６（９）上下の段階 ６（９）上下の段階
| 6-155それから我らはムーサーに聖典を授けた。これは善行をなす者のための完全無欠な（聖典）であり、あらゆることを説き明かすもの、正しい導き、御慈悲であった。神様との対面を人々が信ずるようになるかもしれぬとて（授けた）もの。6-156またこれは、特に我らが啓示した有難い啓典であるぞ。さ、その（教え）に従うのじゃ。神を懼れまつれ。さすれば必ず汝らも御慈悲を戴けるようになる。 6-157「聖典というものは、わしらより前にただ二つの宗派に下されたただけだが、わしらは、実のところ、どちらの読んでいるものにも無関心であった」などということにならぬように。6-158また「もしもわしらに聖典が下されておったなら、きっと彼らよりもっと立派な信徒にもなれただろうに」などということにならぬように。現にこうして汝らのところへも、神様のお手もとから明白な 6-159何たることか、彼らは、天使が自分のところへ現われるとか、主が御自身で出ておいでになるとか、または何か或る（特別の）神兆でも起らなくては承知できないとでも言うのか。だが主のそのような神兆が本当に起るその日には、それまで信じてもいなかったのに、信じて善行を積んだわけでもないのに、あわてて信仰して見たところでなんの役に立つものか。言ってやるがよい、「まあ、待っておれ、我々の方でも待っているから」。 6-160己が宗教を分裂させて、派閥をなした人々、あのような徒とお前は何のかかわりもありはせぬ。彼らのことは一切アッラーにおまかせしておけ。いまに彼らの（現世で）して来たことがどのようなものかを、（アッラー）御自ら詳しく彼らに話しておきかせになるであろう。 6-161誰でも善行を一つ持って（アッラーの御前に）来れば、それと同じようなものを十倍にして返して戴けるが、よからぬ行いを持って来れば、それと同じような（いやな）ものを御褒美に戴くだけ。当然の報いしか受けることはない。6-162言ってやるがよい、「わしは、神様がまっすぐな道に導いて下さった。（その道こそは）正しい宗教、イブラーヒームの信仰だ。彼は純正な信仰の人だった、偶像崇拝者のたぐいではなかった」と。 6-163言ってやるがよい、「我が祈りも、我が勤行も、我が生も、我が死も、すべては挙げて万有の主、アッラーに属す。彼とならんで他の神はない。わしはこのように申しつけられておる。わしは敬虔な信仰者の中の筆頭だ」と。 6-164言ってやるがよい、「このわしがアッラーをさしおいて他に主を求めてどうしよう、（アッラーこそ）ありとあらゆるものの主であらせられるのに」と。誰でも自分の稼ぐだけのものが自分の勘定につくだけのこと、いくら荷物を背負わされたところで、他人の荷物まで背負わされることはない。やがて汝らみな神様のお傍に召し還されて、（現世で）言い争いしていた問題の（帰結）をきかせて戴くことになるであろうよ。 イスラム階級の承認 6-165汝らを立てて地上における（神の）代理者となし、また汝らの間にいくつも上下の段階をおつけになったのは、ほかならぬ（アッラー）御自身。こうして汝らに（恩寵を）授け、それで汝らを試み給う。まことに主は、懲罰の御手も早いが、しかしまた、大変に赦すことのお好きな、お情深い方でもあらせられる。 |
| 第６章「食卓」 （完） |
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