 51-15だが敬虔な連中だけは緑の園と泉の間で、51-16主の下さるものをなんでも戴き放題。以前散々善功を積んだ人たちばかり。51-17夜もろくろく眠らずに、51-18夜が明ければ（罪の）お赦しを請い、51-19物乞いや宿なしまでもその財産に与らせてやっていた人々。51-20確乎たる信仰もった人々にはこの地上にさまざまな神兆がある。51-21それからお前たち自身の中にも。お前たちこれが見えないのか。51-22また天にはお前たちの日々の糧と、お前たちに約束された（御褒美）が貯えてある。51-23天と地の主にかけて、これはみな真実。お前たちがもの言うごとくたしかなこと。 アブラハム、神の使い、サラ、ソドムの町 51-24イブラーヒームの尊いお客の話、もう汝に聞かせてやったかな。51-25（客人たちが）彼の家に入って来て、「平安あれ」と挨拶したら、彼は「平安あれ。ついぞ見かけぬ方々ですな」と言った、あの時の話。51-26彼はつと立って家族のところへ行き、肥えた仔牛を持って出て、51-27それを客人に供し、「召し上りませんか」と言ったもの。51-28そのうち彼はこの客人がなにかうす気味わるくなり、急に心配になって来た。すると彼らは「なにも怖がることはない」と言い、やがて彼に賢い男子が生まれるという喜びの知らせを伝えた。51-29その時、彼の妻が大声でわめきながらとび出して来て顔を打ち、「石女のこんな婆なのに」と言う。51-30すると彼らは、「これがお前の主の思召し。至賢、全知におわします」と言った。51-31それを見て彼が、「（神の）お使いとお見うけ申しましたが、さてなんの御用事か」と訊けば、51-32「我らは、さる罪ふかい民のところに遣わされたもの。51-33これから彼らに泥土の 51-38また、ムーサーも（立派な徴）。我らが彼にれっきとした権能を授けてフィルアウンのところに派遣した時のこと、51-39彼は、己が勢力を 51-41それからアードも。我らが彼らに生命とりの風を吹きつけたら、51-42それに吹かれたものは何一つ残らず、みなぼろぼろになってしまった。51-43それからサムードも。彼らに「暫くの間、勝手に浮かれておるがよい」との御言葉があった時のこと。51-44生意気にも主のお言いつけを軽んじたので、あれよと見ているままに落雷に撃たれてしまった。51-45腰をぬかして立つこともならず、それでも誰一人助け起してくれる者もなかった。 51-46それよりもさらに古くはヌーフの一族。あれはまことに道にはずれた徒輩であった。 51-47我ら、天はこれをがっしりと建てて、広々とうち拡げ、51-48地はこれを敷き伸ばした。よくぞかくも見事に敷き拡げたものよ。51-49また万物はいずれも 51-52彼らより以前の人々もみなこれと同じであった。使徒が来ると、必ず「妖術使か、さもなくばもの憑きだ」などと言ったもの。51-53一体この（やり口）を代々承け継いで来たというわけえか。いやいや、まことに不遜な者どもよ。51-54されば、汝、あのような者どもに構うことはない。決して叱られはせぬ。51-55ま、みなを諭してやることだ。お諭は信仰心の敦い人々には役にたつ。 51-56わしが 51-59今ああしてよからぬことをしている者どもは（かつての）同類が受けたと同じくらいの（天罰）を必ず受ける。なにもそう早く早くとわしをせき立てずともよい。51-60ああ罰当りどもこそ哀れなもの。いまに約束通りの日がきっとやって来る。 |
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