１０（４）モーセの書 １０（４）モーセの書
| ノアの箱舟 10-72さ、彼らにヌーフの話を誦んで聞かせるがよい。彼がみなにこう言った時のあの（話）を−−−−「皆の衆、もしもわしがこうしてお前方の間にいることが迷惑なら、またわしがこうして始終アッラーの神兆のことばかり話してきかせておるのが迷惑だというのなら、わしはアッラーにすべてをお委せ申す。どうかお前方、自分の偶像たちとも（よく相談して）どうなりと自由に行き方を決めるがよい。いつまでももたもたしないように、ここですっきりさせていまうがよい。このわしをどうする気か決まったら、さっさと遠慮なくやるがよい。10-73ここでお前たちに背を向けられたとて、どうせはじめからわしはお前たちから報酬を貰うつもりだったわけではなし。わしの報酬は全部アッラーから頂戴する。わしはただすべてを神にお捧げ申すようにと言いつけれて（ここに来た）だけだから」と。10-74するとみなは彼にお前は嘘つきだと言いだしたので、我らが彼とその味方の者を箱舟に乗せて救出し、彼らに（地上を）継がせるとともに、我らの神兆を嘘よばわりした者どもはことごとく溺死させた。ま、見るがよい、警告を受け（ながら改悛しなかった）人々の最後がどのようなことになったか。10-75それから、彼の後も我らは多くの使徒をそれぞれの民に遣わし、彼らは数々のまぎれもない神兆を携えて人々のもとにやって来たが、昔嘘よばわりしたものを今さら信ずるわけがない。こうして我らは背信の徒の心には（もはや消えることのない）刻印を捺してしまう。 （ 6-5主は人の悪が地にはびこり、すべてその心に思いはかることが、いつも悪い事ばかりであるのを見られた。6-6主は地の上に人を造ったのを悔いて、心を痛め、6-7「わたしが創造した人を地のおもてからぬぐい去ろう。人も獣も、這うものも、空の鳥までも。わたしは、これらを造ったことを悔いる」と言われた。6-8しかし、ノアは主の前に恵みを得た。 モーセとアロン 10-76次いでその後、我らはムーサーとハールーンに神兆を託してフィルアウンとその長老たちのもとに遣わしたが、彼らは慢心を起して（それを受けようともしなかった）。まことに罪深い者どもであった。10-77そこでせっかく我らのもとから直き直きに真理が下されたというのに、彼らは、「これはたしかに妖術だ」などと言った。10-78「なんたることだ、お前たち、真理を目のあたり見せて戴きながら、そのようなことを言うのか。これが妖術であってなるものか。妖術師は栄えはせぬ」とムーサーが言うと、10-79「おい、貴様、我々をだまして御先祖様から伝来の（信仰）を棄てさせ、あわよくば二人でこの国の王位を奪おうとしてやって来たのだな。誰が貴様らの言うことを信じたりするものか」と彼らが言う。10-80フィルアウンは「（我が国の）有能な妖術師を一人のこらず呼び集めよ」と命令した。そして妖術師たちが来ると、ムーサーは彼らに向って、「さ、なんでも擲げたいものを擲げてみよ」と言った。10-81そして彼らが（杖を）擲げて（彼らの能力を）見せた時、ムーサーは言った、「いまお前たちのして見せたことこそまぎれもない妖術だ。そのようなものはアッラーが忽ち無力にしておしまいになるぞ。悪事をはたらく人々の仕業をアッラーは決して支持なさらない。10-82悪人どもには迷惑であろうが、アッラーはその御言葉によって、あくまで真理は真理として立て給う。」 10-83だが、ごく少数の者を除いて、誰もムーサーを信じようとするものはなかった。フィルアウンとその長老たちの迫害を恐れて。なにしろフィルアウンは国内に権勢をはり、思いのままに暴政を行っていたから。10-84そこでムーサーは（自分に従う人々に）言った、「これ、皆の衆、もしお前たちアッラーを信仰する身であるならば、すべてを彼にお委せ申すがよい。もし本当に心から信仰しているのであるならば」と。10-85一同は言った、「アッラーにこそ我らはすべてを委せ奉る。