７（６）モーセ（２） ７（６）モーセ（２）
| 7-143この地上で、わけもなく慢心する者どもは、わしの神兆から遠ざけてしまうこととしようぞ。彼らは、どのような神兆を目のあたり見ても、もう信仰に入ることはあるまい。たとい正義の道を目のあたり見ても、それを道とは思わず、かえって迷いの道を見れば、それを道だと思うであろう。7-144それも、もとはといえば、彼らが我らの神兆を一々嘘よばわりして、あまりないがしろにしてきた報いにすぎぬ。」7-145我らの神兆を嘘よばわりして、来世での対面を否定するような人間は、何をしようと益はない。どうせ自分の所業によって報いを受けるだけではないか。 7-146さてムーサーの人民は、彼の留守中 7-149ところでムーサーは人民のところに帰って来て、怒り、悲しみ、「ああお前たちわしの留守に何という悪いことをしでかしてくれた。お前たち、自分の方から主の断罪を早めようとしたのか」と叫んだ。そして手にした板をお叩きつけ、兄の髪を摑んでぐっと身に引き寄せた。しかし相手は、「ああ、我が母の子、じつは人民どもがこのわしをあなどって、殺しそうにしたのだよ。わし（を罰して）あの憎い者どもにざまみろと言わせるようなことだけはしないでいくれ。わしを不義のやからの一人にしてしまわないでおくれ」と言った。 7-150（ムーサー）が言うことに、「主よ、どうか私とこの兄とをお赦し下さい。どうか我らを汝の御慈悲の中に納れ給え。汝は慈悲深い者の中でも一番慈悲深い方にましますゆえに」と。7-151まこと、あの仔牛を己が（神として）崇めた人々には、主の御怒りが下るであろうぞ。また現世においては屈辱が。嘘いつわりを造り出す者どもには、我らはそういう褒美を授けるであろう。7-152だが、悪事をはたらいても、その後で己が非を悔い、信仰に入る者は、まこと、主はお情深く罪を赦して下さるであろう。7-153さて、ムーサーは、怒りが静まると、また例の板を取り上げた。そこに記された言葉こそは、主を懼れ崇める人々にとって、有難い御導きであり、御慈悲であった。 ---その石の板には、このような唯一神エホバの言葉が刻まれていた。これを 「出エジプト記」 20-1神はこのすべての言葉を語って言われた。 20-2「わたしはあなたの神、主であって、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出した者である。 （１）20-3あなたはわたしのほかに、なにものをも神としてはならない。 （２）20-4あなたは自分のために、刻んだ像を造ってはならない。上は天にあるもの、下は地にあるもの、また地の下の水のなかにあるものの、どんな形をも造ってはならない。20-5それにひれ伏してはならない。それに仕えてはならない。あなたの神、主であるわたしは、ねたむ神であるから、わたしを憎むものには、父の罪を子に報いて、三、四代に及ぼし、20-6わたしを愛し、わたしの戒めを守るものには、恵みを施して、千代に至るであろう。 （３）20-7あなたは、あなたの神、主の名を、みだりに唱えてはならない。主は、み名をみだりに唱えるものを、罰しないでは置かないであろう。 （４）20-8安息日を覚えて、これを聖とせよ。20-9六日のあいだ働いてあなたのすべてのわざをせよ。20-10七日目はあなたの神、主の安息であるから、なんのわざをもしてはならない。あなたもあなたのむすこ、娘、しもべ、はしため、家畜、またあなたの門のうちにいる他国の人もそうである。20-11主は六日のうちに、天と地と海と、その中のすべてのものを造って、七日目に休まれたからである。それで主は安息日を祝福して聖とされた。 （５）20-12あなたの父と母を敬え。これは、あなたの神、主が賜る地で、あなたが長く生きるためである。 （６）20-13あなたは殺してはならない。 （７）20-14あなたは姦淫してはならない。 （８）20-15あなたは盗んではならない。 （９）20-16あなたは隣人について、偽証してはならない。 （１０）20-17あなたは隣人の家をむさぼってはならない。隣人の妻、しもべ、はしため、牛、ろば、またすべて隣人のものをむさぼってはならない」。 20-18民は皆、かみなりと、いなずまと、ラッパの音と、山の煙っているのとを見た。民は恐れおののき、遠く離れて立った。20-19彼らはモーセに言った、「あなたがわたしたちに語ってください。わたしたちは聞き従います。神がわたしたちに語られぬようにしてください。それでなければ、わたしたちは死ぬでしょう」。20-20モーセは民に言った、「恐れてはならない。神はあなたがたを試みるため、またその恐れをあなたがたの目の前において、あなたがたが罪を犯さないようにするために臨まれたのである」。20-21そこで、民は遠く離れて立ったが、モーセは神のおられる濃い雲に近づいて行った。 7-154そしてムーサーは我らとの会見のために人々のうちから七十人選び出した。やがて地震が襲ってきた時、彼は言った、「主よ、もし御心ならば、この者どもと私とを今より以前に絶滅することもおできになったはずでございます。我らの中のあの愚な者どもの所業の故に我らまで滅ぼしておしまいになるのですか。いえ、いえ、これはきっと私たちを試みていらっしゃるのでございましょう。そして御心のままに或る者は迷いの道へ、また御心のままに或る者は正しい道へとお分けになるおつもりなのでございましょう。汝こそ私どもの守護神でいらせられるお方、なにとぞ私どもを赦して下さりませ、私どもに御慈悲を垂れて下さりませ。世に汝ほどよく赦して下さるお方はございません。 7-155なにとぞ私どもをこの世で幸福にあずからせて下さいませ、それから無論あの世でも。これこの通り私ども御前に帰って参りました」と。すると（アッラー）の仰せられるよう、「わしの罰は、わが心のままに誰にでも下る。わしの慈悲は宏大で一切のものにおよぶ。神を懼れ、喜捨をよく出し、およそ我らの神兆を信仰する者どもには、特にそれを授けることとしよう。7-156すなわち、民衆出の予言者に順う者たちには。この者のことは、みながもっている律法や福音の書にも書いてあるから見ればすぐわかる。人々に正しい行を勧め、不義をやめさせ、よい物はなんでも許し、悪い物は禁断とし、みなの背負った重荷や 7-157言うがよい「これ、人間どもよ、まこと、このわしはお前たちすべての者のためにアッラーから遣わされて来た者であるぞ。7-158（アッラーは）天と地を統べ給うお方。そのほかには神はない。生も死もともに司り給う御神じゃ。さ、お前たち、アッラーをお信じ申せ。またアッラーとその御言葉を信ずるこの民衆出の予言者を信じて、そのあとに従って行け。そうすれば、きっと正しい道に連れて行って貰えるであろう。」 7-159ムーサーの民の中にも、真理をもって（ひとを）導き、また自らもそれによって義しく身を持している一派がある。7-160ともかく我らは彼らを十二の支族、すなわち宗団に分けた。そして彼らが渇を訴えた時、我らはムーサーの心に囁いて、「汝の杖をもってこの岩を撃て」と教えた。すると忽ちその（岩）から十二の泉が湧き出して、誰もが自分の水飲み場を得た。また我らは彼らの頭上を一面に黒雲で翳らせ、天からマナと |
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