５．キリストの ５．キリストの
| １．キリストの母の キリストの母となる女性への御使ガブリエルの受胎告知はあまりに重く、過酷であって、並みの女性には耐えられません。ですから天使が、普通の女性に受胎告知するなどということはありません。 当時のユダヤでは、父の分からない妊娠は、死に価する罪であり、人々にさげすまれ、公衆の面前で、死ぬまで石を投げつけられる刑が待っています。哀れむことなく実行される掟、モーセの律法は、そのゆえに人々に罪の厳しさを教えたのです。 いいなずけのヨセフがマリヤさまを受け止めたので、マリヤさまとその子は殺されずにすみました。なぜヨセフはマリヤさまを受け入れたのか、それはいずれまた明らかになります。 |
| ２．「処女受胎」の同意、神への信頼心 アブラハムの妻サラは、およそあり得ないことを言う神の御使を笑いました。 「創世記」18章 18-11さてアブハムとサラは年がすすみ、老人となり、サラは女の月のものが、すでに止まっていた。18-12それでサラは心の中で笑って言った、「私は衰え、主人もまた老人であるのに、わたしに楽しみなどありえようか」。 しかし、少女のマリヤさまは笑いませんでした。彼女は、「男を知らないのに（性交していないのに）、どうして子を産むのでしょうか」、と不思議がります。そして、御使がわけを説明すると、彼女は「お言葉どおりこの身に成りますように」と処女受胎に同意しました。 「ルカによる福音書」1章 1-26六ヵ月目に、御使ガブリエルが、神からつかわされて、ナザレというガリラヤの町の一処女のもとにきた。1-27この処女はダビデ家の出であるヨセフという人のいいなづけになっていて、名をマリヤといった。1-28御使がマリヤのところにきて言った、「恵まれた女よ、おめでとう、主があなたと共におられます」。 しかし、マリヤさまは御使の言葉に圧伏されたわけではありませんでした。それは歓喜の感謝の言葉であったのです。そのわけはマリヤさまが「アロン家最後の姫さま」だからです。 |
| マリヤさまの出自 マリヤさまはアロン家最後の姫さま |
| ３．母の適正 その三十年後、イエスさまはマリヤさまの元を離れて、神の活動に入られます。ただその活動期間はその年の「過越の祭」までとします。イエスさまは十二人の直轄の弟子を持たれていましたが、そのうちの二人の弟子の母がとんでもないことをイエスさまに頼みました。 「マタイによる福音書」20章 20-20そのとき、ゼベダイの子らの母が、その子らと一緒にイエスのもとにきてひざまずき、何事かをお願いした。20-24十人の者はこれを聞いて、このふたりの兄弟たちのことで憤慨した。 ただし、マルコでは、お願いしたのは母親ではありません。 「マルコによる福音書」10章 10-35さて、ゼベダイの子のヤコブとヨハネとがイエスのもとにきて言った、「先生、わたしたちがお頼みすることは、なんでもかなえてくださるようにお願いします」。 ヤコブとヨハネの母は、イエスさまが王になられた時には息子たちを右大臣と左大臣にしてください、と頼んだのです。このような、世の常の女に、キリストの母は務まりません。また、子供が天才的な能力を示すと、母としてこれを世間に吹聴したくなるものです。しかし、もしマリヤさまがそのようなことをされたら、神のご計画は、そこで終わりでした。 |
| ４．神の時 キリストは、いつ、どこで、どんなふうに生まれるのか、確証のないまま、人の世に、はてしなく時がすぎていきました。それには、時が満ちて神の目にかなう一人の女の子が、この世に産みおとされねばなりませんでした。神の事業は創造であって、何一つ欠陥がないように、諸事が動いていくのです。 |
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