２８（１）モーセ（１／３） ２８（１）モーセ（１／３）
| 慈悲ふかく慈愛あまねきアッラーの御名において・・・・ 28-1ター・スィーン・ミーム。これはまぎれもない天啓の書の 28-3さてフィルアウンは、かの国にあって専横はなはだしく、住民を多くの派に分ち、中でも一派を特にいためつけ、その女だけ生かしておいて息子たちはみな殺しという有様。まことに悪逆の限りをつくしていた。 28-4時に我らこの地にあって 28-6かくて我らムーサーの母に啓示を下して、「この子に乳をのませて育てるがあよい。もしこの子の身に危険が迫ったら、大河に投げ入れよ。決して気遣ったり悲しんだりすることはない。我らがお前の手元に連れ戻し、立派な使徒に仕立て上げてやるであろう」と告げた。 28-7果たしてフィルアウン一家が彼を拾い上げたが、これが（ 28-8時にフィルアウンの 彼らは、なにも知らなかった。28-9だがムーサーの母御の胸の内は急に空虚になった。我らがその心を元気づけて、なんとか信仰を保たせてやったからよいようなものの、すんでに真相をあかしてしまうところであった。28-10そこで彼の姉に、「あの子の跡を尋ねておくれ」と言う。（ミリヤム）は遠くから彼を見つけたが、みなはそれと気づかなかった。28-11さて我ら前もって彼が一切乳母の乳は飲まぬよう取りはからっておいた。彼女は（そしらぬ顔で）、「みなさんに替ってこの子を養い、この子の面倒を一切見てくれる一家がございます、お教えしましょうか」と申し出た。28-12こうして我らは彼を母御のもとへ帰してやった。これで彼女も一安心、あまり悲しまずにすむというもの。それに、アッラーの御約束が本当だということもわからせてやりたかった。だが、無論、これは大抵の者にはわかりはせぬ。 ---モーセは乳離れした時にパロの娘に返されて、王族として育っていなければならない。帝王学、軍事、政治の現場を経験していなければならない。さもなくば、神の加護のうちに、用意周到な準備をし、奴隷集団を率いることはできない。 （出エジプト記） 2-5ときにパロの娘が身を洗おうと、川に降りてきた。侍女たちは川べを歩いていたが、彼女は、葦の中にかごのあるのを見て、つかえめをやり、それを取ってこさせ、2-6あけて見ると子供がいた。見よ、幼な子は泣いていた。彼女はかわいそうに思って言った、「これはヘブルびとの子供です」。2-7そのとき幼な子の姉はパロの娘に言った、「わたしが行ってヘブルの女のうちから、あなたのために、この子に乳を飲ませるうばを呼んでまいりましょうか」。2-8パロの娘が「行ってきてください」と言うと、少女は行ってその子の母を呼んできた。2-9パロの娘は彼女に言った、「この子を連れて行って、わたしに代り、乳を飲ませてください。わたしはその報酬をさしあげます」。女はその子を引き取って、これに乳を与えた。 2-10その子が成長したので、彼女はこれをパロの娘のところに連れて行った。そして彼はその子となった。彼女はその名をモーセと名づけて言った、「水の中からわたしが引き出したからです」。2-11モーセが成長して後、ある日のこと、同胞の所に出て行って、その激しい労役を見た。彼はひとりのエジプトびとが、同胞のひとりであるヘブルびとを打つのを見たので、2-12左右を見まわし、人のいないのを見て、そのエジプトびとを打ち殺し、これを砂の中に隠した。 28-13さて、彼が成年に達し、立派な若者になったのを機会に、特別の叡智と知識とを授け与えた。善いことをする人間には我らはこういう報酬を出す。 28-14或る時、住民がうっかりしている隙に、彼は都にはいり込んだ。すると、そこで二人の男が喧嘩しているのに出遭った。一人は彼と同じ派の者で、もう一人は敵側の者。その彼と同じ派の方の者が彼に助けを求め、敵側の者を負かしてくれと頼んだので、ムーサーは相手をしたたか殴りつけ、息の根を止めてしまった。 「このようなことになったはシャイターンの仕業に違いない。まったくあれは（人を）まどわす悪い奴だ」と彼は言った。28-15そして更に言葉を継ぎ、「主よ、私とんでもないことしでかしてしまいました。どうか、お赦し下さい」と言った。それで（アッラー）もお赦しなされた。まことに気のおやさしい、情ぶかいお方だから。 28-16「主よ、かくばかりのお情をおかけ戴きましたかわり、私、今後は絶対に悪事をなす者どもの味方などいたしませぬ」と彼は言うのだった。28-17さて翌朝のこと、彼は心中ひそかに恐れを抱きつつ、四方八方に警戒の目をくばりつつ、都にいたが、ふと見れば、昨日彼に助けを求めた男がまたまた 28-18だが、その相手というのは彼ら二人の（共通の）敵、彼がその男にあわや暴力ふるおうとした時、相手が言うことに、「これムーサー、お前昨日一人殺したばかりで、今またわしを殺すつもりか。お前はただやたらにこの国で乱暴狼藉はたらきたいだけなのだな。公正な振舞する人間にはなりたくないのだな」と。 28-19折しも一人の男、都の一番向うの端から駆けて来て、「おい、ムーサー、大変だ。長老たちがお前を殺そうと相談しているぞ。早く（都の）外へ遁げろ。わしは心からお前に忠告する」と言う。28-20そこで心中ひそかに恐れを抱きつつ、四方八方に警戒の目をくばりつつ、彼は（都を）出て行った。「主よ、この悪逆の民から私を救い給え」と言いながら。 |
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