○(9−18)トロイ幕閣の軍議にて結束トウルヌスを川に敗退させる (9-778)(9-779)(9-780)(9-781)(9-782)(9-783)(9-784) (9-785)(9-786)(9-787) 自軍(じぐん)のあまりの痛手(いたで)の報告を受けてテウクリ人の総師たちが一箇所に集合した。そこにはムネステウスと剛勇(ごうゆう)のセレストウス(9-175)の顔があった。彼らは味方の陣内が崩壊(ほうかい)し、ひとりの敵が混入(こんにゅう)している現状を把握(はあく)した。 ムネステウスはこう述べた。「されば、何処(いずこ)へ逃げろと申さるる。何方(いずかた)を目指すおつもりでござる。ここよりほかにわれらが拠(よ)って立つ城はないのではござらぬか。ほかの地のどこかに、どなたか城壁を構えておらるるとでもおしゃるのか。たったひとりの敵が、われらの城内に取り込められているのじゃ。おのおのがた、奴(やつ)にはどこも出口(でぐち)がありゃせん。それでいながら平然(へいぜん)と殺戮に没頭(ぼっとう)しているのじゃ。 われらが一騎当千(いっき・とうせん)の若武者どもを、かくも大勢(おおぜい)、黙って冥界(めいかい:オルクス)へ送らせてはならんのではござらぬか。このままではわれら、単なる腰抜(こしぬ)けじゃ。これではわれらは、滅(ほろ)びし故国(ここく)に対し、われらが古き神々に対し、また大アエネアス王に奉(たてまつ)り、相済(あいす)まぬではござらぬか。われらおめおめと生き恥(はじ)曝(さら)して、いかなる顔向(かおむ)けがかないましょうや」。(9-778-787) (9-788)(9-789)(9-790)(9-791)(9-792)(9-793)(9-794) (9-795)(9-796)(9-797)(9-798) 彼がこう言い終わるとテウクリ人たちは胸が熱くなった。皆で陣備(じんそな)えをしっかり固めなおした。すると、やがてトウルヌスは少しずつ後退(こうたい)を始めた。彼は川の方へ向かい、波が壁を洗うところを目指した。テウクリ人たちは勢いづいた。彼らは大喚声をあげて反撃し、包囲陣(ほういじん)を強化した。 |
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2015/12/04 オリジナル教会(初代代表) 笹倉正義
正式名称:(笹倉宗)聖母マリヤ福音教会