（２）嘘呼ばわり （２）嘘呼ばわり
| ノアの箱舟もどき 23-23また我らヌーフをその民に遣わした。「これ、皆の衆、アッラーにお仕えなされ。ほかに貴方がたの神はないのですぞ。恐れ多いとは思わないのですか」と彼が言うと、23-24民の中でも信仰のない長老たちが、「なんだ、これは、みんなと同じ只の人間ではないか。きっとお前たちに幅をきかせたいのであろう。もし本当にアッラーの御意志なら、（只の人間ではなくて）天使をお遣わしになるだろうさ。このようなことは遠い昔の御先祖様の間でも例がない。23-25この男、只の憑きものした人間に相違ない。ま、もう少しこのままにしておいて見るがよい」などと言う。 23-26「主よ、みなが私を嘘つきだと申します。どうかお助け下さいませ」と彼が言った。23-27そこで我ら彼にお告げを与えて、「我らの目の前で、我らの教える通りに箱舟を作るがよい。そしていよいよ我らの断が下され、（天の）大釜が煮こぼれたら、23-28あらゆる（生き）ものを一番ずつと、それからお前の家族を積み込むのじゃ。ただし前もって（我ら）の断が下されておる者だけは（乗せては）ならぬ。悪事をはたらいた者どものことでわしにとやかく文句をつけてはならぬ。あの者どもは、結局溺死することに決まっておるのだから。23-29そこで、いよいよお前と一行の者が舟の中に坐りこんだら、『讃えあれ、アッラー、我らを悪人どもの手より救い給うた』と唱え、23-30また、『主よ、どうぞ私を目出度い舟着に着かせて下さいませ。まことに汝ほどよい舟着させて下さる方はござりませぬ』と言えよ」と命じたのであった。23-31考えて見れば、これは立派な神兆ではないか。こうして我らは（人間を）絶えず試練にかけている。 23-32それから、彼らのあとで、我らはまた新しい代の人々を作り出し、23-33彼らの間に、同じ血を分けた者を一人使徒として遣わした。「アッラーに仕えなされ。ほかに貴方がたの神はないのです。恐れ多いとは思わないのですか」と言って。 来世のこと 23-34するとその民の長老で、つね日頃から信仰を馬鹿にして、来世での対面を嘘呼ばわりし、それでも現世では我らのはからいで大いに羽振りのよかった者どもが「なんだ、これは、みんなと同じ只の人間ではないか。みんなの食うものを食い、23-35みんなの飲むものを飲む只の人間だ。23-36お前たち、自分と同じ人間の言うなりになったりすると、それこそ大変な損するぞ。23-37お前たちが死んで、塵と骨になってしまってから、また必ず引き出される時が来るんだと。23-38くだらない、ばかばかしい。なんという預言だ。23-39なあに、この現世の生命しかありはしない。生きて死ぬ、ただそれだけ。（死んでから）喚び出されることなどあるものか。23-40どうせこの男、アッラーがどうのこうの、いいかげんに造りばなしをしているだけのこと。絶対に信じたりできぬ」と言う。 23-41そこで彼が、「主よ、みなが私を嘘つきだと申します。どうかお助け下さいませ」とお言うと、23-42「もう暫くすると、彼ら必ず後悔するであろうぞ」の仰せであったが、23-43果たして恐ろしい叫喚が湧き起り、彼ら、激流にただよう 23-45どの民族も定めの期限を早めることもまた後らすこともないようにして。23-46そうしておいて、順次一人ずつ使徒を遣わした。ところがどの民族も使徒が来ると必ずそれを嘘つき呼ばわりする。だから我らは彼らを次から次とあと追わせ、みんな昔語りにしてしまった。ええ、信仰せぬやから、滅び去れ。 モーセとアロンもどき 23-47それから我らはムーサーとその兄ハールーンに数々の我らの |
| 次へ |
 |
 |