おお我らが主よ、我らを不義不正の民（に悪事をはたらかせる）まどわしの種になさらないで下さりませ。10-86なにとぞ、お慈悲をもちまして、我らを背信のやからから救い出し給え」と。 10-87そこで我らはムーサーとその兄に啓示を下し、「汝ら両人の（率いる）民のため、エジプトの国内に住家を指定してやるがよい。そして特に汝らの家を礼拝の中心として、礼拝の務めを正しく守るようにせよ。信仰深き者どもには喜びの音信を伝えてやるがよいぞ」と指示した。10-88するとムーサーが言うに、「主よ、汝はフィルアウンとその長老たちに現世での栄燿＜えいよう＞と富貴をお授けになりました。主よ、どうか彼らが汝の道から迷い出てしまいますように。主よ、彼らの財宝をあとかたもなく消滅させて下さりませ。彼らの心をいよいよ頑なにして信仰を納れさせず、最後に苦しい罰をなめさせてやって下さりませ。」10-89「よし、汝ら両人の願いは聴きとどけられたぞ。されば汝らはただまっすぐに進み行け。ものの道理もわからぬ者どもの道に踏み入るでないぞ」との仰せであった。 10-90こうして我らはイスラエルの子らに海を渡らせた。フィルアウンとその大軍はそれっとばかり勢こんで追って来たが、ついに溺れ死にそうになって、（フィルアウンは）「私も信じます。イスラエルの子らが信仰している神のほかには絶対に神はありませぬ。私も本当の信者でございます」と言った。10-91なんたることか、今ごろになって。以前は散々反抗し、不埒なことばかりしておりながら。10-92しかし、今日のところは、お前を身体ごと助けておいて、後から来る者への徴にしよう。まことに、我らの下す神兆に無関心な者があまり多すぎるから。」 10-93かくて我らはイスラエルの子等のために立派な住み場所を決めてやり、いろいろと結構なものを沢山授けた。そして（悪）智恵が生れるまでは、仲間割れもなく（平安に）暮すことになった。彼らの仲間割れについては、いずれ神様が、復活の日に御自身で裁き給うであろうぞ。 ---コーランには、パレスチナに進軍し、長期間の熾烈な戦いを指揮したヨシュアの話が出てこない。 10-94されば、もし我らがお前に啓示したことで何か疑わしい点があったなら、お前より前から聖典を読んでいる人々に訊ねて見るがよい。こうしてお前のもとに神様のところから真理が届けられた。決して疑心を抱いてはならぬぞ。10-95決してアッラーの神兆を嘘よばわりして、救われぬ人になってはならぬぞ。10-96まこと、神様の（予）言通りになった人間は、絶対に信仰に入ることはあるまい。10-97たとい、ありとあらゆる神兆が現われたとて、苦しい天罰を目のあたり見るまでは・・・・ （ 3-7主はまた言われた、「わたしは、エジプトにいるわたしの民の悩みを、つぶさに見、また追い使う者のゆえに彼らの叫ぶのを聞いた。わたしは彼らの苦しみを知っている。3-8わたしは下って、彼らをエジプトびとの手から救い出し、これをかの地から導き上って、良い広い地、乳と蜜の流れる地、すなわちカナンびと、ヘテびと、アモリびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとのおる所に至らせようとしている。3-9いまイスラエルの人々の叫びがわたしに届いた。わたしはまたエジプトびとが彼らをしえたげる、そのしえたげを見た。3-10さあ、わたしは、あなたをパロにつかわして、わたしの民、イスラエルの人々をエジプトから導き出させよう」。 ---創世記、出エジプト記、これら聖書の洗練された文章は、バビロン捕囚から帰還してユダヤ人となった人々の中より、主として神職のレビ人たちの手によるものである。最初のものは、バビロンとペルシャの公用語であったアラム語で書かれたであろう。 |
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