（３）関西 （３）関西
| １．父母がびっくり わたしは入院した。父母はびっくりして田舎からとんできた。そして相部屋の入院患者とたちまちお友だちになってしまった。二人とも誰ともすぐお友だちになるのだった。おかげで、相部屋の人たちとは、話ができるようになった。 ２．間に合った 最初の手術の時がきた。手術室で、手術台の上にねかされると、手術のすさまじさを想像してしまい、恐怖感におそわれて身がすくんだ。しかし、時が解決する、と思った。わたしはお祈りする神さまや仏さまを知らずにいた。ただ、いつも何かに「誘導」されているという感じがあるのだった。それが何かはわからなかった。わたしの「信仰」は、ただぼんやりとしたものだった。 部分麻酔（ますい）なので、手術の最中（さいちゅう）耳は聞こえた。「ひゃー」という医師の声が聞こえた。よっぽどひどい状態だったのだな、と思った。「よかった、もうちょっとのところで、廃人を免（まぬか）れたかも」と思って、決断したことを喜んだ。 ３．「奇跡」 部屋に戻って幾日かたつと、退屈（たいくつ）になってきた。なぜか高校の「物理Ｂ」のテキストを読んで、気晴らししようと考えた。これ一冊で一ヶ月はしのげると思っていたのだったが、なぜかその教科書がすらすら読めたのだった。問題も難なく解けた。巻末の「答え」と照合すると全部合っていた。人工衛星を投入する初速度の計算も問題なくできた。全部読むのに一週間は長すぎた。数日で一冊終わったのだった。 この「奇跡」は、二度目の手術後にどこかに行ってしまった。それでも、手術前よりはわりとましになったことは疑いようがなかった。記憶障害のようなものは、それ以上進行しない程度で、失った機能が回復することはないように思われた。 ４．捨てたものが戻った わたしは、自分の「決断」、鉄鋼短大留学と会社にとどまることを二の次に考えた、それが、廃人への一本道からそらせることになったことを心にとどめた。しかし、会社はそのどちらも問題にはしなかった。何事もなかったように職場復帰できたのだった。 近くの恵美須町の開業医院に通院を続けたら、最初は黄色い鼻汁が出ていたが、ついに透明になり、その量が減っていった。鼻汁を副鼻腔に戻さぬよう、手術後のケアが必要なのだった。 |
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2018/6/15 オリジナル教会 （初代代表） 笹倉正義
正式名称 （ささくら宗）聖母マリヤ福音教会
2018/6/17
聖句引用：日本聖書協会 口語訳聖書
新約聖書（１９５４年改訳）
旧約聖書（１９５５年改訳）