１０（２） １０（２）
| 10-20もともと人類はただ一つの民族であったのが、後にばらばらに分裂した。もしそれより以前に主の御言葉が出ていなかったなら、彼らお互いの間のくい違いは完全に裁きがついてしまったことであろう。10-21（暫く天啓が途絶えると）すぐ彼らは、「どうしたわけかねえ、少しも神様からお 10-23彼こそは汝らを陸上にまた海上に旅させて下さるお方。そして汝らが舟に乗り込み、ほどよい風に舟は彼らを運び行けば、彼らはそれで大喜び－－－－と思う間に、たちまちさっと 10-25かりそめの現世の生をものの譬えで説こうなら、天から我らの降らす水のごときものか。その（雨水）に、人間や家畜の食い物となる地上の草木がよく混じて、そのうち大地は色とりどりの装いをこらして目もあやなす美しさ。そこに住む（人間ども）は、これでついに（大地を）完全に支配したと思い込む。と、その時、突然我らの命令が夜に、また昼にふりかかって、遂に（あたりは）一面の刈入れの跡と変じ、昨日までのあの盛んな面影はどこへやらということになる。と、このようにして我らはものごとを深く反省する人々のためにいろいろと神兆を説きあかす。10-26アッラーは、平安の宿に誘い給う。御心のままに正しき道に導き給う。 10-27善行をなした人々は、こよなく美しい（御褒美）のその上に足しまえまでも戴けよう。塵埃も屈辱もその顔を覆うことなく、楽園の住人となって、常とわまでもそこに住まう。10-28これに反して悪事ばかり稼いだ人々は、悪事一つごとに相応の報いを頂戴し、屈辱に覆われ、アッラーから護ってくれる者とてなく、あたかもその顔は暗影ふかき夜の闇にすっぽり包まれてしまったようになろうぞ。こういう者どもは劫火の住人、常とわまでそこに住みつこう。 10-29我らがあらゆる人々を喚び集めるその日、（アッラー）とならべて邪神を崇めて来た者どもにはこう言ってやるぞ、「さ、汝らの場所はあそこじゃ、汝らも、それから汝らのお仲間様も」と。そして彼らの間を分けてやる。するとお仲間様たちが（その信者たちに）言うだろう、「お前たち、本当はわしらを崇めていたのではなかったな。10-30わしらとお前たちの間のことについては、アッラーの御証言だけで充分。とのかくこちらではお前たちごときに崇めてもらっても、少しも有難いとは思わなかった」と。10-31こうなってきては、誰もかれも、みな自分が以前（現世）でしていたことを経験し（なおさ）ねばならぬ。みな自分の本当の御主人たるアッラーのお手元に引き戻され、彼らが（現世で） 10-32言ってやるがよい、「天と地（の産物）でお前たちを養っているのは誰だ。（一切を）聞く力、（一切を）見る目をもっているのは誰だ。死物から生者を作り出し、生者から死物を作り出す者は誰だ。（すべての）物事を 10-34邪曲の 霊感のコーラン 10-38現にこのクルアーンにしても、アッラー（の霊感）なしに（人間が）頭で作り出せるようなものではない。それどころか、これこそは、先行する（啓典）を確証するものであり、かつはまた、疑念の余地もなく（明らかに）万有の主の下し給う啓示の書（一般）を解明するものである。 ---旧約聖書は多数のユダヤ人（の中のレビ人）よって書かれている。新約聖書は、主としてルカの作業であり、ローマ教会が多くの立場を考慮して編纂し、聖書にまとめあげた。新約聖書は、異邦人が書いたのである。 （１）旧約聖書は古代ユダヤ人の作成した民族宗教書である。創世記では、神が七日目に休まれたとして、ユダヤ人の安息日を聖別した。その「安息日」を掟の先頭にし、違反者は石で打って殺した。また、商売など必要最小限のつきあい以外は、他の社会と隔絶した非常にユニークなユダヤ人風土を形成していた。 （２）聖母マリヤとイエスはその古代ユダヤ人社会の只中に生きて、その宗教的な救いの業を完成された。イエスはキリストとなって、永遠の大祭司となられた。新約聖書の大部分は、異邦人テオピロの信仰とルカの類まれな才能によるものである。すなわち、聖母マリヤからの聞き書き、パウロとの同行記録、パウロの書の写本である。とりわけ、ルカは、著述にローマ帝国の皇帝の名を記し、世界史に関連付けを行い、それがノンフィクションであることを伝えている。 （３）贖罪の業が完成してまもなく、西暦７０年、古代ユダヤ人はローマ軍によって滅亡した。エルサレムと神殿を失い、全員が離散のユダヤ人となった時、古代ユダヤ人は滅んだのである。イエス・キリストに繰り返しはない。神の業は、ただ一度きりのものである。 （４）ヨハネの福音書やヨハネの黙示録とされているものは、離散のユダヤ人（ギリシャ語）による哲学書であり、人々を救い贖いだす力は無い。一見、素晴らしい言葉が羅列してあるが、人が頭で考えたものである。哲学的とは、人が頭で考えたものは、一見何か良さそうに思えるが、非条理に対して何の救いももたらさない、という意味である。 （５）聖母マリヤの受胎告知の従順、イエスの苦杯と他人（バラバ）の十字架は、人が頭で考えて成せるものではない。どちらも絶対絶命の非条理であり、それを受託して従える人間はいない。ここに古代ユダヤの信仰の極みが生じたが、当のユダヤ人の大多数は理解できなかった。体制が変わること、すなわちユダヤ教から大きく逸脱することを恐れたのである。 （６）また、カペナウムの百卒長とその僕がイエスと関係し、僕ルカが聖母に聞き書きし、エリザベツの故事を聞きにユダの山里に足を運ばなければ、「聖母子」はなかったのである。その内容は、聖母マリヤがユダヤ人には絶対話さないことだからである。ユダヤ人がマリヤから直接受胎告知の話を聞けば、彼らは彼女の気が狂ったと思うであろう。コーランの記者が聖母マリヤを貶めて書くのと対して違わない結果になる。ユダヤ人は、マリヤを神涜罪で殺したであろう。 （７）これに対して、コーランはマホメットを利用して、一人の指揮者と多数の書き手によって書かれている。彼らには何の信仰的土台もないので、アラビヤの巷で聞いた聖書のうろ覚えの知識で間に合わしたのである。コーランの内容は、けんか口調であり、アッラーはディズニー映画の魔王程度の視野しかない。アッラーは、ユダヤ人の氏神エホバでも、イエス・キリストの名による父なる神でもない。 10-39それでも彼らが「どうせこれは、あの男のひねり出した 10-41或る者はそれを信じ、或る者は信じない。ま、とにかく、世の中を堕落させる者どものことは、お前の主が誰よりもよく御存知。10-42だから、もし彼らがお前を嘘つきと言ったら、答えるがよい、「わしの仕業はわしのもの、お前たちの仕業はお前たちのもの。わしが何をしようとお前たちには無関係、お前たちが何をしようとわしには無関係」と。10-43彼らの中にもお前の言うことに耳をかそうとする者もおるだろう。だが、元来わけのわからないあの徒の、つんぼをなおして耳が聞えるようにしてやる能力がお前にあるのか。10-44また中にはお前の方に目を向ける者もあるだろう。だが、元来ものの見えないあの盲の手引きしてやる能力がお前にあるのか。 |
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