７（４）戦争の予兆(よちょう)

○（７−４）トウルヌス排斥の予兆 だがこの件に関しては、神々の不同意を示すさまざまな凶兆（きょうちょう）があらわれ、人々を震え上がらせていた。(7-47-58) (7-59)(7-60)(7-61)(7-62)(7-63)(7-64)(7-65)(7-66)(7-67) (7-68)(7-69)(7-70) 王宮の中央の高き奥殿（おくどの）の庭に、一本（ひともと：木や草などの、いっぽん）の月桂樹（げっけいじゅ：ラウルス）が立っていた。その木はその神聖な葉ゆえ、長き年月にわたり畏怖（いふ）され、敬（うやま）われてきた。これは父なるラティヌス王が、初めて砦を造営（ぞうえい）するにあたり、自ら見つけてポエブス（アポロ）に奉納したものと言われている。住民の名称も月桂樹（ラウルス）にちなんでラウレンテス人とされた。 ここに不思議が起きた。晴れ渡った空（そら）からの蜂（はち）の大群が現れ、ざわめきながら密集してこの木の梢（こずえ）を占領（せんりょう）した。蜂たちは脚（あし）を相互に組み合わせると、葉の茂る枝から垂れ下がった。予言者の答えは素早かった、「遠くから接近する武士（もののふ）が見えまする」と彼は言った。「軍勢がこの蜂の群れと同じ方角（ほがく）から現れ、同じ方向へやって来ます。彼らは高き砦を築き支配を開始します」。(7-59-70) (7-71)(7-72)(7-73)(7-74)(7-75)(7-76)(7-77)(7-78)(7-79)(7-80) それからこんなことが起きた。乙女（おとめ）のラウイニアが父王と並んで聖火を捧げ持ち、高壇に点火しようとした刹那（せつな）、その火が彼女の長い髪に燃え移った。それは見るも禍々（まがまが）しい光景だった。彼女の髻飾（もとどり・かざり：ケイショク：オルナトウス）がすべて音を立てて燃え上がった。王女の綰（ワン、エン、わが・ねる：曲げて輪の形にする）髪（かみ、ハツ）も、宝石をたくさん嵌（は）め込んだ冠環（ティアラ：コロナ）も、炎に包まれた。 少女は赤い光を放ちながら、煙を上げ、王宮全体を火焔（かえん：ウォルカヌス）に巻き込んでいった。この見るも恐ろしい怪異（かいい）は、たちまち人々の噂（うわさ）の種（たね）になった。彼女はやがて輝く名声に包まれること必定（ひつじょう）だ。だが、民（たみ）には恐ろしい戦争の前兆が示されたのだ、などという予言が広まっていった。(7-71-80)

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2015/11/20 オリジナル教会（初代代表）　笹倉正義
正式名称：（笹倉宗）聖母マリヤ福音教会