（５）知らぬ顔 （５）知らぬ顔
| 21-95我らが一たび滅ぼしてしまった 21-96すなわち、ヤージュージュとマージュージュが解き放たれて、崖という崖からなだれを打って下りて来る、その時までは。21-97そして絶対に破られることのないあの約束が近づいて来る。さあ、そうなったら、信仰なき者ども、恐ろしさに目を据えることであろう。「ああ、情ない。このようなことになろうとはついぞ気がつかなかった。いや、まことに我々が悪かった。」21-98「お前たちも、それからお前たちの崇めていた（邪神ども）も、ジャハンナムの恰好な焚ぐさ。さあ、はいって行け。」21-99もしあれが本当に神だったら、まさか（地獄に）落ちたりはしなかったであろうに。だが、みんなそこに入りこんだまま、いつまでも出てこられない（のはどうしたことだ。）21-100あそこで悲しい溜息ついておる。だが、あそこでは、何ひとつ聞えはせぬ。 21-101しかし我らから前もって結構な褒美を授かっている人たちだけは、あそこから遠いところに置いていただく。21-102そのかすかな物音すら聞こえはせぬ。自分たちが恋いこがれていたところに常とわまでも住める身となる。21-103最大の恐怖に責めさいなまれることもなく、天使たちの出迎いを受ける、「今日こそは、汝らがかねがね約束されていたかの日」と。 21-104まるで書きものの巻物をくるくる巻くように、我らが大空を巻き上げる日。最初の創造のとき、無から創り出したと同じように、またもう一度繰り返す。これは我らが自分にきめた約束だ。すると言ったら必ずするぞ。21-105現に、詩篇の中にも、お諭のあとでこう書いておいた、「まこと、この大地は、わしの義しい僕らに継がせてやろうぞ」と。 21-106まことにこれは、神仕えする人たちにとって有難い御託宣。21-107我らが汝を遣わしたは、ただ万民にたいする慈悲心からでたこと。21-108言うがよい、「わしはただ、汝らの神は唯一なる神、とだけお告げを戴いておる。さ、これでお前たち帰依したてまつるか」と。 21-109それで、もし彼らがうしろ向いて知らぬ顔するなら、こう言ってやるがよい、「わしは、ともかくお前たちみんなに、わけへだてなく 21-111（本当のことは）わしは知らないが、もしかしたらこれも何かお前たちへの試練で、要するにごく当座だけの楽しみなのかもしれないぞ。」21-112彼はこう言った、「主よ、真理をもって裁き給え。我らの主はお情ぶかい御神。お前たちの言う（悪口）にたいして、ひたすらそのお助けをお願いすべき（唯一の）御神」と。 |
| 第２１章「預言者」（完） |
 |
 |