１１（４）イブラヒーム １１（４）イブラヒーム
| 11-72次に我らの使徒は、喜びの音信をたずさえてイブラーヒームのもとを訪れた。「平安あれ」と彼らが（挨拶）すると、彼も「平安あれ」と応え、ただちに焼いた （創世記） 18-1主はマムレのテレビンの木のかたわらでアブラハムに現れられた。それは昼の暑いころで、彼は天幕の入口にすわっていたが、18-2目を上げて見ると、三人の人が彼に向かって立っていた。彼はこれを見て、天幕の入口から走って行って彼らを迎え、地に身をかがめて18-3言った、「わが主よ、もしわたしがあなたの前に恵みを得ているなら、どうぞしもべを通り過ごさないでください。18-4水をすこし取ってこさせますから、あなたがたは足を洗って、この木の下でお休みください。18-5わたしは一口のパンを取ってきます。元気をつけて、それからお出かけください。せっかくしもべの所においでになったのですから」。 11-78「これ、イブラーヒームよ、もう何も言うな。主の御命令は既に出てしまった。あの者どもを今や襲おうとしている天罰は、もはや引きも返しもかなわない。」11-79さて、我らの遣わした者がルートのところへやって来た時、彼は大変に心配し、どうしたものかと気を揉んで、「今日は大変なことになったぞ」と言った。11-80果たして人々は、いきせき切って駆けつけて来た、それまでに汚らわしいことばかりして来た人々が。彼は言った、「これ、皆の衆、ここにわしの娘たちがおる。お前たち（どうせ犯すなら）こっちの方がまだ罪が軽い。アッラーを懼れてくれ。わしの客人（を犯したりして）わしに恥をかかせないでくれ。お前たちの中には義しい人間は一人もおらんのか」と。 11-81「お前の娘に手出しする権利など俺たちにないことはお前だってはじめから知っているではないか。俺たちが何を望むか、お前には分かっているだろうに」と彼らは言う。11-82「ああ、わしにお前たちを迎えるだけの腕力でもあればなあ。さもなければ、せめて頼りにできるような強い支柱でもあったらなあ」と彼が言った。11-83すると彼らが「これ、ルートよ、我らはお前の主から遣わされて参ったもの。この者どもには絶対にお前に手出しなどさせないから、一家をひきつれ、夜の闇にまぎれて早く立ち去れ。お前たち一家のものは一人たりとも後をふり返ってはならんぞ。ただし、お前の妻だけは別じゃ。彼女は（ソドムの住民たち）と同じ災難に逢うであろうぞ。彼ら（の滅亡）の予定時は朝になっておる。もうじき朝ではないか」と言う。11-84と、こうして、いよいよ我らの最後の断が下されたとき、我らはあの（ （創世記） 19-6ロトは入口におる彼らの所に出て行き、うしろの戸を閉じて、19-7言った、「兄弟たちよ、どうか悪い事はしないでください。19-8わたしにまだ男を知らない娘がふたりあります。わたしはこれをあなたがたに、さし出しますから、好きなようにしてください。ただ、わたしの屋根の下にはいったこの人たちには、何もしないでください」。19-9彼らは言った、「退け」。また言った、「この男は渡ってきたよそ者であるのに、いつも、さばきびとになろうとする。それで、われわれは彼らに加えるよりも、おまえに多くの害を加えよう」。彼らはロトの身に激しく迫り、進み寄って戸を破ろうとした。19-10その時、かのふたりは手を伸べてロトを家の内に引き入れ、戸を閉じた。19-11そして家の入口におる人々を、老若の別なく打って目をくらましたので、彼らは入口を捜すのに疲れた。 11-85それからまたマドヤン人には同じ血筋のシュアイブを遣わした。曰く、「これ、皆の衆、アッラーにつかえまつれ。ほかにお前たちの神はない。量目や目方を減らすでないぞ。見たところ、お前たち大いに繁栄しているようだが、（何ものも）遁がさぬ日にお前たちがどんな天罰を受けることか、それを思うとおそろしい」と。 11-86「これ、皆の衆、量目の目方は正しく一杯にはかるようにすることじゃ。 他人の持ち物を犯してはならぬ。 悪事にふけって国中に 11-87アッラーがお前たちの手に残して下さるもののほうがどれだけ身のためか知れやせぬ、もしお前たち本当の信者であるならば。11-88が、いずれにしても、わしはお前たちの番人ではない。 11-89するとみなが言う、「これ、シュアイブ。お前の宗旨で行くと、わしらは御先祖様の崇めていたものまで棄てなければならんのか。自分の財産を好きなようにすることもやめなければならんのか。まったく、お前は、なんとも心の優しい、公正なお方だ。」11-90彼が言う、「これ、皆の衆、考えても見るがいい。このわしは、神様から下されたまごうかたない御 11-91これ、皆の衆、わしとの仲間割れがもとになってお前たちあのヌーフの一族や、フードの一族や、サーリフの一族と同じ目に逢うようなことにでもなったらそれこそ大事だぞ。ルート一族（の悲惨な運命）は、お前たちにそう縁遠いわけではなかろうが。11-92ま、なによりも神様にお赦しを請うことだ。そして、早く悔いあらためるのだ。なんと言っても神様は、それは慈悲ぶかくて、愛にみちたお方だから。」 11-93みなが言う、「これ、シュアイブ、お前の言うことはわしらにはさっぱりわけがわからん。わしらの目から見ればお前などとるにも足らぬ弱い男。お前の一家のものに免じて（ゆるしてやるが）さもなければ、石で叩き殺してやろうものを。お前など、わしらにむかってそんな大口たたける身分ではあるまい。」 11-94彼が言う、「これ、皆の衆、お前たちにはアッラーよりわしの一家のほうが大切なのか。お前たち、（アッラー）を、甘くみて放っておくつもりなのか。わしの神様は、お前たちのしていることは何から何まで御存知なのだぞ。11-95これ、皆の衆、それではお前たち、自分でしたいようにすればよかろう。わしも（自分でしたいように）するからな。いずれ、お前たちにもわかる時が来るだろうよ、11-96どちらが天罰を受け、打ち負かされるか、またどちらが嘘つきだったかということが。ま、気をつけて待っているがいい、わしも一緒に待って見ようよ。」 11-97かくして、いよいよ我らの最後の断が下された時、我ら、シュアイブと、それから彼に従って信仰した者どもだけは、特別の思召をもって救い出した。だが、悪人どもには恐ろしい天罰が、霹靂のごとく襲いかかって、翌朝になると、家の中では、みながつぶれ倒れていた。11-98まるで今まで人が住んでいたとは思えぬほどに。「滅び去れマドヤンの一族、その昔、サムード族が滅んだのと同じように。」 |
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