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| ---アラビヤの唯一神アラーが、西方から伝わったイエス・キリストを、その無知をもって解釈したマルヤムの子イーサーに向かって話しかけている。これを聞かせる相手はもっと無知なイスラム兵である。神の子イエスの教会を攻撃するためには、聖母子に泥をかぶせるほかない。論理的な攻撃はできないので、アッラーさえも下品な魔王に格下げしている。このアッラーに天使創造の威厳は微塵もない。 5-109時にアッラーの仰せられるには、「これマルヤムの子イーサー、汝と汝の母に与えた我が恩恵を憶い起すがよい。わしは神聖な息吹きをもって汝を助け、 ---ユダヤの聖母子の様子は、「ルカによる福音書」に書かれている。これは聖母にしか分からないことであり、記者ルカが直接聖母から聞いたのでなければ、作り話になってしまう。この福音書の成立は西暦８０年以降とされるがそれは原書にいろいろ付け足された後のことである。それにしても、十字架から４５年ぐらいしかたっていない。アラビヤの記者は、十字架から６００年ぐらい後の人物であり、キリスト教を貶める目的で、作り話を書いたのである。イエス・キリストの名による天の父を冒涜することで、かえってイスラム教を貶めている。天に向かって吐いた唾が、まさにその顔を直撃している。 この福音書の記述を見ないか。エルサレム神殿を詣でた帰路、イエスが迷子になったことにヨセフとマリヤは気づいた。二人は来た道を引き返し、１２歳のイエスを捜し求めた。そして、精魂尽きて、神殿にたどりついた時に驚くべき光景を目にした。また、おもわずイエスを叱ったマリヤに、イエスは驚くべき返事をした。マリヤもヨセフもイエスに出生の秘密は話したことはなかったからである。親族も村人たちもみな、イエスはヨセフの子に違いなかった。 「ルカによる福音書」 2-47聞く人々はみな、イエスの賢さやその答えに驚嘆していた。2-48両親はこれを見て驚き、そして母が彼に言った、「どうしてこんな事をしてくれたのです。ごらんなさい、おとう様もわたしも心配して、あなたを捜していたのです」。2-49するとイエスは言われた、「どうしてお捜しになったのですか。わたしが自分の父の家にいるはずのことを、ご存じなかったのですか」。 5-111また（憶い起すがよい）、いつかわしが使徒たちに啓示を与えて、「お前たち、わしと、このわしの遣わした者とを信仰せよ」と言ったら、「信仰いたします。なにとぞ私どもが真の信者であることをお認証下さいませ」と答えた時のことを。5-112さてその弟子たちが言うことには、「マルヤムの子イーサー様、貴方の主は私たちに天から食卓を下すことがおできになるでしょうか」と。彼は「アッラーを懼れまつれ、もしお前たち本当の信者であるならば」と答える。5-113彼らが言うに、「私たち実際に（そういう有難い食卓から）食べて見たら、気持もすっかり落ちついて、貴方の仰しゃったことが本当だったということもわかって、立派な証人になることができようと思いまして」と。 「最後の晩餐」と「ユダの裏切り」 5-114マルヤムの子イーサーは言った、「おお神よ、我らが主よ、我らの上に天から食卓を下して、我らのために、我らの最初の者にも、最後の者にも、饗宴を設け、かつはまた汝よりの神兆たらしめ給え。なにとぞ我らに食を与え給え。まことに汝こそはきよなき養い主におわします。」 5-115するとアッラーの答え給うには、「それではこれからその（食卓）を汝らに下そう。そのかわり、後になって、もし汝らのうち誰か信仰を裏切る者があれば、よいか、わしは必ずその者に、世界中の他の何者にも加えることのないような罰を与えようぞ」と。 5-116それからまたアッラーがこうたずね給うた時のこと。「これ、マルヤムの子イーサー、汝みなに『アッラーではなく、このわしとわしの母親とを神として崇めよ』などと言ったのか」と。（イーサー）がお答え申すには「ああ何んというもったいないことを。わたしがなんでそのようないいかげんなことを申しましょう。もし私が本当にそのようなことを口にしたことがあるとすれば、汝はすでに御存知のはず。汝の御心の内は私にはわかりませぬが、汝は私の心の内を全部御存知でいらっしゃいます。まことに、まことに、汝こそ隠れたことを何から何まで御存知の方でございます。 5-117私はただ貴方が御命じになったことをみなの者に申し伝えて『我が主にしてまた汝らの主なるアッラーを崇めまつれ』と言っただけでございます。彼らの間に留まっているあいだ中、私は彼らにたいして（正しい信仰のための）証人の役をつとめました。しかし汝が私をお傍にお召しになってから後は、汝が御自分で彼らを監督なさることになったのでございます。汝こそ一切のものの証人でございます。5-118彼らを処罰なさいましても、それはもとより汝の奴隷たる彼らのこと。またもし赦しておやりになりましても、それはもう偉大で賢明な汝のことでござりますれば・・・・」 5-119そこでアッラーはこう仰せられた、「これぞ正しい人間がその正しさの故に得をする日。彼らには ---このコーランの描く唯一神アッラーは、天地創造の主ではなく、ディズニーランドの魔王というイメージでしかない。「さあさ、いらはい、いらはい」のアトラクション興行ライターである。 主がどうして塵に等しい人間に気をとめられるだろうか。人間が、その信仰のレベルに応じて、創造主なる主を認識するのである。 アラビヤでは、（西暦７０年に滅んだ土着のユダヤ人ではなく）離散したユダヤ人が、いい加減なキリスト教の本を売っていた可能性がある。エジプト（クプト）語で書かれた「ピリポの福音書」とか、でたらめな福音書も、大衆読み物として売られていたのであろう。アラビヤのコーラン記者は、アラビヤの商人が売るいい加減な福音書や、聖母子の物語を読んだり聞いたりしたことは、充分考えられる。それを、キリスト教攻撃の材料として、脚色したものである。この箇所を読む者は、それがキリスト教そのものではなくて、このアラビヤ人の思考思慮の浅はかさを思わなくてはならない。アラビヤ語が他言語に翻訳される時代が到来すれば、大恥を書くことになる。 5-120天も地も、またそこにある一切のものも、すべては挙げてアッラーに属す。（アッラー）は一切にわたる権能をもち給う。 ---この記者にそう言われても、アッラー神の権威は高まらない。記者にそれを言う資格がないからである。記者の権威の後ろ盾は、何か。それは記者自身の持つ、他国を侵略する野望ではないのか。 |
| ５章「食卓」 完 |
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