（３）ユダヤ列伝 （３）ユダヤ列伝
| モーセとアロンもどき 21-49我ら、ムーサーとハールーンには、 アブラハムもどき 21-52その昔、我らはイブラーヒームに正しい行きかたを授けた。あの男のことは我らもはじめからよく知っていた。21-53あれが父親とその一族に向って、「そうやって貴方がたが崇めたてまつっているその彫像は、一体なんです」と言った時のこと。21-54「わしらの御先祖様がたの崇めておられたものじゃ」と一同が答える。21-55「それでは、みなさん確かに道を踏み違えておられたのですよ。御先祖様たちも、貴方がた御自身も」と言う。21-56「これ、お前、本気でそんなこと言っているのか。それとも悪ふさげしているのか。」21-57「とんでもない。みなさんの本当の主は、天と地を統べ給うお方、それを始めてお創りになったお方なのです。私はそれの証人の一人です。 21-58誓って申します。みなさんが私に背を向けてあちらへ行ってしまったあとで、必ず私があの偶像どもに一泡ふかせて見せましょう」とそう言って、21-59彼は（邪神の彫像をことごとく）ばらばらに叩きこわしてしまった。但し、たった一つ、大物だけ残しておいた。これは、（あとで）みながこのもののところへやって来るように（わざと）そうしておいたのであった。21-60「我々の神様がたにこんなまねしたのは誰だ。まったくひどいことをする人もあるものだ」とみなが騒ぎ出せば、21-61「あの方々のことをあげつらう 21-63「これ、イブラーヒーム、お前か、我々の神様がたにこんなまねしたのは」と一同が尋ねた。21-64「いえいえ、ほら、この大物のしわざです。あの連中にきいてごらんなさい、もし彼らに口がきけるものなら」と彼が言う。21-65そこで一同、額を集めて協議となり、「悪いのはこちら側だった」と言う。21-66（しかし反省したのもつかの間）、たちまちひっくりかえって。「この方々に口がきけないことはお前はじめから知っていたくせに。」 21-67「さ、そこです」と彼が言う、「それでは、みなさん、アッラーをよそにして、毒にも薬にもならないようなものを神と崇めていらっしゃるんですね。いやはや、なんとなさけないことか、アッラーをよそにして、あのようなものを崇めるとは。みなさん、わからないのですか。」21-68「あれを火炙りにしてしまえ。どうせやるなら、君たちの神々の方にお味方申せ」とみなが叫んだ。21-69そこで我らは、「これ、火よ、冷たくなれ。イブラーヒームに危害を加えるな」と命じたのであった。 ---ふうむ、なるほど。 ロトもどき（ソドムの街） 21-70彼らは彼に悪だくみをしたが、逆に我らが彼らに大損させてやった。21-71そして彼とルートとを救い出して、万民のために祝福の地ときめたところへ（連れて行って）やったのであった。 イサクとヤコブもどき 21-72我らは彼にイスハークを授け、なお、特別のおくりものとしてヤアクーブをも授けた。そして三人とも義しい人間に仕立ててやった。21-73さらに彼らをして、我らの命を奉じて（人々を）導く首領となした上、善行にはげみ、礼拝の務めを果し、こころよく喜捨を出すことをお告げによって彼らに命じた。彼らもまたよく我らに仕えた。 ロトもどき（ソドムの街） 21-74ルートには我ら叡智と知識とを授けた。 ノアもどき（箱舟） 21-76またヌーフも（同じこと）。これはさらに前のはなしになるが、あれが大声あげて（我ら）を喚んだ時のこと。我らは早速これに応じて、あれと、その一家を大災害から救ってやった。21-77我らの神兆を嘘呼ばわりする者どもにたいして、彼の味方をしてやった。いや、それにしても、あれはまことに邪悪な民であった。だから、ひとおもいに全部溺らせてしまった。 ダビデとソロモンもどき 21-78それからダーウドとスライマーンも。ある畑に他人の羊が入りこんで来て、夜中に草を喰ってしまった事件を二人が裁いたことがあった。彼らの判決には、いつも我らが立ち会っていた。 21-79だいいち、スライマーンにああいうことをわからせてやったのも我らであった。だが、どちらにも叡智と知識とを授けておいた。また、特にダーウドにあっては、我ら山々をも 21-80また彼には 21-81またスライマーンには、ぼうぼうと吹きすさぶ風を（頣使する術）を授ければ、（風は）彼の命のまにまに、我らの祝福した国に向って駆けり行く。我らは（この世に起る）一切のことを知っていた。 21-82それからシャイターンどもの中でも、彼のために海底に潜ったり、その他の仕事をする者があった。が、彼らの監督はみな我らの司るところであった。 21-83それからアィユーブのこと。あれが大声あげて、主を喚ばい、「これこの通り私は不幸に襲われております。汝は情ぶかい上にもなおお情ぶかい方でいらせられまるに」と申し立てた時のこと。21-84それで我らはその願いをききとどけ、身にふりかかっていた不幸を取り除いてやり、（なくした）家族を元にもどしてやったばかりか、元の二倍にも増してやった。これみな、我らじきじきの御慈悲であり、また同時に神仕えする人々一般に反省のよすがとして与えたものであった。 21-85それから、イスマーイールとイドリース、それにズー・ル・キフルのこと、これはそれぞれに辛抱強い人間であった。21-86それでみな我らが御慈悲の中に取り入れてやった。何しろ義しい人々であったから。 21-87それから、ズ・ン・ヌーン。あれが大いに腹をたてて出掛けて行き、いかに我らとて自分のことはどうにもできまいとは思いこみながらも、深い暗闇のさ中で大声あげ、「汝のほかに神は在りませぬ。ああ |
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