３３（１） ３３（１）
| 慈悲ふかく慈愛あまねきアッラーの御名において・・・・ 33-1ああこれ、預言者よ、アッラーを懼れまつれ。信仰なき者ども、 33-4アッラーは人間の体の中に二つ心臓をお入れにならなかった。またお前らが離縁する妻が本当にお前らの母親になるわけではなし、養子が本当の息子になるわけでもない。これは、ただお前たち勝手に口先でそう言っているだけのこと。だがアッラーのお言葉は真理であって、それで（お前らに）正しい道を 33-5養子というものはその本当の父親の名で呼んでやるがよい。その方が、アッラーの御目から見てずっと道にかなっておる。もしその子の父がわからない場合には、むしろ自分の信仰上の同胞、自分の身内、ということにするがよい。お前たち（それと知らずに） ---「アッラー」と「我ら」は変数名である。値として、「イスラム」または「創造主」が使い分けて用いられてる。 33-6信者にとっては、預言者の方が自分自身よりもっと近しいはず。彼の妻たちはいずれも彼らの母親も同然。それから、もともと血縁関係でつながる者同士は、アッラーの御規定によると信者と遷行者の関係よりも近しいはず。とは言え、やはりお前たち自分の味方には親切にしなければいかん。これは啓典の中に規定されている。 ---アッラーは、ユダヤ教の民族神エホバでもなく、キリスト教の普遍的な「父なる神」でもなく、血縁の氏神であることがわかる。宗教としての成熟度は最も未熟で、初歩的なものである。しかし、当時の格差社会に覚醒し、富者の富を簒奪する手段として、「偶像」と「唯一神」の対立に目をつけたのはさすがである。貧者から富者にケンカをふっかける手段として、これほど見事なものは、歴史上類が無い。 33-7我ら預言者たちから、すなわち汝から、ヌーフから、イブラーヒーム、ムーサー、マルヤムの子イーサーから、契約を取るに際しては、がっしりとした契約を取っておいた。33-8これはもともとこれらの至誠の人がどれほど至誠であるかお調べになるのが目的。だが勿論、信仰なきやからには痛い苦しい罰を用意し給うた。 33-9これ、お前たち信徒の者、アッラーの授け給うたお恵みを憶い起すがよい、お前たちのところへ大軍が攻め寄せて来た時のこと、あの時我ら彼らに向って大風を吹き起し、お前たちにも見えない軍勢を送ったではないか。アッラーはお前たちのしていること全部見透し給う。33-10あの時、敵はお前たちの頭上からも、また足下からも攻め寄せて来て、お前たち目はかすむ、心臓は喉もとまで上って来る、ああだこうだとアッラーについて下らぬこと考え出す。33-11いや、まことにあの時こそ、信者はみな 33-13それから、また、「これ、ヤスリブの衆、これは到底頑張り通せるものではない。逃げ帰った方がいいぞ」と言い出す者があるかと思えば、また預言者に家へ帰る許可を求め、「実はわしらの家がむき出しなもので」と申し出る者もあった。なにがむき出しなものか。ただ逃げたかっただけのこと。33-14あれでもし（敵軍が）四方から強引に侵入して来て、その上で叛逆を要求されたら、彼らは平気でやってのけ、殆どなんの躊躇もしなかったことであろう。33-15そのくせ、決してうしろは見せませんと前々から固くアッラーに契約しておったのだ。アッラーとの契約については、いまに必ず訊問されようぞ。 33-16言ってやるがよい、「逃げ出したとてなんの役に立つものか。お前たち、死ぬのがいや、殺されるのがいやで逃げおおせたとしても、どうせほんの僅かのあいだ楽しめるだけのこと」と。33-17言ってやるがよい、「アッラーがお前たちに何か 33-18お前たちの中で他人の邪魔だてする者や、自分の味方に「さあさあ、わしらの方へおいで」などと言うばかりで、自分は一向に戦闘の現場には出て行こうとしない連中はすぐアッラーに知れてしまう。33-19すなわちお前たちのために骨折るのが惜しい人々のこと。そういう者にかぎって本当に恐ろしい目に遇おうものなら、まあ見るがよい、まるで臨終ですうっと気が遠くなった人間のように目玉をぐるぐる廻してこちらを見つめる。ところが一旦恐怖が去ったとなれば、今度は忽ち研ぎすました刃のような舌先をふるってこちらに喰ってかかり、少しでもたくさんうまいものにありつこうとする。こんな者どもはどうせ初めから信仰なぞしていなかった。さればアッラーのおはからいで彼らの仕業は全部無駄になってしまう。それくらいのことアッラーにはわけはない。 ---分捕り物の分配のことを言っている。 |
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