（４・２）メドウサの首

 
彼はヘルメスとアテナに導かれてポルコスの娘たち、エニュオ、ペプレド、デイノの所に行った。この女たちはケトとポルコスの娘で、ゴルゴンたちの姉妹であり、生れた時から老婆であった。三人は一つの眼と一つの歯を持ち、これを互いに順に廻していたのである。ペルセウスはこれを自分のものとし、彼女らがそれをかえしてくれと要求した時に、ニムフたちの所へ通ずる道を教えてくれればかえそうと言った。

これらのニムフは翼のあるサンダルと「キビシス」とを持っていた。キビシスとは袋であると言われる。

［ピンダロスおよび「楯（たて）」の中においてヘシオドスは、ペルセウスについて
彼の背は恐ろしき怪物ゴルゴの（頭）に蔽（おお）われ、
キビシスは彼をめぐりて走りぬ
と言っている。衣服と食料とがその中に収めれているいるから、かく言われるのである］。

第二巻（Ⅳ）（Ｐ８１）
彼女らはまた（地獄王（ハデス））の帽子を持っていた。ポルコスの娘たちが道を示した時に、歯と眼とを彼女らにかえし、ニムフの所に行ってその欲するところの物を得、キビシスを身に纏（まと）い、サンダルをば踵（かかと）につけ、帽子を頭にかぶった。この帽子をかぶっていると自分の欲するものは見ることができるが、他の者からは見られないのである。

またヘルメスから金剛（こんごう：非常にかたいもの）の鎌を得て、空を飛んでオケアノスに来り、ゴルゴンたちが眠っているところを見つけた。ゴルゴンたちはステノ、エウリュアレ、メドウサである。メドウサのみが不死でなかった。それゆえにペルセウスはこの女の頭を取りにやられたのである。

ゴルゴンたちは竜（りゅう）の鱗（うろこ）でとり巻かれた頭を持ち、歯は猪（いのしし）のごとく大きく、手は青銅、翼は黄金で、その翼で彼女らは飛んだ。そして彼女たちを見た者を石に変じた。ペルセウスは彼女らが眠っている上に立ちふさがって、アテナに手を導かれ、面をそむけつつ、それによってゴルゴンの姿を眺める青銅の楯の中を眺めながら、彼女の首を切った。

首を切り取るやゴルゴンより有翼の馬ペガサスとゲリュオンの父クリュサオルが飛び出した。

2-4-3これらはメドウサがポセイドンによって生んだのである。ペルセウスはキビシスの中にメドウサの首を入れ、再び立ち戻った。ゴルゴンたちは眠りから起きて、ペルセウスを追ったが、帽子のために彼を見ることができなかった。これによって隠されていたからである。
 
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2015/3/18 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会