２．核実験 ２．核実験
| 「朝に命じてみよ」パールバック 原題：Ｃｏｍｍａｎｄ ｔｈｅ Ｍｏｒｎｉｎｇ 原作者：Pearl Sydenstricker Buck 日本語訳本名：「神の火を制御せよ」原爆をつくった人々 丸田浩 監修 小林政子 訳 径書房 |
| （P277） 「十秒前」。もはや人間にできることはない。作動は人間の手からロボットに移った。スティーブはマイクから離れた。空に一筋の光が走り、緑色の閃光が広がって風景が突然鉛色に染まった。二回目の火柱で砂漠と山々の上に再び鉛色の閃光が走った・・・。「三秒前！」。一瞬の暗闇の中、東の空が昇る太陽で輝くのを彼は見た。神々しいバラ色と金色に輝く光・・・。「二秒前」「一秒前」。その瞬間うしろを振り向き、目がつぶれるほどの光を発して空が破裂するのを見た。黒い影に見えた遠くの山々が閃光に照らし出されて浮き彫りのように光を放った。黄色、紫、エンジ、灰色、さまざまな色が風景の中に飛び散った。山々の 「あれを見ろ、あれを」誰かが叫んだ。塔の建つ地点から砂漠全体を覆い尽くすほどの巨大なきのこ雲が立ち昇っていた。雲は無数の色に染まりながら渦を巻き、煮えくり返り、激しくうねり、膨張しつつ上昇していた。ほかの雲という雲をすべて飲みこんで天空に昇って行った。誰もがしんと静まり返り、自分たちが解き放った怪物のようにうごめく雲の形に見入っていた。その魂がしだいに色あせて灰色になるまで声もなく食い入るように見つめた。やがてそれは風に吹き飛ばされてちりぢりになり地上にばらまかれた。 バートが声を発した。「塔が消えた」。スティーブが振り返ると、バートは望遠鏡をのぞいていた。「形跡もない」。スティーブは望遠鏡をひったくって十六キロ先の砂漠を探した。鉄塔は蒸発し、塔の下の砂漠は溶けて緑色のガラスの海のように太陽の光を反射していた。「やったぞ」バートは絶叫した。「やったぞ。我々は成功したんだ」。彼はスティーブの肩に腕を投げかけ、泣き笑いを始めた。「新しい神の世界だ」バートはすすり上げた。「新しい天と地・・・みんな、これは黙示だ！」「新しい時代には違いないが、果たしてそこは神が住む世界だろうか」スティーブは暗い気持で反問した。 |
| これがなんで、「新しい神の世界だ」だろう。キリスト者にいうことではない。キリスト者のすることではない。しかし、それは生まれてしまった。軍相手に、科学者の掘り出した金で。 |
| ゲーテ「ファウスト」第二部より メフィスト： 粗金が眠っている。だれがこれを掘り出すか、天分ある男のもって生まれた天性と知力によりますな。 宰相： 天性と知力とな！キリスト者にいうことではないぞ。危険な申しようだ、無神論者が火あぶりの刑にあうのも、つまりはそのせいだ。天性は罪、知力は悪魔、これがむつみ合って、懐疑という厄介な子が生まれる。ここでは許されんぞ。由緒あるこの国を聖職者と騎士集団の二本柱がお守りしている。嵐に立ち向かう代償として、教会と国土の所有を許された。いやしい心に反抗がきざして、背教者が生まれ、魔法使いがはびこってきた。 |
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| 2013/2/22 聖母マリヤ福音教会・「取説」担当 笹倉正義 2022/1/22 聖句引用：日本聖書協会 口語訳聖書 旧約聖書（１９５５年改訳） 新約聖書（１９５４年改訳） |
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