１２（２）王の夢解き １２（２）王の夢解き
| 12-29「ユースフ、お前このことは誰にも喋らないでおいてくれ。それからお前は自分の罪の赦しを請うのじゃ。ほんとうに、お前は罪深い奴だぞ」と。12-30都の女たちは噂して、「殿様の奥方がお小姓を誘惑したんだって。惚れこんで、すっかりぽーっとなってしまったんだとさ。まあ、ひどく迷ったもんだねえ」と言う。12-31こういうひそひそ話しを耳にした（奥方）は、さっそく使を出し、宴をもうけて（一同を招待し）た。さてみんなにナイフを一つずつ渡しておいて、（奥方はユースに）「さ、出て来て、みなさんにお給仕なさい」と言った。ところで、一同は彼を一目見るなり、まあとばかり感嘆し、思わず手を切ってしまった。そして、「あれえ、これは人間じゃない。どうみたって、たしかに貴い天使様だ」などと言う。 12-32「ね、この人なのよ、私があなたたちに悪く言われるもとになったのは。たしかに私の方から誘惑したのよ。だけど見事につっぱねられたの。でも今度また私の言いつけをはねつけたりしたら、牢屋に叩きこんで、いたい目にあわせてやるわ」と言う。12-33彼は言った、「神様、あの人たちの言う通りになるくらいなら、私は牢屋のほうがましでございます。神様、もし汝があの女どもの悪だくみを私から払いのけて下さらなければ、きっと私は色情にまけてしまいましょう。きっと無道者の一人になってしまいましょう。」12-34それで、主は彼の願いをおききとどけになり、女どもの悪だくみを払いのけておやりなされた。まことに神は、早耳で、あらゆることを知り給う。 12-35さて、一同は、彼の（潔白の）証拠を見ておきながら、やはり暫くの間は牢に入れておいた方がよかろうということになった。12-36彼と一緒に牢に入れられた二人の若者があった。その一人が言うことに、「僕は、自分が葡萄を搾っているところを夢に見た」と。もう一人は、「僕の見た夢は、頭の上にパンをのせて行くところだった。鳥が何羽も来てそれを食べていた。教えて下さい、これは一体どういう意味なんですか。ねえ、お見かけしたところ、君は大変立派な方らしいが」と言った。12-37（ユースフ）答えて言うに、「よろしい、いつも君たちが貰っている食事が来る以前に、必ずそれ以前に、意味をすっかりお教えしよう。これはみんな私の主が特に教えて下さったもの。 12-38今ではご先祖イブラーヒーム、イスハーク、ヤアクーブの宗教を奉じている者です。アッラーとならべて、何かほかのものを崇めるようなことは私たちは絶対にしない。これこそ、我々だけでなく、全人類にたいして示されたアッラーの恩寵なのです。ただ大抵の人はそれを有難いとも思っていないけれど。 ---ユダヤのエホバの神をアッラーに上書きしようとしている。アラビヤのアッラーはにわか作りでからっぽだから、聖書に寄生したいが、おもいきり古い神話の領域のものにしかそれができない。 12-39ねえ、牢仲間のお 12-41ところで、ねえ、牢仲間のお二方、君たちのうち一人だけはやがてご主人の酒つぎをする身分になるでしょう。しかし、も一人は磔にされて、群る鳥が頭を 12-43さても、王様が言われるに、「わしは、七頭のよく肥えた牝牛を、七頭の痩せたのが喰ってしまうところを夢にみた。また青々とした七つの穂と、枯れしぼんだ七つの穂も見た。さあ、長老たち、わしのこの夢について意見をきかせてくれぬか、もしお前たち本当に夢解きができるのであるならば」と。12-44どうせ、たわいもない夢ばかりでございます。だいいち、私どもは夢解きの術などもち合わせておりませぬ」と彼らは答えた。12-45ところで、あの二人のうち生命拾いした方の者、そのときになってようやく（ユースフのことを）憶い出し、「私が皆様にその（夢の）意味を解いてしんぜましょう。ちょっとお暇をいただきとうございます」と言った。 （創世記） 41-1二年の後パロは夢を見た。夢に、彼はナイル川のほとりに立っていた。41-2すると、その川から美しい、肥え太った七頭の雌牛が上がってきて葦を食っていた。41-3その後、また醜い、やせ細った他の七頭の雌牛が川から上がってきて、川の岸にいた雌牛のそばに立ち、41-4その醜い、やせ細った雌牛が、あの美しい、肥えた七頭の雌牛を食いつくした。ここでパロは目が覚めた。41-5彼はまた眠って、再び夢を見た。夢に、一本の茎に太った良い七つの穂が出てきた。41-6その後また、やせて、東風に焼けた七つの穂が出てきて、41-7そのやせた穂が、あの太って実った七つの穂をのみつくした。ここでパロは目が覚めたが、それは夢であった。41-8朝になって、パロは心が騒ぎ、人をつかわして、エジプトのすべての魔術師とすべての知者とを呼び寄せ、彼らに夢を告げたが、これをパロに解き明かしうる者がなかった。 12-46「ねえ、ユースフ、君の言うことなら信頼できる。教えてくれたまえ。七頭のよく肥えた牝牛を、七頭の痩せたのが喰ってしまうってなんのことかね。それから青々とした七つの穂と、枯れしぼんだ七つの穂っていうのは。ね、僕、帰って行ってみんなに教えてやりたいんだ。」12-47彼が言った、「君たち、これから七年間は今までどおり種播きし給え。そして収穫できたものは、食料として必要な最小量のほか全部のままで貯蔵すること。12-48そうすると、次に七年間、とても 12-50王様は「その者をここへ連れて参れ」と言う。そこで使者が彼を（連れに）来ると、彼は「御主人のところへ引き返して、手を切ったあの女たちのことはどうした、と伺ってごらん。言っておくが、私の主はあの女たちの悪だくみのことはもうすっかり御存知だ」と言った。12-51「これ、女ども、お前たち、ユースフにいさそいかけたとき、どうであったのか」との仰せ。女たちは答えて言う、「いえ、いえ、あの人にはなんの悪いところもござりませぬ。」例の殿様の奥方も、「とうとう、これですっかりばれてしまいました。さそいかけたのはこの （創世記） 41-14そこでパロは人をつかわしてヨセフを呼んだ。人々は急いで彼を地下の獄屋から出した。ヨセフは、ひげをそり、着物を着替えてパロのもとに行った。41-15パロはヨセフに言った、「わたしは夢を見たが、これを解き明かす者がない。聞くところによると、あなたは夢を聞いて、解き明かしができるそうだ」。41-16ヨセフはパロに答えて言った、「いいえ、わたしではありません。神がパロに平安をお告げになりましょう」。 12-52「これで殿様もお分りになったのであろう、私がひそかに裏切ったりしなかったことも、それからまたアッラーは決して不実な人間のたくらみをお助けにはならないということも。12-53とはいえ、私はなにも自分が全く潔白だなどと言うつもりはない。なんと言っても人間の心は、とかく悪いことをやらせたがるもの。主の御好意がなかったら（どんな悪にはしるかわかったものではない）。だが、それにしても主は、まことによく罪を赦して下さる情ぶかいお方。」 12-54王様（この話しをきいて）、「その者をここへ連れて参れ。わしの側におきたいものじゃ」とのお仰せ。そこで直接話し合った後、「今日からお前はわしの側近の地位にあって、わしの |
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